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15.遺跡の真実

 慎は、三人を連れて、昨日寝ていた部屋に戻った。

「昨日はこの部屋に、泊めてもらったんだ。」

 四人が中に入ると、天蓋付のダブルベットが、部屋の真ん中に置いてあった。

「おい、まさか四人で、ここで寝ようとか、いうんじゃないだろうな。」

 郷が恐る恐るベットに近づく。

「さすがに、それはないだろう。」

 慎はそういうと、ベットの隣に用意されていたソファーに座る。

 隼人と守もソファーに座った。

 郷もベットを離れて、向かい側のソファーに腰を下ろした。

「守、なにか女性陣二人には、聞かれたくない話があるんだろ。」

 隼人が守を促した。

 守は頷くと、話し出した。

「この話、本当は、南さんにも関係があるんだけど、話した方がいいかどうか、僕には判断できなかったから、隼人にだけ、今は話すよ。」

 隼人は頷いた。

 守が何か隠して居ることは、うすうすあの話を聞いていて、気がついたんだが、あの場には、六人以外に、この国の筆頭魔導士もいたので、あえて聞かなかったのだ。

 守は話す前に、何かの呪文を唱えた。

 四人の周りが青く光り、直ぐに消えた。

「今のは?」

 慎が守に聞く。

「一応、盗聴防止。まっ、聞かれて困る話ではないけど、盗み聞ぎされるのは、嫌だからね。」

 慎は目を瞠った。

「じゃ、ここ盗聴されていたのか?」

「えっ、気がついてなかったの?慎にも守護者がいるでしょ。」

「うっ、昨晩は、ちょっと・・、いろいろあって、それどころじゃ、なかったんだ。」

 慎は冷や汗を垂らしていた。

『あんなの他人に聞かれてたなんて、俺生きていけない。』

「大丈夫、慎?」

「ああ、大丈夫だ。さきを続けてくれ。」

 慎は考えるのを止めた。

 守は話の先を続けた。

「実は、遺跡なんだけど、古文書と遺跡の両方を調べないと、何とも言えないんだけど、かなり不味い状態じゃないかと思う。」

「かなり不味いって、どういう意味だ。」

 郷が疑問顔で聞いてきた。

「さっき僕が、言ったこと覚えてる。あの遺跡は、前世の記憶を呼び覚ますだけのものだったという話。」

 守る以外の三人は頷いた。

「なのに、今では、異世界召喚を誰も指示していないのに、遺跡が勝手にしてるんだ。これがたぶん僕が死んだ後、ずっと続けられていたとしたら、すっごくまずい。」

「どう不味いんだ?」

 隼人が先を促した。

「たぶん、あそこは、異界エネルギーが溜まり過ぎてるんだと思う。だから、あんな黒騎士とか使い魔が、出てしまっているんじゃないかな。このまま、この状態をほっておくと、近いうちにとんでもないものが生まれるんじゃないかと、ガイアが不安に思っているんだ。」

「ガイアが不安に思っているだと!」

 ガイアが不安な思いに反応して、郷がアポロンになっていた。

 守の目が丸くなる。

「アポロンさん、なんでそこにいるですか?」

「決まっている、ガイアが不安に思っていると、聞いたからだ。」

「でも・・・。」

「早くガイアを出しなさい。」

 アポロンの目が怖い。

「えっと・・・。」

 守はアポロンに睨まれて、諦めて、ガイアになった。

「アポロン兄さん。守を脅さないで、ちょうだい。」

 ガイアが怒っている。

 でも仕草が可愛すぎて、いまいち迫力にかける。

「すまない。ガイアが不安に思っていると聞いて、居ても立っても、居られなくなってしまった。」

 アポロンは深く反省しているようだ。

 隼人と慎は、二人のやり取りに呆けていたが、いち早く気を取り直した隼人が、ガイアに問いただした。

「ガイアさん、とんでもないものって、なんなんですか?」

 ガイアはアポロンとの会話を止めて、隼人の質問に答えた。

「あなたたちの世界でいう、魔王のようなもの。」

「「「魔王!!!」」」

「まだ不明確だけど、そのくらいの澱みをあの遺跡から感じるのよ。だから守たちには一刻も早く原因を解明して、この澱みを解消してほしいの。」

「その、その澱みが、僕と南にどう関係してくるんですか?」

 ガイアは一瞬躊躇した後、答えた。

「澱みがひどくなりすぎると、空間の歪みも酷くなって、召喚された異世界人である、あなたたち二人は、もう向こうの世界に、二度と帰れなくなるわ。この話をさっき守は、わかっていたので、曖昧な言い方をしていたようね。逆に、いますぐ遺跡に戻って、召喚の儀が解除できれば、すぐに二人は、元いた世界に戻れるわ。」

「戻れるんですか?」

 隼人はびっくりして聞いていた。

「ええ、召喚の原因が掴めれば、すぐに解除出来るわ。逆に言うと、早い段階で、原因がわからなければ、・・。」

「そのうち澱みがひどくなって、戻れなくなる。」

 隼人が後を続けた。

 ガイアは頷いた。

 アポロンが悲しそうにしているガイアの肩を、抱いて慰めている。

「アポロン兄さん、ありがとう。」

「俺も手伝うから、そんなに不安になるな、ガイア。」

 さらに、きつくアポロンがガイアを抱きしめた。

『わぁー、待った、待ってくれ。それ以上は、もうダメ。やめてぇー。』

 郷は心からアポロンに懇願した。

『うるさいぞ、郷。』

「もう大丈夫よ、アポロン兄さん。」

「また何かあれば言うんだぞ、ガイア。」

 アポロンはそういうと、ガイアの額にキスをした。

 郷はアポロンの中で叫んでいた。

『ひぇー、いやだぁー、勘弁してくれ。』

 アポロンとガイアが消えた後、二人は同時に飛びのいた。

「「いまのは、うそだぁー、やめてくれぇー。」」

 二人はしばらく、床に力なく突っ伏していた。

 慎が憐れんだ顔で二人を見て、心から安堵した。

『よかったぁー。アレスの好きな人が雪の守護者で、今の二人みたいなことになったら、俺生きていけそうにない。』

 慎が安堵している横で隼人は今聞いた、ガイアの言葉を南に話すかどうか思案していた。

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