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闇に飲み込まれた謎のメトロノーム  作者: 八戸三春
第一章
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14話 ソラの特性

身体的な発達が遅い原因は、その行動にあるのではと推測する。

通常は0歳からだと歩ける方法を教えて、歩けるようになるとすぐに走る練習が始まる。

でもまだ骨とその脳が発達していないために、うまく歩けなくて、よくコケるのだ。

動物も同じで、最初の方、歩くとすぐにコケてしまう。最初は、早く歩こうとしてもうまく動けないので、周りを焦らせると不安がってさらにコケるケースもある。

それに成長期に無理に運動させると骨の関節を痛めるのでよくない。

まぁ、そうなった場合はリハビリすれば治ると思うが、成体ではまだ難しいだろう。

そして両親のサポートにより、歩くという基礎を叩き込まれる。

そして脳がそれを夢中にさせるよう設定し、自分の足で地面を蹴り始める。

これが、初めての歩行になるので感覚はシンプルなまま進むと思う。

その段階に入ると次は走るために、体を動かしてバランス感覚を鍛える。そして徐々に走るという動作を覚えていく。


でもこのように早く歩けないのは筋肉や脳に成長の余地がまだあるからであり、焦らずにじっくりと成長を待つことでその構造も大きくなり脳も発達すると考えられるのだ。

走りやすさと怪我しない方法など、両親の理解と愛情が必要であり、これは親の責任でもある。

そして平均1歳半したら走れる程度で、最初は少しずつ地面を蹴って進む。

そこから徐々に走れる距離を延ばしていき、最終的には走りながらジャンプしたりして遊べるようになる。しかし、ソラがよくコケる原因は、成長のスピードが遅いからだ。

走るには筋肉と体力が必要であり、歩けるだけでは意味がない。走るとバランス感覚が鍛えられ、自分の足で地面を蹴ることが上手になるため、足腰も強くなる。また、走ることで脳が発達する。

その過程でこけたりするのはしょうがない。成長段階に入ったのだから当たり前である。それが1歳半と同じようにソラも少しだけ遅いだけだと推測する。


そんな感じで、この世界においてソラは成長が他の少女よりも遅れているのだ。

しかし、この身体の年齢ではまだ今はこれでいいのかもしれない。身体はまだまだ出来上がっていないし、筋肉や骨格などの身体的なバランスはまだ出来上がっていない状態だからだろう。

つまり、もう少しの成長を待たないと本当の実力は発揮できないということである。

ソラも歩けて走れたらあとはコケない努力だけでいいので、今回のようなことがあっても見捨てるべきではない。

逆に彼女は早く成長しなければならないのだ。

1歳半で歩けるようになるのは早くても6歳で、しかも通常の人間の2倍は動けないといけない。

人間の不可能に近い5mをジャンプするとなると12歳まで時間が掛かる。

しかし、ゲノム少女ならこのくらいのことはできるのかもしれない。

格闘や暗殺など、戦闘系の能力を身に付けるのなら2歳とか3歳くらいは最低でもできるかもしれない。

それならばこの成長の速さも納得ができるし、そもそもゲノム少女は人間ではないのでもはや人外の存在として戦うことができるのだ。


つまり、彼女ならばもっと成長するはずである。

身体が20であっても、筋肉や骨の成長の速度は個人差がとても大きく、重量挙げの選手並みに成長したとしてもまだまだ成長の余地があるのかもしれないのだ。次に出てくる敵もその力を発揮し、対峙しなくてはならない。

だが20歳を超えると寿命を有さず長く生き続けるゲノム少女もいるが、その身体によって生きる年数が増えていくなら10歳で1年くらいだと推測すると人間の寿命でいうと100歳を越してしまう。

これは流石に無理があり、成長して身体が大きくなっても20歳程度の見た目でストップしてしまうかもしれない。だがそれでも彼女がまだ強くなる余地が充分にありそうなのは感じられるのである。

実際にソラの脳の成長スピードは年齢相応の成長をしているとは思えない。

もしかしたら、まだ更に強くなるかもしれない。ゲノム少女として生まれてきたソラは今後どのような成長を遂げていくのだろうか? そんなことを考えながらも、肘をついて本をめくっていたソラは、やがて静かに寝息を立て始めた。


そんなソラの穏やかな寝顔を、眺める程自然と口角が上がり、そしてソラの頭をそっと撫でた。

頭を撫でる時間が癒やしだが、ソラが一人で生活をしてると思うと寂しい気持ちが湧き上がってくる。絶対にソラを一人にさせないようにしようと心に誓った。

 そう思いながら、ソラを起こさないように、そっと毛布を掛けてあげたのだった。

次の日は快晴だった。窓から差し込む太陽の光が暖かく、とても心地よかった。だがまだ朝早いので、二人は寝ていたが、ソラが起きると、つられて俺も起きた。それから顔を洗い、歯を磨き朝食を食べた後、出かける準備をした。

玄関から外に出ると、雲一つない青空が広がっていた。心地よい風が肌を撫で、思わず深呼吸したくなるほどだった。そんな清々しい空気を味わいながら、朝の体操を太陽に向かって両手を上げて大きく背伸びをした。ソラも真似して、同じように体を伸ばしていた。

元々訓練生のときは体の柔軟性も重要視されていたので、意外と体は柔らかいほうかもしれない。

最近は体が訛ってきて思うように

今日もソラと一緒に、街を歩くことにした。しかし昨日と違って、今日はなんだかソラの元気がないように見える。

どうしたのかと尋ねると、どうやら少し寝不足らしい。昨日の夜は本を読みながら寝落ちしてしまったようで、気づいたら朝になっていたようだ。


ソラが読んでいる本のジャンルが気になったので聞いて見ると、歴史や文化に関する本ばかり読んでいたそうだ。

しかも最近、夜遅くまで勉強しているのも知っていたので、疲れているのかもしれない。

今日の仕事の予定を変更して、とりあえず、ソラが興味を持ちそうなところを探して、街を歩くことにした。

給料日前なので、あまりお金に余裕はないが、それでもソラに何かプレゼントをしてあげたかった。

ただ、焼きそば抜き生活だけは避けたいので、なるべく安いものを購入してほしいかな。

月収はせいぜい三万円、焼きそばと経費で2万円、残りは小遣い制なので、あまり贅沢はできない。

とはいえ、ソラに安いプレゼントを買えば、なんとかお小遣いで賄えるかもしれない。それに、ソラは自分に対して遠慮しているところがあるので、プレゼントをすれば喜んでくれるだろう。とりあえずソラの様子を見ながら、どこか良さそうな店を探すことにした。

しばらくして、ソラが興味を持ちそうな本屋を見つけた。そこでは様々なジャンルの本を取り扱っており、絵本や小説から漫画まで幅広く揃っていた。

図書館よりかは狭いが、それでも十分な品揃えであり、芥川賞や直木賞などの文学賞を受賞した作品も置いてあるようだ。


隣には人気作家のコーナーもあり、最近流行っているアニメやラノベ本も置いてあった。空はアニメの本を手に取り、表紙の表と裏を眺めても、関心ないようだ。

「転生系か……程どが独占状態。まさしく唯我独尊だな」

空は転生系を一通り読み終わると、本棚に戻して次の本を手に取った。

しかし、それも途中で飽きてしまったのか、本を戻した。どうやらこの本屋にはソラの興味を引くような本はなさそうだ。最近の流行りのアニメと転生系が置いてあるだけだった。ソラはアニメやラノベなどのオタク文化には興味がなく、本屋を物色する気はないようだ。仕方なく、別の店を探すことにした。

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