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闇に飲み込まれた謎のメトロノーム  作者: 八戸三春
第一章
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33話 不法侵入

一般人男性を殺害した事件に犯人も不明、動機も不明という未解決事件になった。

レストランの窓側付近でスマホをいじるレオナは手元を見たら頭を抱えた。

「間違えた……やってしまった……何で同じ顔なんだよ」

どう処理するか考えもなく遺体を放棄してしまったことにより警視庁や様々な政府機関に追われる羽目になる。

自分のしてしまった行為について後悔しながら、必死に対策を考える。既に神薙空の情報など入手済みでその暗殺の方法も考えている。レオナは立ち上がり、トイレの個室でいつものワンピース姿から黒い制服姿に着替えて店外へと出ていく。リュックの中は組み立て式ライフルと米軍採用のピストルに予備弾倉が8箱。それを軽々と持ちながら対象者の拠点へと向かう。まだ2月であり寒さも残っているが、季節の影響を受けることがあまりない体質をしており、体を動かすことが好きだったので動きやすさを考慮して黒一色の服を選択した。海での作戦は得意だが対テロ特殊作戦でも対応可能。

対象者の拠点につき建物の周りを見渡す。外には見張りが一人立っている人に彼が留守か聞いてみた。

『あぁ、あの人なら今寮で生活してるから、しばらくは戻って来ないよ』

外とこの施設には居ないそうだ。見張の人に場所と動機を聞いて急いでアパートの建物の中に入って行った。

「203号室か」203号室の前につき、ドアフォンを鳴らしているが反応がないようなのでドアノブを下げたが鍵がかかっており開かなかった。覗き穴で確認するが居ない。ここで確かなのだけど、部屋を調べないと気が済まない。

アパートの外をぐるっと回ってみると窓から侵入することは可能だった。ロープでよじ登れると思い、ロープに繋がれた鉤爪を窓の端に掛けてからよじ登った。ロープの強度が分からないので、もし切れた場合に備えて予備で同じ物を2本用意しておいた。部屋内に侵入してリビングを調べるが特に目新しきものはない。

洋室を調べると本棚には音楽の参考書がたくさん並んでおり、音楽が好きなことが伺える。クローゼットの中も調べてみると、洋服が綺麗に整頓され種類別に収納されていた。しかし、特に仕掛けがあったり怪しいものは見つからなかったので、次にもう一つの洋室に向かった。

その部屋は洋服や靴下が散らかっており、生活感のある印象を受ける。

「え……これってあれだよね?」


摘んだものは黒い下着だった。それを顔の近くに持っていき匂いを嗅いでいる。

「化学物質的な匂いはしない。汗とかなのかな。流石にそこまでは調べてなかったね」

とりあえず不快臭や拒絶的な匂いはなかった。

他にも何かないか見渡してみるがこれといって怪しい物は見つからなかった。これ以上調べるのを諦め、残りの物品をチェックしていた。

「なんだろう、この日記は」机の引き出しから見つけた。ぱらぱらとページめくっていると驚愕した。どうやら空の妹は変態だった。架空の男性の妄想をしているのだ。しかもその妄想に兄が登場しているらしい。人間ってここまで変態になれるのだなと思った。ふと時計を見ると夕方だった。さすがにもう夕飯と思いリュックの中に缶詰や保存食を取り出し、蓋を開けたら早速口に運んだ。意外と美味しい。空腹だったのも相まってあっという間に食べ終わってしまった。

窓の外を見ると空が真っ赤に染まっていた。そろそろ帰ろう。そう思って荷物を纏めた。部屋のドアを閉じようとした時、背後に何か気配を感じた。

「っておい、人んちで何やってんだよ」私は素早く振り向くと間違いなく対象者、神薙空がいた。

今なら暗殺可能だが、彼女は人を殺すことが目的ではない。そう思案していた時、空は急に私に話しかけた。

「それでカロリー足りるか?そんなんじゃ筋肉つかねえぞ。なんか作ってやるからそこで待機してろ」

空の言葉に頭が混乱しながらも、言われた通り、リビングの椅子に腰をかけた。やがて数分経ち、料理が出来上がるとテーブルに並べられた。その横にはハンバーグと目玉焼きを乗せた焼きそばが置いてある。「食っていいぞ」初めて見る料理に興味津々で空を見ながら、口に運んだ。とても美味しい。というか感動した。外食三昧だった彼女にとっては初めての体験だった。あっという間に平らげてしまった。その様子を見ていた空が、小さく笑い出していた。「なんだ、腹減ってたのか。それなら言ってくれれば良かったのに」空の言葉に少しムッとするが、確かにお腹が空いていたので素直に感謝した。

風呂を借り、部屋のベッドを貸してくれた。

「本当は俺の寝床だが、床に寝させる訳にはいかないからな」

空の寝室に入り、ベッドに横たわる。久しぶりに深く眠れそうかも。


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