カブトムシ
文化人類学IIの講義が終わった。大講義室に残る者もちらほらいるが、ほとんどの学生は廊下へで出て行った為静かである。隣を除いては...
「待ってセバスチャン。まだ私のカブトムシはドラゴンと戦うには戦闘力不足なの。」
「双葉起きて。授業終わったで。」
優しく双葉の肩を揺らした。しっかし寝相が悪い。
「はっ!カブトムシがヤンキー達に燃やされた!」
まだ夢の中におる。
どんな夢を見たらこんな寝言を発するのだろうか。いっそこのまま次のネタにするのもアリだ。
「飛んだー」
カブトムシ燃やされたけど飛んでるんか。
フェニックスカブトムシや。
「カブトムシ用のバイクが到着」
仮面ライダーか?キックまですれば完璧だな。
ちょっとワクワクしてきた。
「決まったー」
お前プロレス解説者かよ。てか勝敗も決め技も分からんな。起きたら聞こ。
突然双葉の身体がビクッと揺れた。
「ここどこ?」双葉はだいぶ寝ぼけているようだ。
「梅田駅やわ。はよ降りるで。」
「待って〜夏凜。」双葉は甘え声で私を引き留める。
なんて可愛い生物なんだ。さっきまでの醜態が帳消しにされる程度には愛おしい。
「ちゃう。ここ大学。はよ次の講義行くで。」
「ダルシム」
「誰も彼もがストリートファイターのヨガファイアーを知ってると思うなよ。」
「あいつヨガを極めし者だから瞬間移動もできるで。」
「申し訳ないけどやった事ないから分からないのよ。ほんで、カブトムシはどうなったん?」
双葉は訳がわからないと言いたいような顔をして私の顔を見てきた。
「夏凜、頭の中ぱーりないやな。」
オブラートに包んだつもりだろうか?
衝動的にしばきたくなったが、顔に免じて許した。
「ちゃうわ。双葉が寝言で言ってたから聴いたんや。」
「そんな事言ってたん?覚えてへんわ。」
カブトムシの勝敗は分からずかい!
「とりあえず、次のネタはカブトムシを主題にせん?」
「オモロイんかな?それ」
双葉は寝起きのくせにネタに関しては頭が働くらしい。




