山賊退治
ボロ小屋の周りには人が配置されて居らず いとも簡単にボロ小屋を脱出する事が出来た
「よし 見張りは居ないな」
「とりあえずは高いとこから様子見るか」
軽い身のこなしでボロ小屋の屋根に登り 辺りを観察する
「思ってたより広くは無いんだな この砦」
「するとあの一番デカイ家が怪しいな 聚光が居るとしたらあそこだろう」
「周りに見張りは・・・入口に二人か 」
「しかし正面から突撃したんじゃ人数が集まって来たらヤラれる 何か良い方法は・・・ん?」
「隣りの小屋から人が・・・手に持ってるのは武器か」
「もしかしたらあの小屋は武器庫かもしれない 行ってみる価値はあるな!」
星河は静かにボロ小屋から飛び降りてバレないようにゆっくり隣りの小屋まで移動した
小屋の壁に耳を当ててみる
「・・・中から音はしない 人が居る気配もない おそらく誰も居ないな」
小屋の扉を慎重に開け様子を窺うがどうやら無人らしい
「武器が大量だ やはり武器庫だったか」
「こんなとこにまで蝋燭を立ててくれてるなんてご苦労なこった おかげで探し易い」
小屋の中は蝋燭の明かりで薄暗いが見渡すことは出来る
「弓でもあれば何とかなるが・・・剣やら斧ばっかりだな」
「無ければ正面突破するしか無いしどうしようか・・・おや これは?」
丁寧に置かれた箱を見つけた
何か大事な物でも入れてありそうだ
「随分重たい箱だな とりあえず開けてみるか」
箱は簡単に開いた 鍵はかかって無いようだ
「こ これは・・・爆弾なのか!?」
導火線の付いた筒状の道具 まさに爆弾である
爆弾はかなり高額で 小さな爆弾一つだけでも五十万霊石はかかる
「まさかこんなヤバい物を隠してたなんて おまけに三つもある」
「これを爆発させれば間違いなく人が集まってくるし反撃しようにも悠長に火をつけてる間に袋叩きにされてしまう」
「どうしたもんか・・・まてよ」
作戦を思いついた星河は爆弾とその他数点を空間指輪にしまい込み武器庫を後にした
そして現在 聚光が居ると思われる家の屋根に居る
武器庫から持ってきた爆弾と蝋燭を手にする
「ふふふ・・・アイツら大騒ぎするだろうな」
星河の作戦はこうである
屋根の上から思いっきり爆弾を遠投し 別の建物を爆破する
するとその爆発音を聞きつけてそちらの建物に人が集まる
人が居なくなったその隙に目当ての建物に侵入するというものだ
「これで聚光も出てきてくれれば中の宝だけ奪って逃げるんだがそこまで上手くいくかは・・・やってみないとわからん!」
蝋燭の火を導火線に近ずける
火花を散らし 導火線が燃えてゆく
そして星河はそれを近くの建物目掛けて思いっきり投げた すると
ドゴーン!
星河の想像を超える大きな音と光
盛大に爆発した爆弾により建物は大炎上
建物の周りにはすぐひ人がワラワラと集まって来た
「凄まじい威力だな これが爆弾か 人がくらったらひとたまりも無いな」
目当ての屋敷からも人が次々出てくるが肝心の聚光の姿は無い
「チッ 部下に任せて中から出てこないとは大した肝っ玉だ」
「仕方ない 今の内に侵入しよう」
足元に居た見張りも爆発した建物の方に向かって行き居なくなったので星河は見つかる事無く侵入する事が出来た
「よし 計画通り! 後は本丸だな」
他より大きいだけの普通の平屋なので居るとしたらこの奥の部屋だけだろう
星河は鉄剣を手に歩を進め扉を開ける
その奥には長椅子に座った聚光の姿があった
「あぁん?何でテメーがここに居るんだクソガキ」
「はっ そうか さっきの爆発音もテメーの仕業か どうやったかは知らねーがわざわざ殺されに来てくれるとはな」
突然現れた星河を前にしてなお状況を飲み込んだ聚光は冷静に言葉を並べる
「思ったよりビックリはしてくれないんだな」
「それと訂正しておくと」
「俺は殺されに来たんじゃ無く お前を殺しに来たんだ」
星河も腹は決まっている
当然戦う覚悟も
「どうやら武者の力って奴を見なきゃ気が済まないらしいな てめぇはこの一等兵器 虎狼剣ですぐにあの世に送ってやるよ」
立ち上がった聚光は空間指輪から取り出した兵器を手に構える
「勝負なんてどうなるかやってみないと分からないだろ?強い方が勝つ それだけだ」
空間指輪から取り出した鉄剣を片手にに星河も構える
それと同時に左手に握っていたものを聚光の顔目掛けて投げつける
「くっ なんだ!?くぉ!?」
大量に投げつけた丸薬の内の一つが聚光の口の中に入り思わず飲み込んでしまう
「ははははっ こんな上手く行くとはな!今日はツイてるようだ」
「それはオマエらの武器庫にあった毒の丸薬さ 飲んじゃったみたいだけど どうなるんだろうな?」
星河は武器庫から爆弾以外の物も回収していた
その一つがこの丸薬だ
「毒の丸薬だと!?倉庫にあったのは暗殺用の・・・吐かなければ死んでしまう!」
聚光は兵器を捨て 慌てて口の中に指を突っ込む
「どんな毒かはわからんけど兵器を捨ててくれてありがとう そしてさよならだ!」
大きく振りかぶった鉄剣で無防備な聚光の首を一撃で両断する
残された体は力無く膝から崩れ落ちた
「ふぅー やってやったな・・・」
「しかし危なかった・・・アレが毒の丸薬だってハッタリがまさかこんな刺さるとは(焦)」
実は持ってきた丸薬は本当に毒の丸薬であったが星河はそうとは知らずにハッタリをかます為に持ってきていた 無知ゆえに
「まぁ上手く行ったし奪うもん奪ってさっさとずらかろう」
「部屋の中にはめぼしい物は無いな・・・空間指輪の中か もし聚光が家から出てきてたら何も取れなかったって事か 危ない危ない」
星河は聚光の空間指輪と床に落ちていた虎狼剣を拾って窓から逃げた
どうやら外は山の中らしくただひたすらに山の斜面を木々をかぎ分けながら下って行った
そしてしばらく走り続けると広い道にたどり着いた
「おぉ ここは清心城に繋がる道じゃないか 戻ってこれたな」
「散々な目に遭ったけど得るものもあったしなんやかんや無事で良かったな 次からはもっと気をつけなきゃ・・・と そうだ 指輪の中身」
星河は奪った指輪の中身をまだ見ていない
「さぁーって何があるかな・・・まずはこれ」
「一等兵器の虎狼剣って言ってたな これはありがたい まさか兵器が手に入るなんて」
「後は・・・おぉ!霊石が大量だ!ざっと見ても百万霊石はくだらないだろ!こんな量 初めて見たな」
その日暮らしをしてきた星河が今までに手にした霊石は五百霊石にも満たない
まさに異次元の収穫である
「日持ちする食料もあるな 他は特に入用では無さそうだから清心城に着いたら売ってしまおう」
「山賊をやっつけたご褒美にしちゃ大満足の結果だ これからも悪い奴らは懲らしめて行こう」(調子に乗りながら服を着替える)
日も傾き始めてきたところで清心城方面に向かう馬車が近づいて来た
「おぉ いい所に馬車が 今はたんまりお金があるから城まで乗せて行って貰おう」
偶然山賊に捕まってしまった星河であったが運良く切り抜け兵器と大量の霊石を手に入れた
武の道はまだ始まったばかりだが 最初の目的地である清心城への足取りは軽い
しかし大事な事を忘れてはならない 今回 彼は武者らしい事は何もしていないのである(爆弾と丸薬に頼っただけ)
星河の明日はどっちだ




