53話 二人の決闘
「なっ!?消えた!?」
次の瞬間、後ろから気を感じたレオナは振り返ると銃口を向けながら待機してた。
「éviter.(避けなさい)」
エリザベスが発した言葉によって、レオナの体が自然と横に躱るように動いた。その瞬間、何かが施設の壁に激しくぶつかり、砕け散る音が響いた。
「素晴らしいねぇ。でもこれで終わりじゃないよ、レオナ」
エリザベスは微笑みながら、再びリボルバーを操りながらレオナに襲いかかってきた。レオナは敏捷な動きで攻撃をかわし、同時にエリザベスの動きに気をつけた。
「これがアビリティインデックス1位の実力……隙が見えない」
レオナはエリザベスとの戦いにおいて、その強力なアウレリアに立ち向かう決意を胸に秘めていた。レオナは巧妙に織り交ぜられたエリザベスの攻撃を見切り、自身の力を解放して反撃に転じた。
「そこ!!」
サブマシンガンを構えたエリザベスに向けて放った。弾丸が空を裂き、エリザベスは巧妙な回避でその攻撃を躱す。しかし、レオナはその隙を突いて、手榴弾のレバーを抜いた2秒後に投げると手榴弾が爆発し、屋上に煙と炎が舞い上がった。
「流石に死んだでしょ……」
エリザベスの前で爆発した煙が晴れると、驚くべきことが待っていた。エリザベスは傷一つついていないように見え、微笑みを浮かべていた。
「やれやれ、あと数メートル近かったら君の攻撃が届いたかもしれないね。でも、忘れてるけど私は早撃ちの達人だからね。こんな些細なことで私が倒れるわけがないわ」
「嘘でしょ……」
レオナは驚きと焦りを交えた表情でエリザベスを見つめたエリザベスの微笑みが深まり、彼女は優雅にレオナに近づいてきた。
「残念ね、レオナ。でもこれで面白くなるわ。君の力、私の力、どちらが優れているか、試してみましょう」
言葉が終わると、エリザベスの手元には不気味なエネルギーが集まり、その瞳に翼のシンボルが浮かび上がった。
「どうせ私の攻撃は通用しないでしょうが、私の正義は貫きます。君の計画を阻むために、戦います」
レオナはエリザベスに向けて構えると、瞳にはエリザベスとは逆の左の翼を解放した。
「左右非対称の同じ翼、私に似せたのかなぁ? レオナ・ローレンス」
エリザベスは奇妙な興奮を秘めながら、エネルギーが彼女を包み込む様子を見せた。その瞬間、異次元の風が屋上を吹き抜け、周囲の空気が急激に変わった。
「面白いわ、レオナ。さあ、私たちの真の力をぶつけ合いましょう」
エリザベスが手にしたリボルバーから放たれるエネルギー弾は、空を駆けめぐりながらレオナに迫った。彼女は機敏な動きでそれを避け、サブマシンガンの連射で反撃に転じた。
「それでも私の正義は揺るがない!」
レオナの言葉とともに放たれる弾丸がエリザベスに迫り、彼女は優雅に回避した。
「とっととその正義思想捨てて、私のもとについてくれば、この世界はもっと楽になるのにね」
エリザベスの冷酷な言葉に、レオナは強く反発した。
「絶対にありえない! 君の手にかかるなんて絶対に許さない!」
炎のような意志を込めたレオナの言葉にもかかわらず、エリザベスは余裕の微笑みを浮かべて応じた。
「へぇー、じゃあ。力を100%させてみるかー。もちろん死ぬかもね」
レオナはエリザベスの言葉に警戒しながらも、自分の最大限の力を解放し始めた。
サブマシンガンと共にエリザベスに向けて放つ瞬間、気付いたら彼女が目の前に立ちはだかっていた。エリザベスの姿が、まるで異次元から現れたように変わっていた。
「grossier(失礼)」
エリザベスの言葉が響くと、レオナの太ももに深手を負ったような傷が現れ、彼女はびっくりして後退した。エリザベスは冷静なまなざしでレオナを見据えた。
「まだ本気を見せないでいいわよ。でも、それだけじゃ私を倒せないわ」
レオナは痛みをこらえつつも、戦意を喪失せずに再びエリザベスに立ち向かった。
「流石軍人さん。この傷でも動けるなんて」
エリザベスは傷ついたレオナに冷ややかな笑みを浮かべた。
「でも、それだけじゃ私を倒せないよ。君の力、もっと見せてくれないかな?」
レオナはエリザベスに挑発の言葉をかけるが、太腿の傷に逆流する血液がレオナの視界が次第にぼやけ、エリザベスの存在が不安定になりながらも執念を込めてエリザベスに向き直り、息を乱しながらも激しく力を取り戻そうとする。




