カイモノ税
この作品はフィクションです。
実際の人物や団体などには一切関係ありません。
これはある地球に似た星でのお話。
「カイモノ税は一律10%に引き上げるべきだ!」
『いや、食料などの日用品と新聞は8%のままに、
その他の商品は10%にすべきだ!』
この星の議会ではカイモノ税の増税について話しています。
カイモノ税とは、お店で商品を買った際に追加で支払う税金のことです。数十年前、この星の財政が厳しくなり、苦肉の策で導入された間接税である。
また、ここ最近財政が厳しくなりつつあるため、このカイモノ税を増税するか否か星のおえらいさん方が討論しています。
『全ての商品が増税してしまったら、収入の少ない世帯の
負担が上がっていまう。これは由々しき事態だ。』
「確かに増税によって負担の大きい家庭が出てくる。
しかし、そこは政府が保証すればよかろう。」
両者は財政の立て直しと国民の負担軽減についての方針は同じです。
「てか、新聞も減税ってどうゆうことよ。」
『いや、増税したらマスゴミに叩かれるでしょ!』
マスゴミとはこの星の報道機関のことです。
「しかも税率を分けた場合、税金の徴収が
難しくなるでしょうが!」
『なんとかなる!!』
「おいおい、ナダル=スミスの課税の4原則を忘れたか。」
ナダル=スミスとは紅茶が美味しく、早くから産業が
発展した地域の経済学者で、課税の4原則とは
①公平性の原則 ②明確性の原則 ③便宜性の原則
④徴税費最小の原則 である。
③は納税方法などが納税者にとって便利であること。
④は税を徴収するためにかかる費用が最小であること。
日用品とその他の商品に税率を変えてしまうと上記の③④を
満たさなくなってしまう。
この星の議員は優秀なので勿論これを知っている。
この鶴の一声によりこの星の税率は一律10%に決まった。
また、収入の少ない世帯は政府から毎月給付金が出るようになった。
この物語を読んでいるあなた方はどちらを選択しますか?