表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
闇に飲み込まれた謎のメトロノーム  作者: 八戸三春
第一章
79/85

79話 大規模捜査

監視体制が万全な状態でムラトは、周囲の人だかりを持ち前の観察力で検証し続けた。彼女は人々の小さな動きや表情に注意を払いながら、不審な行動をしている者がいないかを警戒した。一方、空は技術的な側面からアプローチを続け、監視カメラの映像を精査し、犯人の動きを詳細に追いかけた。


彼らの努力が実を結び、ついにある重要な映像が見つかった。映像には、バスターミナルの近くで、不審な人物が行動している様子が捉えられていた。その人物は何度も周囲を見回しながら、急ぎ足で駅に入る様子が映っていた。


「こちら神薙空。現在犯人は海草道線へ走り続けてる。黒スーツで髪は黒のツィンテールの容姿、以上」


空は、この人物がアリスを襲った犯人である可能性が高いと考え、ムラトにその映像をすぐに報告した。その特徴を記憶し、犯人の特徴を詳しく分析することに集中した。服装や持ち物、歩き方から、その人物の身体的特徴を詳細に記録した。ムラトはその情報を元に、犯人の逃走を阻止するために人を避けながら猛ダッシュで犯人を追跡し始めた。彼女は急いで犯人が最後に見えた方向へ向かい、息を切らしながらも周囲の状況に細心の注意を払い続けた。


ムラトは改札口での混雑を利用し、目立たないように犯人の後を追い続けた。彼女は人々の間を縫うようにして犯人に近づき、同時に通信機で空に状況を伝えた。


「今、犯人を目視している。改札を抜けてすぐの場所だ。手を抜かずに追いかけてる」


空は、ムラトの情報を受けて追加の支援を要請し、駅の他の出口も監視するよう警察に連絡を入れた。一方、ムラトは犯人になるべく近づき、彼女の動きを正確に読み取りながら、機会を伺った。


犯人は人混みを巧みに利用して逃走を図り、階段を駆け下りると急行線のホームに向かった。ムラトは息を切らしながらも、冷静さを保ちつつ追跡を続けた。彼女は犯人が急行電車に向かおうとしているのを見て、すぐにホームへと降りた。


電車のドアが閉まる直前、ムラトは犯人を捕まえることに成功し、彼女を地面に押し倒した。犯人は抵抗を試みたが、戦闘経験あるムラトには抵抗することは無駄であった。ムラトは犯人を確保し、地面に押さえつけたまま空の到着を待った。


「やぁ、アリスを襲った容疑者。捕まって残念だったね、あと少しで逃げ切れたのに残念残念」


ムラトは冷静に犯人に話しかけたが、彼女の表情は厳しいままだった。犯人は少し焦った様子を見せながらも、何も答えなかった。その時、空が駆けつけ、彼もまた息を切らしていた。


「大丈夫か、ムラト?」


「問題ない、ただし、この子を早く警察に引き渡さないと。」


空とムラトは、犯人を警察に引き渡し、その後の捜査でさらに多くの情報を得ることを期待していた。その瞬間、犯人は拳銃をムラトの脳天に向けて発砲し、その場にいた人々は悲鳴を上げた。しかし、アビリティーインデックス2位の相手に敵うはずもなく、腰にぶら下げてる剣を取り出し反射的に振り払った。剣の一閃が光り、犯人の拳銃を弾いた。その焦りで犯人は6発の弾丸をムラトに向けたが、ムラトは驚異的な速さで動き、その全てを弾いた。彼女の動きは練達された戦闘スキルの表れであり、犯人にとっては想定外の出来事だった。


ムラトは瞬時に距離を詰め、犯人の手首を掴み、拳銃を地面に叩きつけた。その迅速な行動で、状況は一瞬にして静まり返った。周囲の人々は安堵のため息をつき、同時にムラトの技術に驚嘆した。


「もう終わりだ。雑魚が」冷たく言い放ちながら、犯人を地面に押さえつけ続けた。警察が到着するまでの間、彼女は犯人から目を離さず、周囲に警戒の視線を送り続けた。この一連の出来事は、彼女がこれまで培ってきたスキルと経験の集大成であり、その場にいた誰もがムラトの戦闘能力と冷静さに圧倒された。


手錠をかけ、壁にもたれさせられた犯人をムラトと空は一息つくことができた。その間、犯人は絶え間なくムラトと空の注意を引きつけ、彼らの質問に答えることを拒否し続けた。しかしながら、犯人の目には確かな恐怖が宿っており、彼が何かを隠していることが明らかだった。


「おい容疑者。何か話したらどうだ?」


ムラトが低く、冷たく犯人に問いかけると、犯人はしばらく沈黙した後、ゆっくりと口を開いた。


「...話しても無駄だ。君たちには理解できないだろう」


「理解できない?何を隠しているのか、教えてもらわないと僕もムラトも困るけど」


空が追加でプレッシャーをかける中、ムラトは彼の表情から何かを読み取ろうと集中した。犯人の目は恐怖に満ちていたが、どこか決意のようなものも見え隠れしていた。この瞬間、ムラトは犯人がただの小物ではなく、何か大きな背景に繋がっていることを確信した。


「話したくないのは分かった。でも、君が話さなくても、私たちはすでに多くを手に入れている。USBの情報、国際的な武器取引、そして君の組織の動き。これ以上隠し事をしても、時間の無駄だ」


犯人はムラトの言葉に少し動揺した表情を見せたが、すぐにまた沈黙を貫いた。更にムラトは追い打ちをかけるように仲間のことについても話し始めた。「君の仲間はとてもやる気あって関心するな。でも君の組織に入ってしまうなんて残念だ。知りたくないなら、君の仲間たちを捕まえる。これから君がどうするか、それ次第で君の未来も変わるかもしれないよ」


ムラトの言葉には冷静さと確信が込められており、犯人はそれを聞いて明らかに動揺した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ