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闇に飲み込まれた謎のメトロノーム  作者: 八戸三春
第一章
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61話 謎の支配人

だがそんな状況で二人を止める救世主が現れたのだ。「失礼、我はヴェルトロスの支配人の者です」どこからともなく謎の少女が現れたかと思うと、たちの方に歩みを進めてきたのだった。見覚えがあったのは、尊裏緊急会議に堂々と腕を組ながら傍若無人な態度で出席していたヴェルトロスの支配人だったからだ。まさかこの場へ直接やってくるとは思わなかったので驚きを隠せない中、ふと目が合うとまるで射止めるような視線を向けられた気がしたが気のせいかと思い気にはしなかった。「二人は日本人ですか?我はインドから遥々移住しましたが、日本人全員礼儀を弁えていますか?」支配人は腕を組み、大きな胸を張って尊大な態度でこちらを見つめていたのである。何が言いたいのかまるで理解出来なかったが恐らく日本人に対しての不満を語ろうとされているのだろうと思うと気が滅入ってくるなと思っていると突然、レナが拳銃を取り出したのだ。銃口はではなく支配人に向けられており、今にも引鉄を引きそうな状況となっているため慌てて止めようと声を上げようとした直後、「忘れました?何しにアビリティーインデックス2位を呼んだのか?」いつの間にか現れた支配者はレナの拳銃を手で握り止めつつ、睨みつけていた。するとレナは一瞬驚いたような表情を見せた。「そ、そういえば神薙くんから提案されてた。思い出したよ」少し引き攣った表情を浮かべながら答えたレナに支配人は満面の笑みを見せて頷いて見せていた。正直何が起こっているのかがには理解し難かったのだが、支配人が仲裁に入ってくれたのだろうとは思っていた。だがどうやらそうでは無かったらしい。その直後、支配人は何か思い出したかのように喋り始めたのだ。

「そういえば自己紹介がまだでしたね、我はムラトと申します。皆からは支配人と呼ばれております」そこまで言うと支配人は姿勢を正し深々と頭を下げたのだが、その姿をみたアリスは小さく舌打ちして歯痒そうな表情を浮かべており、レオナは面倒くさそうに頭を掻きながら横目で見つめていただけだった。そんな中、自分だけは何も言わず成り行きを見守っていただけで誰も口を開こうとしなかったため話が全く進まない状況を支配人が察したのか少し笑みを浮かべていた。「依頼の人物は誰ですか?もういらっしゃるのでしょ」支配人は微笑みを浮かべながら首を傾げると、は弱々しく手を上げた。すると支配人は一瞬だけ目を見開いたかと思えばの胸元に向かって腕を伸ばしてきた。その瞬間、はもう駄目だと思った。殺される覚悟までしたくらいだから、は素直に死を受け入れることにした。その時、指を指しながら顔を傾けた。「依頼は?命令してくれないと解りかねませんな?」すると支配人は再び首を傾げてみせたがは首を横に振ることしか出来なかった。何故ならまだ何も考えていなかったからだ。「そうですか、態々日本に戻って来た意味がない。完全な無駄足でしたな」そう言うと支配人はがっかりした様子を見せていたが、は何故か違和感を覚えた。すると支配人は再び笑みを浮かべ口を開いたのだ。

「そなたが命令するまで我が代わりとして指令を出しましょう。先ず手始めにこの二人に一礼させましょうかね」支配人はそう言いながらアリスとレオナを指さした。すると二人は顔を見合わて息を合わせてから頭を深々く下げた。「えっ!?」

「何が!?」

二人同時に顔を上げると困惑している様子だったのでも驚いてしまった。すると支配人は不敵な笑みを浮かべながら続けたのだ。「頭を下げろと命じたはずですが?」支配人の言葉を聞くと二人は素直に再び頭を下げると少し顔色が悪いように見えたのは気のせいだろうか。支配人は再び笑みを浮かべると満足そうに頷いていた。

「それではご主人、命令するまでご同行します」そう言い放つと支配人はの隣に立って歩こうとしてきたがは困惑しつつも立ち上がり店の入り口に向かって歩き出した。の後を支配人、ムラトたちが着いていく形となったので移動手段は徒歩しかなく非常に苦労したものだ。暫く東京都南区輝山という高級住宅が並び建ち並ぶ道を歩き続けた。日本の道路とは思えない広さだった。この辺り一帯はセレブリティたちが住まう大金持ちの家が並ぶ一画らしく、一般庶民は近づくことすら許されないらしい噂。ムラトたち三人組はこういった土地に慣れているようで、躊躇なく足を踏み入れていく姿は流石だと思ったものだ。その先に歩けば大和動物園があったり、大和国際空港が見えたりし始め、さらに進んでいけば歪な高層ビル立ち並ぶ都市が見えるようになる大和ならではだろうか。達のいる所は渋谷や原宿といった場所より更に奥深くにあり、大豪邸が建ち並ぶところだから少し遠回りして住宅街を通り抜けて大通りを進むことにしたのだ。歩道橋を渡る時は人通りが多く危なかったこともあり、最近は武闘派集団ヘゲモニーという名古屋に拠点を置く核派がノヴァシティと東京都に潜入している噂があると元警視庁対策課の人が教えてくれた。武闘派というのは武器を密造し、所持している集団のことで世界の各地で目撃されているとのことだ。何故そのような連中がノヴァシティにいるのか不思議に思ったものだ。だが、その理由は簡単で、まず東京都の都心部には武闘派が幅を利かせているらしい。理由としては武闘派の活動拠点が主に東京都にあるためだそうだ。何故拠点を構えるのに都合がいいかというと、世界中の各都市に支部があるかららしい。その支部と武器等のブツを密輸取引し、その大金で武器の部品を買って武装準備をするのだという。武闘派が大金で荒稼ぎするのは東京が一番で、他の大都市には支部という形だけの本部が置かれているらしい。これは名古屋も例外ではないらしく、名古屋の拠点も密かに作られているらしいが殆ど情報が出回らないとのことだ。その一例に武闘派は補給完了すると武装準備を整い、名古屋市東を占領、名古屋へと進行するための準備として複数の支部を武力で制圧しているとのことだ。もちろん死者数35人、負傷者280人超という大損害を被ったらしいが、都市側は死者0名、負傷者20人程度だったという。その差は歴然だった。やはり武闘派はテロ組織かそれ以上の戦力を保有していると考えるべきだろうと元警視庁の人の証言だった。現在ノヴァシティと東京都に警視庁4200名とSWATが150名が投入されているらしく、何とか押し留められている現状だとのことだった。既に各区では多数の死者が出ているらしいが、海外でもテロや紛争等で死傷する一般人は多くいるためあまり問題視されていないという。しかし、此処日本国での死傷者は異例で、何が起きてる状態というと市民が団結して押し留めているという状態らしい。そのせいか、武器を持たずに自衛している一般市民が多く見受けられ、結果名古屋では死者数と負傷者という大損害を出してしまったようだ。また、名古屋本部は武闘派の情報統制による攻撃により多くの損害を受けたという。これを知った警視庁、愛知県警等は準備のため武闘派集団のリーダーと思わしき人物を調査中だというが、未だに特定出来ていないという。その為に武闘派は勢力を拡大している最中で、いずれ東京まで進行するのではと考えているようだ。なお、東京では一部の武闘派を逮捕、無力化に成功したらしく、これで愛知県への派遣も強化されたという。だが、今まで以上に厳しい戦いになることは間違い無いようだ。それに名古屋市の北と中心部で人口密度に差があり、そこに武闘派が拠点を構える可能性が高いのではとのことだった。等環境省から設立された部隊は異生物を主に駆逐するが、その戦闘スキルの高さによって警視庁から犯罪対策部隊として一つの任務を与えられた。それは犯罪対策だ。前者と後者を受け持ち、前者は異生物の駆逐、後者は主に暴力団やマフィア等の犯罪組織に対処するらしい。異生物の駆除は民間人への被害を極力抑えるように、そして暴力団等に対しては警察庁管轄となった場合のみ武力行使が認められたという。また、異生物の駆除に関しては日本とアメリカ、カナダなどの各部隊で対応しているが、日本国内は東京が最も深刻化しており、他の地域は他国での対応に迫られているという。そのため日本国内の異生物対処には防衛省が責任を持って対処することになったようだ。もちろん数と戦闘力では異生物側が圧倒的に上で、特に昆虫型、蜘蛛型、蛇型の戦闘能力は人間を軽く凌駕しているという。なので等もそれ相応に武装する必要がある。そして、等の使用武器は拳銃の類いらしい。つまり警察等が使用するモノだ。なので自衛隊や国防軍、州軍等からの武器提供は一切無いようだ。これは犯罪対策のための組織だかららしいが、異生物の駆除は警察、自衛隊、そして特殊部隊が担当することになっており、それらが使用する武器に関しては非開示となるらしい。一応各銃器を何処の国の軍隊で何年から何年前に使用されていたものなのかだけは教えてくれるようだが、それ以外のスペック等は明かされないという。まぁ、当然といえば当然だな。拳銃は簡単に製造できるが、小銃や機関銃等は製造が難しいからな。自衛隊などはノウハウが無いわけだから仕方ないだろう。さて、東郷機関の隊長として異生物の駆除任務を遂行しつつ、武闘派集団のリーダーを捜査しないといかん。

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