第1話 崩れた現実
1話目です
よろしくお願いします;;
『ジャッジャアアアアアアアアアア!!』
最悪だ……。学校に遅刻して校門で生活指導の鬼教師に説教をくらったあげく
教室に入ろうとドアを開けた瞬間に腹をくだし今にいたる。
そう今現在私は、男子トイレの中の大きい方をする所
ちょっと豪華っぽい洋式風のイスの上でお腹の中にいる悪魔と戦っている
現在は1時間目の途中、早く授業に戻らな――――
『キーン、コーン、カーン、コーン♪』
――――くても良いみたいだww
俺は「長谷川翼」とある都内のとある学校の中学3年生。
成績、運動神経、ルックスも並みすぎる程の並。
まさに平々凡々そのもの。
遅刻だって滅多にするもんじゃない
あの……あのにっくき母さえ何もしなければ、多分この腹の痛みもあの人が……
『ガララ……』
んっ?誰か来た?
「お~い、翼ぁ~?」
ゲッ……この声は成績優秀、ルックスだって雑誌に載ってもいいくらいカッコ良い;
名前は「山吹司」うん、死ねばいいと思うw
「ダッダレモイマセンヨ~」
よし、完璧だ。これなら俺がいるとはわかるまい
ふふふw我ながら完璧な作戦だwww
「……で翼、腹の痛みは治ったのか?w」
「バッ馬鹿な!?俺の完璧な作戦が……」
「いや、声で分かるって、しかも授業中トイレに入ってたのはお前以外誰もいないぜ?」
それもそうか、さすが天才。
頭の回転数が違うねw
「ほら、もう腹痛は治ったんだろ?さっさと教室いこ~ぜ」
「あっちょっとまって今行くからw」
「それにお前に相談したいこともあるしな……」
「おまたせ……ってなんか言った?」
「いや……なんでもない、後でなw」
司と一緒に教室に戻り自分のイスに座ると司はその前の席に座る
「自分の席に座れよ司……」
「いや俺、お前の前の席なんだけど;;」
…………………………;;
「さて、寝るか……」
「おい……無視か?それとも自分の頭の悪さを認めず現実逃避しようとしてるのか?」
「…………」
『バシィッ!!!!!』
「いってぇええええええ!?!?!?!?」
いきなり背中を平手で叩かれた!?
ん?でも司は前に座っているわけだからこの場合叩ける状態じゃないわけで、
んじゃあ誰だ?
女子がこんな強い張り手を食らわせることは不可能かと思うんだけど、うん多分あいつだ;
背中の痛みをこらえながら後ろを確認するとそこには予想通りの人が立っていた。
「いやぁ~ゴメンゴメンww」
「やっぱりお前か……瑞希」
このお転婆な女の名前は『雛形瑞希』
成績は俺よりも悪くバカだが、容姿端麗でとてもモテる
俺とは小さしころからの付き合いで、まぁ可愛い幼馴染ってことだ。
男子は瑞希に、女子は司をといったこの学校で1番モテる2人組
そんな2人の間に挟まれている俺って;
「ってかなんで遅刻なんてしたの?今度から私が迎えに行ってあげようか?w」
「いいよ(否定)ってか来るな、俺ん家来るぐらいなら司を迎えにいけば?」
「バッ!?馬鹿言うな!?俺の家からは普通に遠いだろ!?出身小学校違うし!!」
この男は何をそんなに焦っているんだ?
めちゃくちゃ顔が赤くなってるし、こんなの軽いジョークに決まっているじゃないか
「あははwwつばはそんなことすら分かんない、おバカさんだね♪」
「ジョークだっつ~の、しかも悪いがお前よか頭はいいわ!」
と3人で話していると休み時間が終わる。
瑞希は自分の席に座り顔を赤くしていた司も前を向きいつも通りの授業風景が並べられる
あぁ~暇だ……外を見ながらぼーっとしているといつの間にか机の上には1枚のメモ用紙が置いてあった。
ん?なんだこれ?先生に勘付かれないようにしてメモ用紙を見る
『俺、今日告白しようと思うんだけど……』
告白?司の奴好きな人なんていたんだなw全く知らなかったよww
えっと、『お前誰に告白すんの?ってか好きな人いたんだなw』まぁこんなもんでいいか
司の背中をシャーペンでツンツンとつつくと司がそっと手を伸ばしてくる
俺はその手にメモ用紙をのせて司の返事を待っていた。
それにしても男子同士で手紙なんてまた気持ち悪いことをするもんだ
また司から手紙が回ってくる
『俺だって好きな人くらいいるわ!誰とは言いたくないけど、んで何処で告白したらいいと思う?』
う~ん何処で……かぁやっぱ屋上とか?または放課後の誰もいない教室とかもいいかもなw
とりあえず思い当たる場所をたくさん書いてまた司に渡す
『サンキュー、まっ当たって砕けろの勢いで頑張ってみるわ』
えっ?これじゃ誰に告白すんのか聞いてないし;
『えっちょっと待てよ人に聞いといて自分はこたえ』
その刹那殺気を感じ、手紙をノートの下に隠す。
そして現在の先生の位置を確認しようと周りを見渡すが――――――
あれ?先生がいない?
「何をキョロキョロしている長谷川」
こっこの声は……生活指導であり教務主任、校長も教頭もこの人にはあまり逆らえない
つまり学校で一番えらい先生と言っても過言ではないのだ
しかし今は社会のはず、何でこいつがいるんだ?
「あっ……あれ?堀谷先生?どうしてここに?今は社会の授業のはず、寺嶋先生はどうされたんですか?」
「さっき学校に電話があってな寺嶋先生の奥さんに陣痛があったそうだ、だから変わりに私が自習の担当になった」
「へっへぇ~それは大変デスネ~ではボクモ自習の続きをシヨ~っと」
目をそらしながらノートに顔を戻そうとすると顔をつかまれる
「それよりも長谷川、さっき何を一生懸命に書いていたんだ?」
「痛いです先生……人の首は180度回転しないのですよ?」
くっ首が千切れる!?!?早く手を放せクソ野郎!?
必死に首を戻そうとするが中々首が動かない
「くっそ!!離せクソ教師!マジ死ね!」
「貴様はまず言葉遣いから直す必要があるようだな」
しまった、つい本音が―――――――ってか、体が浮いてるっ!?!?
俺の体はイスから離れ空中にあった。
「えっ?なっなんで中学生の体重を片手で持てるだ!?この人!!」
「今からこいつに指導してくるから他の者は静かに自習してるように」
教室中のみんなが俺を哀れな目で見つめてくる。
やめて、そんな雨の中捨てられていた子犬のように哀れまないで;;
まだ目をそらされた方がマシだぁあああ!!!
~昼休み~
疲れた……非常に疲れた
あの後堀谷の説教を散々聞かされ、2時間目どころか3,4時間目までぶっとうしとは
体がもたない……
とぼとぼと教室に帰るとみんなは個人個人昼食を取っていた。
あれ?司がいないなぁ……そういや瑞希もいない……
先生か誰かに呼び出しでもくらったのかな?
フッ……そうだとしたらざまぁみろだw
時々は怒られやがれ
ふぅあいつらもいないし今日は俺1人で食べるかな
どうせならあそこに行ってたべるかぁ~
自分の弁当と筆記用具、ノートを持って屋上に向かう
なぜわざわざ屋上に行くのかって?
無論昼飯を食べるためにと言う理由もあるが一番の目的は違う。
「ふっふっふ。今日も新たな一ページが生み出される。今日は何描こうか……」
俺には夢がある。
他の人から見ればおかしいかもしれないが俺は本当に願っているんだ。
『ファンタジーの世界へ行く』
小さいときから夢見てた。
小学校の夢についての作文
『ぼくが大きくなったらしゃべる動物と友達になりたいです』
中学2年生での立志式という自分の夢を語る式
『俺は将来魔法を覚えます!』
周りの生徒や親は確かに笑った。こいつは何を言っているんだと
しかし俺は夢を一度も忘れたことは無かった。
そして毎日この場所に来て絵を描いてる。
「ほんと、異世界に行ってみたいなぁ~喋る動物とか空飛ぶ車とか」
おっと危ない、もう少しで夢の世界へ入るところだった;;
垂らしたよだれを拭いていると、なにやら誰かの声が聞こえてくる。
「わざわざきてもらってごめんな」
「ううん? 大丈夫だよ?」
「ありがとう。ここにお前を呼んだのは訳があって――」
(……おっ? 誰かがコクる気だな? 誰だ誰だ?)
「訳って?」
「あのさ……」
まて……この声どこかで……まさか!?
ひょっこり顔を出すと翼の目に映ったのは文武両道の『山吹 司』
とバカ元気少女『雛形 瑞希』のモテモテコンビだった
あっそういや司誰かに告るって言ってたな
ハッ!!まさか瑞希だったのか!?
「だから……その……おっ俺は!」
と司が言いかけた瞬間。
『ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ』
「きゃっ地震!?」
瑞希が驚きその場に倒れこむ。
「大丈夫俺がいるって!」
その瑞希を安心させようと言葉をかける司
「俺も逃げなきゃ」
と立ち上がったその時さらに揺れが強くなり俺は足を滑らし司達の所へ落下した
「いって!?」
「つっ翼!? どうしてここに!?」
「いや、上で飯食べてたら急にってうわぁああ!?!?!?!?」
俺達の足場が崩れた。
「きゃあああああああああ」
「「うわぁああああああああ」」
「うっここは……?」
目を覚ますと俺は瓦礫と瓦礫の間にいて奇跡的に命は助かっていた。
「はっ!?司は!?瑞希は!?」
辺りを見回すと瑞希の上に司が覆いかかるように倒れていた。
好きだった瑞希を必死になって守ろうとしたのだろう背中は血だらけで頬には涙の後があった。
「司!?瑞希!?」
立ち上がろうとしたががれきに足がひかって身動きがとれなかった。
「くそっ、なんでこんなんで死ななきゃならないんだよ?」
それに司は告白する寸前だったじゃないか!?
神は俺達にこんな無惨な最期を遂げろというのか?
―――足の感覚が無くなってきた……
頭もボーっとしてきた……
俺も死ぬのかなぁ……
「――ばさ?――早く起き――つばさ――つばさ」
どこからか微かに声が聞こえてきた。ここは天国かなぁ?
「だれ?」
今出せる力を振り絞っての返事だった
「ここよ」
小さな声が耳に届いた瞬間翼は真っ白な空間に立っていた。
そして目の前にはあの声の人物らしき美しい女性がいた。
長文ありがとうございました;;
できれば感想とかもいただけると幸いです
これからもよろしくお願いいたします
眠いので……ではさようならノシ