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闇に飲み込まれた謎のメトロノーム  作者: 八戸三春
第一章
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20話 二人の強さ

まるで、何か面白いものでも見つけたかのように、ニヤッと笑いながらこちらを見つめていたのだった。

「エレメントホルダーの敵の組織! お前をぶっ飛ばしてやる!」

空は神城の姿を見つけると、そう叫んだ。その声と迫力は、神城だけでなくアリスや化物たちも驚かせた。しかし、当の神城は、相変わらず不敵な笑みを浮かべながらこう返した。

「へぇ、面白いことを言うじゃないか。でも、君なんかが僕を倒せるとでも思っているのかな?」

そう言うなり、彼は空に向かって手をかざした。すると、神城の手の平からアサルトライフルが出現し、それを空に向けたのだった。

それを見た空は、思わず腰を引いてしまう。そんな彼の様子を見たアリスは、必死になって彼に叫んだ。

「危ない! 空、逃げ……!?」

しかし、そんなアリスの声を遮るように刃の先端を突きつけられてる気がした。後ろからは見えないが、ヒッヒッと笑うあの少女の声、そして頰に伝わる感触がそれを嫌という程思い知らされる。


「すいませ~ん、死にますよぉ~? 脳みそがミンチになっちゃいそうなぐらい、ギュインて」

恐ろしいことをさらりと言ってのける彼女にアリスは寒気を覚えた。だが、そんなことを気にしている場合ではない。

すぐにでも逃げなければ殺されてしまうだろう。しかし、どう足掻いても逃げられないことは分かっていたし、

そもそも逃げられるような相手でもないことはアリスも理解していた。すると蠹毒はエリザベスに小声で呟いて手で合図をした。

「commencer(開始)」

そして、アサルトライフルに、空の脳天をめがけて引き金を引いたのだった。間一髪、彼の顔のすぐ横を通り、地面に着弾した。

走り出し、空の蹴りは、神城のガスマスクをかすめた。すると、彼はふふっと不敵に笑い出す。その笑みに恐怖を感じた空は、地面を蹴ると、距離を取るため後ろに飛び退いた。

そして再び距離を詰めようと飛び出すのだった。

アリスも応戦し、エリザベスに攻撃を仕掛ける。エリザベスはアリスの攻撃をかわし、ナイフを奪い取ろうとするが、アリスもそれに応じずに攻撃を続けてく。


「動くな!」

そう叫ぶと、アリスの手を掴み、そのまま背負い投げの要領で地面に投げつける。

「je vais mourir?(死ぬよ?)」

そう言いながら、エリザベスの銃口がアリスに向け、発砲する。だが、その弾丸は、アリスの蹴りによって軌道を変え、建物に被弾した。

「Ouah! Tu es fou !?(ワオ!びっくりした!?)」

エリザベスは驚き、感心しながら目を見開く。そして、エリザベスはニヤリと笑った。

その直後、エリザベスの体が浮いた。そのまま足を掴んでジャイアントスイングのように回転を始める。エリザベスが宙を舞ったその瞬間に体の向きを変え、地面を蹴ると、飛び上がりながらキックをする。吹き飛ばされたアリスは着地と同時に足を蹴飛ばし、その反動でエリザベスの体が宙を舞いながら2丁の銃口をアリスに向ける。その直後、2つの銃弾が同時に放たれ、アリスに直撃する。

だが、アリスは銃弾を受け止め、それを逆に投げ返してエリザベスの銃を破壊した。しかし、エリザベスも負けじと反撃をする。彼女がナイフを構え、斬りかかろうとした瞬間だった。


アリスの拳銃を空に投げ渡し、拳銃を掴むと、そのまま反射力を利用して、エリザベスの攻撃をする前に空はその拳銃を撃つと、弾丸がエリザベスの肩に直撃するが、察知していたエリザベスは、左手の剣で弾丸を弾き飛ばした。

アリスはすかさず、回し蹴りをくらわせるが、エリザベスはそれを受け止め、逆に蹴り返す。アリスも負けじと、左手で殴り掛かるが、彼女は銃で受け止めたかと思うと、片足でアリスの腹部を蹴り上げ、地面に叩き付けた。

それを振り向いた空が、アリスを守るため、エリザベスに突進するが、蠹毒の3点バーストが一発の銃弾を直撃し、空の背中は大きくえぐれた。

それでも、空は歯を食いしばりながら、再び立ち上がるが、今度は背後からアサルトライフルによる銃撃で空の肩を撃ち抜いた。

肩を貫かれた衝撃に顔を歪める空だったが、次の瞬間には激痛を堪え、拳銃を拾うとエリザベスの額に銃弾を放った。


しかし、すぐ避けられてしまった。あろうことか逆に銃を奪われて空中に投げ飛ばされてしまい、無防備になった空の腹に蹴りを食らわせる。

口から血を吹き出しながらも、空は再び立ち上がるが、今度は頭を掴まれると地面に叩きつけられた。

「父、どのくらい締めればいい?死ぬ一歩手前まで?」

 エリザベスは、父親の方を振り返る。だが、彼は首を横に振った。

「Gardez-le en vie(生かしておけ)」彼の言葉を聞いて、しぶしぶ納得したようで、もう一度空を見たが笑顔に戻って、空に語りかけた。

「残りの非常食として、ここで殺さないであげるね」

それを聞いて、空は苛立ちを覚えた。しかし、空も限界に近かった。

そう言い残して、エリザベスは去っていった。彼女が去った後、空は地面に両手を伸ばしながら倒れ込んだまま動けなくなっていた。


それを見ていたアリスは彼に駆け寄り、心配するがそれを空は手で払いのけようとする。

だが、そんな力ももう残っていないようで、度々に口から血を吐き出し、意識も朦朧としている様子だった。アリスは空の体を持ち上げ、彼を背中に背負うと、再び歩み始めた。

「くそっ!あいつら、ふざけやがって!」

空はそう言って悪態をつくが、その言葉とは裏腹に体はボロボロだった。体中に痣ができており、出血も酷いものになっていた。

二人の攻撃によって、既に満身創痍の状態だったのだ。それでも、まだ生きていた彼は間違いなくタフガイだと言えよう。

彼の生命力と精神力は驚くべきものだ。

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