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第13話:ゴブリンとの対峙

「うわぁっ!?」



 ゴブリンはクライブの頭へと飛来すると、鋭い爪で頭を掻きむしる。クライブの頭から血飛沫が飛び散り、なんとか引き剥がそうと家の壁紙へと何度もぶつかる。



「クライブっ!?」



「来るなっ、ソフィー!」



 クライブはソフィーを静止しながら、なんとか頭に纏わりついたゴブリンを引き剥がそうとする。壁にぶつかり、ゴブリンを殴りつけ、そして地面へと転がる。



「ぷはっ!」



 なんとかゴブリンを引き剥がし、呼吸を整える。

そしてなんとか距離を取ると目に滴る血を袖で拭いながら、そこらに落ちている石を手に持つ。



「うぉおおおっー!!」





 そのまま思い切り目の前のゴブリンへと突っ込んでいく。『早くここから離れなきゃ』『ほかにゴブリンが居たら?』『ソフィーは足を怪我して走れない』。そういった考えがクライブの頭を僅かな時間で巡った

結果、手に持った石で突撃するという結論に至った。




「おおおおっ!!」



 凶暴な怪物相手に無謀な突撃、だが逃げる事は出来ない以上、やるしかない。右手に握った拳大の石を振り回し、威勢良く雄叫びを上げながらゴブリンを仕留めるべく渾身の一撃を振るう。だが。



「ギッギッ!」



「うおっ!?」




 クライブは木の葉のように宙を舞うと、頭から地面へと落下する。子供ほどの背丈しかないゴブリンであったが、そのゴブリンによって宙に投げ飛ばされていた。痛みを感じる暇もない。地面に投げ出されたクライブの胸をゴブリンは踏み(にじ)る。



「がっ!?」



 そしてゴブリンがクライブの喉元へその鋭い爪を向けたとき、突如としてゴブリンは空を見上げる。そして名残惜しそうな表情を浮かべると、ゴブリンはクライブの顔を踏みつけて、その場を後にする。



「クライブ、クライブ! ねぇ、起きてよ!」

 


 ソフィーはクライブを抱き抱えながら、悲痛な声をあげる。クライブはソフィーの声に反応せず、完全に意識を失っていた。そして少しした後、血に塗れた大ナタを持ってビンベが2人の前に姿を表すのだった。


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