5話.出口探し
湖の水を持って、再出発した俺たち。
「で…結局、どうするんだ?」
「うーん…何も手がかりもなかったら、どこに行ったらいいかも分かんないっ。」
「私の、ペンダントも反応しないと意味がないしね…。」
もしかして…俺ら…行く先がないっ?!
つまり…エアリスのお母さんを見つけることは不可能に近い…!!
まぁ、諦めるのはまだ早いよなぁ…。
「お兄ちゃん…もう、諦めようとしてるでしょっ!」
「…んなことねーよっ!」
図星…しかも妹に。
「あははっ。そういえば…この村の出口ってどこにあるの?」
「どこだったっけっ?お兄ちゃん知ってる??」
「俺も知らねーな…出たことなかったし…。」
「そっか…じゃさ、まず…この村を出ようよっ!」
「そうだねっ!」
「だな。えっと…北は家ばっかで行けないから無しで…南はこれ以上いけないし…。」
「じゃ、西か東なんだねっ!あ、ちょっと待ってね。」
エアリスは、再び湖に戻って何かを取り出してきた。
「それ何なんだ?」
「魔法誓約書だよ♪まぁ、簡単に言うと…魔法の呪文とかが書いてある本だよ。」
「わーっ!すごいねっ!!」
「エアリスはその…魔法とかって使えるのか?」
「うんっ!だから、今からその出口が見つかる魔法を使うんだよっ。」
「んー?どれどれ…?」
その本には、筆記体がずらーっと並んでいて俺にはとうてい読めなかった。
「…お前はこれが読めるのか?」
「これぐらい読めないと、駄目だって、お母さんに言われたからね。」
「早く早くっ!やってみてーっ!」
「うん…!」
エアリスは、その魔法書を開いて、言葉を探し始めた。
すると、勢いよくめくっていたページの手を止めた。
どうやら、見つけたようだ。
すると、息を吸って口を開けた。
マーメイドフォースエクジット!
あまり、意味は分からなかったが、魔法は上手くいったようだ。
出口がある方が光ったからだ。
「わぁぁっ!!」
「えへへ…。」
「こんな光って大丈夫なのかっ?」
「私たちの他に、見えないはずだから。」
「じゃ、湖を光らせたのもエアリスなのか?」
「うん!そうだよっ!決められた人しか見えなかったはずだから…あまり人、来てなかったでしょ?」
「そうだったのか…っつーことは…、皆兎も見えてたはずだけど…。」
「あ、もしかしてツバサと一緒に湖に来てた子のこと?」
「うん…そうだけど。」
「あの子の記憶は消したから大丈夫っ!帰るときも寝てたでしょ?」
「あー!そうだったのか…!」
「うん。私が決めた人の中に入ってなかったはずなのになぁ…なんでだろ?」
「まぁ、いいじゃんっ!出口の方行こっ♪」
「そうだねっ!」
そして、俺たちは、なんとか出口を見つけることが出来た。
しかし…その、出口の門の前には、門番が立っていた。
次話、ツバサたちは無事出口を抜けることが出来るのか!?