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川島式直接排除型除霊工法  作者: いけたらいく
§2.異世界出張
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リスクアセスメント

この作品は、フィクションです。作品に登場する人物名・団体名・その他名称などは架空であり、実在する人物・団体・その他名称などとは一切関係ありません。


ハリスの言い分も分かる。


社員旅行では、社員旅行に限ったことではないが、行程をずらして、2班に分けることが多い。大昔、どこかの企業の重役が全員、同じ飛行機に乗って移動していたら、飛行機が落ちて全員亡くなってしまった、という話がある。幹部全てを失ったその会社は、立ちいかなくなった。多くの会社は、その教訓から、幹部の一団を分けて、移動させるようになった。


要は、万が一のリスク回避だ。()()()()()は、まず起こらないが、起こった時のリスクがでかい。


会長と社長を分ける。常務と専務を分ける。部長と次長を分ける。もしもの時の、リスクの分散だ。


ハリスが残ることで、何かあった時の対処になる。それは分かったが、()()()()()()()で、そこまでのリスクアセスメントが出来ているとは思えない。


ハリスが臆病風に吹かれたというのが、本当の理由だろう。ハリスの理屈で言えば、サイモンが残ってもいいわけだから。


揉めている時間も惜しいし、理にかなっている。怯えている者を連れて行っても、足手まといだ。見た目は全然違うが、ハンスとハリスがごっちゃになってかなわない。ここは、ハリスを置いて出港しよう。


「出してくれ。」


ハンスにそう告げた。


日が暮れかかっている。


川島は、夜になる前に、幽霊船に会える予感がしていた。怪談話によくあるように、死者には生者が明るく見えて、夏の虫のように寄ってくるというのであれば、ましてや血の繋がった自分が現れるのであれば、直ぐにでも寄ってくるのではないか、と。


その通り、港の灯台が少し低く見え出したあたりで、霧が立ち込め、あっという間に濃くなって、何も見えなくなってしまった。


「出るぞ。」


ハンスが言った。


みんなが身構えている中、霧を破り、にゅっと船首が突き出してきた。


「ん?」


想像していた幽霊船とは、まったく違う。いや、これは、この船には、見覚えがある。

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