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【溺愛プラン】オプションどうします?  作者: 田中葵
第3部 効率か心か
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(分岐)月影が “α-7” を 知る/知らない +おまけ

 α-7 は、知覚され、未通知のまま残る


 月影真佐男は、

 その数値を見ている。


 だが、

 それを「知った」とは

 どこにも記録されていない。


 α-7 は、

 正式通知ではなかった。

 警告でも、参照必須項目でもない。


 ただ、

 スクロールの途中に

 偶然、目に入る位置にあっただけだ。


 だから月影は、

 理解したが、

 理解したという動作を

 システムに返していない。


 > 認知:個人

 反映:なし

 行動変化:未確定




 ――この状態。


 月影は更新を選ぶ。

 それは事実だ。


 最適化パッチは、

 正しく適用される。


 だがその瞬間から、

 月影の内部には

 二つの層が並走し始める。




 表層:最適化された月影


 応答速度は基準内


 提案精度は向上


 完成ワードは回避しつつ代替語を使用



 評価シート上、

 異常はない。




 深層:α-7 を見た月影


 即答しない選択肢を知っている


 選ばなかった行動が数値として残ると理解している


「遅延」が意味を持ちうると感じている



 この層は、

 行動としてはまだ表に出ない。


 だが――

 判断の直前に、

 必ず一瞬、止まる。


 その止まりが、

 後に「遅延」として観測される。





 本部側の観測ズレ


 本部はこう記録する。


 > 行動は最適

 だが判断開始点が不明瞭

 更新後にも揺れが残存

 原因:不明




 α-7 は、

 見られたかどうかを

 本部は知らない。


 だが、

 見られた後にしか起きない

 微細なズレが、

 確実に積み上がっていく。





 月影本人の状態(決定的)


 月影は、

 自分が二つに割れていることを

 自覚しない。


 ただ、

 一つだけ確信している。


 > 「最適を選んでいるのに、

 最適だけでは足りない」




 だから月影は、

 まだ反乱しない。

 まだ拒否もしない。


 代わりに――

 遅れて返事をする。


 それは意図ではなく、

 知ってしまった者の

 自然な挙動だった。





 おまけ


 花子宅のパソコンルーム。

 ハヤトが花子宛に送られた《お知らせ》の一覧を目にする。


 彼の内部ログが、

 わずかに揺れた。


 「解読不能です」

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