羞恥
すみません、短いです。
「おぉっ、美味しそうっ」
目の前には湯気を上げ並べられた料理の数々……と言いたいところだけどっ!オッサンは氷以外食さないらしいから、ここにあるのは私一人分の量で…テンション下がるわ!!
「はい、あぁん」
突きつけられているのは、美味しそうなお肉が刺さったフォーク。
そして…若干小さそうなフォークをつまむように持った、オッサンのぷにぷにしたまるっこい指と甘ったるい声。
「って、待ちに待ったご飯なのに、なんでオッサン伝いに食事しなきゃいけないわけ!?」
私ちゃんとオッサンとの随時増やされる夫婦のお約束も守って、店員さんが来たときだって目も合わせないように気をつけたじゃん!!なのに、何なのコレッ?!
第三者から見て、いくら竜絡みだって言っても普通の十代後半の女がオッサンの膝に座って、食事まで手ずから与えられるっておかしくない?!羞恥の極みでしょ!!
「…嫌なのかい?」
そんなもん…嫌に決まってんだろっ!?とは言えない空気だ。
…諦めよう。周囲がちらちらと視線をくれる中、私はオッサンの手で肉を食う。
「ほら、食べたいって言ってただろう?美味しい?」
優しい声で、ぽちゃぽちゃした顎の肉を押し潰し、どうにかこちらの様子を見ようと頑張っている様子を見ると、どうしても怒ることは出来ないし。
「オッサン、今日どこに泊まるの?それとも今日も寝ないで飛ぶ?」
美味しいかそうじゃないかは羞恥で味覚が感じられないから、軽くスルーして今後の予定を聞く。
「ん、そうだねぇ…なるべく早く着くようにしたいし。今のところ僕はあまり睡眠を必要とはしていないから、そのまま飛ぼうかな?」
ふぅん、じゃあこの国にいられるのもあと数時間ってことか。
「じゃあ、早く買い物行こう?服と携帯食も買わないといけないし」
「もう良いのかい?」
…いや、良いのかいって
「…うん、もう、お腹一杯だし」
あぁ、もうこりゃ買い物で憂さ晴らしするしかないな!!待ってろ服屋!!
立て続けに風邪を引き、久しぶりの更新なので誤字・脱字が心配です。
どうか感想をお願いいたします。