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3話.出発前夜

「お帰りなさーい!」

一番に出てきたのは、雲杏(くらん)だった。

「おかえりなさい。」

続いて母さんが台所から言う。

「ただいま。」

「あれぇ??その、お姉ちゃんは?」

「はじめまして。私は風愛朱(エアリス)だよ。」

「エアリスちゃん!えっと…あたしは雲杏!」

「クランかぁ。よろしくねっ!」

「で…エアリスちゃんはどーしてここにきたのー?」

「ええっと…。」

「雲杏、エアリスはな、さっき湖であったんだ。」

「もしかして…なないぃいっ?!」

俺は、雲杏の口を塞いだ。

「まぁ、俺の部屋へ行こうか。」


俺たちは、2階の部屋に上がった。

「ふぅぅ…母さんに聞かれてなくってよかった。」

「で、エアリスちゃん、本当になないろの人魚…なのっ?」

「うん、そうだよ。あ、でも…ツバサと、クラン以外には言っちゃ駄目だよっ?」

「うん!!でも…どーして、エアリスちゃんは人魚なのに…。」

「人間の姿になってるからだよ。ツバサと誓い合ったんだよ。」

「へぇー!そうなんだ!!」

「で、これからどうするんだ?」

「あ、そのことなんだけど…、私…お母さんに会いたい。」

エアリスは涙しながら言った。

「そうか…。俺も…手伝ってやるよ。」

「雲杏も手伝うよっ!」

「うん…ありがと。」

「でも、場所とかも分かんねえし…。」

「それなら、大丈夫っ!私のペンダントがお母さんに近づいたら反応してくれるから。」

「そうなんだ。んじゃ、大丈夫だな。でも、これ以上、ここには居られないよな。」

「そうだよね…。」

「だから…俺達、旅に出よう!」

「えっ…ツバサも一緒に探してくれるの?」

「もちろんだよ。誓い合ったんだろ、俺ら。」

「そうだね。ありがとう。」

「んじゃ、エアリスちゃん、今日はもうこんな時間だから泊まっていってねっ。」

「うん。ありがと、クラン。」


「じゃ、私はお風呂入ってくるね。」

「あ、私も入るっ!」

「うん、んじゃ…一緒に入ろっ!」

「うん!!」

エアリスは嬉しそうに雲杏に着いて行った。


お風呂にて――…


「あ、エアリスちゃん!脱いだものは洗濯機に入れてねっ。」

「はーい!」

「んじゃ、先に入ってるね。」

「うん!」

エアリスは最後にペンダントを外し、中に入った。


ガチャッ!


「エアリスちゃん、はい、桶。」

「ありがと、クラン!」


ちゃぷん…


「そーいえば、エアリスちゃんてさ、どうして、あの湖にいたの?」

「昔はお母さんと一緒に住んでたからだよっ。それから、ずっと封印されてたの。」

エアリスは寂しそうにいった。

「そっか…お父さんは?」

「…小さいときに見ただけで…全然知らないんだ。」

「お父さんも…その……?」

「ううん。お父さんは人間なんだ。」

「そっかぁ、んじゃ…ハーフ?」

「うん、そうだよっ。」


「じゃ、そろそろあがろっか。」

「そうだね!」

雲杏は先にでて、バスタオルを取り出した。

エアリスが後に続き、バスタオルを受け取った。


ガチャッ…!


「あがったよっ。だから、早く入ってね。」

「おうっ。」

部屋でひとり、ゲームをしていた俺は、スウェットを持って風呂場へと行った。


俺は、明日からのことを考えながら、湯船に浸かっていた。


ガチャ…


俺は、もう寝てるかもしれないと思い、静かにドアを開けた。

すでに部屋は真っ暗で、2人は寝ていた。

「明日から大変だし、早く寝ないとな。」

エアリスの横には布団が敷かれていたので、静かに入った。


「ツバサ…?」

しばらくすると、エアリスの声が聞こえてきた。

「ん…?」

「無理言ってごめんね。」

「いや…全然。」

「明日から頑張ろうね。」

「おうっ。」

そして、俺は寝た。


その日から、俺らは、他には秘密でなないろの人魚…エアリスと過ごすことになった。

ツバサ達は無事、出発できるのか?!

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