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ハイファンタジーで良くある話ながら戦うバトルを目指すおっさん~田舎の剣術道場の師範代のおっさん。美少女が主の剣術道場に入門する話

作者: 山田 勝
掲載日:2026/02/27

「親父!王都に行くぜ」


 俺はダビン、40すぎのおっさん。田舎の道場の師範代だ。親父が道場主だ。

 ブッカー流という剣術の他に体術も教える道場だ。

 弟子達は近所のガキどもで、王都に行って出世するものはいない。迎えに来いよ。


 ほとんどが冒険者か、畑仕事の時に魔物に襲われた時の自衛目的だ。

 だから身軽だ。


「ああ、行ってこい」


 俺は更なる高みを得るために修行に出るのだ。


 ってなことで王都についた。


「スゲー!建物デッケー」



 とにかく情報収集だ。

 剣術道場を回る。



「何だ・・・これは・・」


 木刀で打ち合っている。


「イタい!」

「いいか、つばぜり合いなんて戯言だ!一撃必殺!」



 看板の名は実戦流だ。

 ここに俺の求めるものはない。帰ろうとしたら、呼び止められた。


「おっさん。見学だろう?その手にしている物は剣か?同業者だろう。偵察か?」


 若い道場主っぽい奴に言われた。


「はい、これは私が考案した物で竹の束を布に包んだものです」


「「「プゥ~クスクスクスクス~~」」」


 笑われた。


「なして?そんなオモチャで練習するの?」

「はい、練習で怪我をしてはいけないからです」


「おっさん。相手してやるよ!」


「いえ、結構です」

「臆病だな」



 丁重にお断りをして去った。


 いくつか道場を回ったが目的とする道場はない。


 しかし、一つだけあった。


「ハンスさ~ん。踏み込みが甘いですわ。もう、半歩ですわ~」

「はい、アデルさん」


 デール剣術指南道場・・・


 令嬢が教えている珍しい道場だ。弟子は1人しかいない。しかし、道場は立派だ。平民女のドレスに髪は一つにまとめている。金髪で目は垂れている。穏やかに見えるな。


「あの!入門させて下さい」

「え、宜しいのですか?私とても弱いですわ」

「己の弱さを知るのも強さです」


「でも、ここは心が大事がモットーですわ。人格形成が目標ですわ」



 兄弟子のハンスさんは八百屋さんだ。

 何でも・・・


「お父様が亡くなってから、弟子達は去りましたわ。私では指導力不足だと・・」

「お父様は立派です。指導者の才を見いだしたのでしょう。強さと指導力はまた別物です」



 俺は一生懸命に学んだ。

 昼はハンスさんの野菜売りを手伝い。

 夕方から学ぶ。


「ダビンさん。入門した目的ってアデル先生目的?だったら許さないよ」

「え、アデルさんの剣術目的だよ。心の使い方が勉強になる・・」

「・・・まあ、道徳も教えるけど、本当に?」


 ハンスさんは元々出入りの商人だった。道場の窮乏を見かねて入門したそうだ。


「こら~、おしゃべりしない」


「あの先生、撃ち合いの練習にこの竹の剣はどうでしょうか?怪我はしなくなりますよ」


「まあ、素晴らしいわ」


 ここは剣で素振り。剣で型をする。ゆっくりと2人で撃ち合いの型を行い。寸での所で止める。


 これは我が道場でも同じだ。


 しかし、型だけでは強くなれない。型の達人にしかなれない。剣舞があるが、それはそれで立派な技能だが俺たちの目的は違う。


「エイ!エイ!」

「やあ、やあ」


 とハンスさんの打撃を受け止める。


 この方法、実の剣との差がある。重さが違う。持ち方が異なるが、完璧な練習方法はない。


 強いてあるとすれば実戦だ。しかし、人を殺すなんて、平和になった世では無理だ。戦争が終わってからもう15年以上たった。


 いいな。こんな平和な日々が続けば良い。


 と思ったが。


「たのもー!」


 ゾロゾロと人がやってきた。あの実戦流の一派だ。


「「「プゥ~クスクスクスクス~~」」」

「おっさん。ここにいたの?」


 あの道場主だ。


「ガイル・・何しに来たのかしら?」

「俺と結婚しろよ。そしたらこの道場を使ってやる」


「断りますわ!剣は心ですわ!」

「それが甘いっての。剣術は実戦だぜ!」


「八百屋とおっさんが弟子だって、それじゃ道場を維持できないだろう」


 ハンスさんはブルブル震えてアデルさんの前に立つ。


 これは・・・勇者だ。

 俺は提案した。


「あの、どちらの弟子が強いかで決めませんか?」

「はあ、その竹の剣でか?」


「いえ、実際の剣で使いましょう」


 俺は剣を出した。そしたら、変なことを言い出す。


「おっさん。本物の剣を出して馬鹿なの?木刀に決まっているだろう!」


「えっ、実戦流ではないのですか?」

「木刀に決まっているだろう!」


 仕方ないな。木刀を手にする。これも実の剣と違うしな。


「ダビンさん!」

「アデルさんから学んだこと、生かさせて下さい!」


 俺は木刀を右手で構え。左手にナイフを持つ。投げるためだ。


「はあ、ルール違反だぞ!」

「えっ、ルール?実戦でルールあるの?」


 いちいち面倒くさい。

 相手の弟子は20人ぐらいか。この人数なら抜けたことがある。


 と思ったが、相手は1人で来る。これは相当な手練れなのか?

 手柄は俺のものだ!か?


 しかし、これは実戦という名の型だった。


「うりゃー!」


 大仰に高く構えて撃ってきた。

 ここで先生から学んだ心を披露しよう。


「貴殿、高く構え・・・おっと、ごめん」

「グハ!」


 半身になり躱しながら喉をついてしまった。

 やり過ぎだな。


 次はやせて眼鏡をかけているやつだ。


「フン、奴はカウンター狙い。故にこうして待っていれば打つ手・・ギャア」

「貴殿、心と体が・・・ってまた言い終わる前に倒れやがった」

 まただ、全く修行を行かせていない。


「貴殿、捕らわれるな。戦いは変化す・・・・って、また、終わりかよ!」


 奴らはこうあるべきだで執着している。つばぜり合い禁止。

 たしかにそうであろう。初学者への方便としては良い。


 しかし、剣で打ち合うと、ピタッと止る現象がある。そこからタックルや体術などを使えるのに・・・・剣の歯と歯がかみ合い絡まるのだ。バインドと命名した。



 ・・・ダビンの目標は戦いながら話す事だった。それが心だと受け止めている。

 アデル道場主の言う心が大事は道徳である。同じ心でも全く別物である。

 アデルは気がつく・・・


「もしかして、ダビンさんは話ながら戦う事が目的かしら・・・」

「アデルさん。・・・俺には分からない八百屋だのも・・・」



 そうだ。俺は小説や演劇の剣士に憧れたのだ。

 話ながら戦う。思考しながら戦う。かっこよいじゃないか?


 弟子は半数に減った。


 そのうち、ガイルの弟子の1人が気つく。


「館長!あいつはダビン、千人斬りだぁ!」

「な、何だって、辺境の狂剣士か?・・・」


「失礼な!999人くらい殺した!千人じゃねえよ!さあ、次は皆でかかってこい!」


「「「ヒィ」」」


 奴らは去りやがった。


「ダビンさん。貴方は私より遙かに強いのに・・・どうして」

「だって、剣術は心ですもの」

「・・・・その心について話し合いましょう。絶対に間違っていますわ」



 その後、アデルさんに提案した。ハンスさんを師範代にするのだ。


「えっ、俺が師範代、やだよ」

「ハンスさんが先輩だろ?試してみろよ」



 すると、道場主がお嬢様、師範代がそこらにいる男だ。


「俺も免状もらえるかな」

「ここは優しそうだ」

「アデルさん美人だしな」


 大勢集まった。道場は剣術とは別物、経営の才も必要だ。

 やんちゃが来たら俺が戦うがこの道場のセオリーになった。


 しかし、アデルさん可愛いな。


「ハンスさん。アデルさん好きなの?大変な時に支えたのだからお似合いだと思うぜ」


「俺、結婚しているし!ダビンさんが婿に入るのが流れじゃない?」


「ダビンさん!心について話し合いますわ!」

「はい・・・では、竹剣による斬撃訓練始め!」


「「「「はい!」」」

「これ、楽しいよな」

「だな。負けないぞ!」



 戦いは変化する。なら、これも平和な時代の剣術だ。

 アデルさんの説教を聞きながら癒やされている毎日だ。



最後までお読み頂き有難うございました。

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