ダメ、絶対(3)
ー 僕が学校に行けなくなった一ヶ月後
僕は、図書館に通っていた。落ち着くからだ。
「あっ、そうそう。学校でアンケートが実施されるんだって。定期的なアンケートだと言って。」
「ほんとに?大丈夫かな?」
「何を心配してるの?」
「いじめてきた奴らが僕が相談してるってことを気づかないかってこと。」
「大丈夫よ。それよりクラスの1人ぐらいはたくまくんのこと書いてくれるんじゃない?」
「なら、いいんだけど」
僕はアンケートをとると聞いてから2、3日は不安でしかなかった。乗り込んでくんじゃないか?もう学校には行けないんじゃないか?僕自身は行きたいのに…
『ピロリン、ピロリン、ピロリン』
突然携帯が鳴った。僕はいじめっ子かと思いそろりそろり携帯を見てみた。すると、谷崎先生からだ。
「はい。もしもし?」
「あっ、たくまくん!最近はどう?あのね。お話があるの?今時間いける?」
僕は渡辺さんをみた。図書館だからだ。渡辺さんはすぐにOKした。
「今どこにいるの?」
「B図書館です。」
「私そっちに行ってもいいかな?久しぶりに顔見たいし。」
「先生1人ならいいですよ。」
「ありがとう。今から向かうね」
『ガチャ』
まさか先生が来ると言うとはは思ってなかった。
渡辺さんにこのことを伝える。
「今から担任の先生が来ます。」
「そうなの?私も話してみたかったからちょうどよかった。多目的室借りてくるね。」
「ありがとう」
それから十分ぐらい過ぎた頃谷崎先生が来た。
「たくまくん。久しぶり。」
「お久しぶりです。渡辺さーん。先生きました。」
私はすぐに渡辺さんを呼んだ。
「はじめまして。渡辺と申します。この一ヶ月間たくまくんからお話を聞いていたんです。」
「はじめまして。谷崎です。A高校の教師です。
そうでしたか。ありがとうございます。」
「多目的室開けましたのでそちらでお話ししましょう。」
「ありがとうございます。」
僕達が多目的室についてすぐ先生は話し出した。
「アンケートを実施したって言うのは聞いてる?」
「はい、なんとなくですが。それが?」
「教育委員会に行ったよね?その時田口さんっていう人に対応してもらった?」
「そうですけど、なんでですか?」
「実は、さきこさんのお父様なの。その方。だから、私のところへさきこさんが来てくれてアンケートの実施の提案をしてくれたの。それで今回実施したっていうことなのよ」
「そうだったんだ。知らなかった。」
「あの、アンケートの結果はでたんですか?」渡辺さんは聞いた。
「今集計中で・・すいません。」
「いえいえ、とんでもない。私も気になりますので」
「誰か僕のこととか書いてくれる子なんかいるのだろうか?僕ほとんど学校行ってないけど」
「書いてくれていると思うよ。誰か分かりそうだったらまた連絡するね。」
「お願いします」二人は先生にお願いをした。なぜ、渡辺さんはこんなに僕の事を気にかけて名前まで聞き出そうとしてくれるのだろうか?すこし不安になった。その後も先生と少し話した。
「今日はいろいろ話聞かせてくれてありがとう。少し、あの子について調べてみるね」
「お願いします。」
「えっ、あの子って?」
「彼が証言してくれた子です」
「あ、なるほど。しっかり調べてあげてくださいね」
「もちろんです」
そう、僕はこの学校に来るまで知らなかったいじめてきた子の名前を先生に伝えたのだ。アンケートの結果と照らし合わせ複数人いたら話し合いをするらしい。
「そろそろ家に帰るよ。」
「そうね。学生きそうだもんね。」
「うん。それじゃ失礼します」
「またね。」
そうして僕は家に帰った。アンケートの結果まだ出ないかなぁと思っていた。
ーその頃学校では…
「たくまくんが言ってた子は…この子か!アンケートにはなんで書いてるんだろう?」
『ペラペラぺラ』
「あった!」
【いじめなんて起こってないと思います。僕は平和なクラスだと思います。】
「やっぱりこう書くよね…。どうすれば詳しく知ることができるんだろ?…」
…あの子なら!教えてくれるかも!
たくまのうしろの席のカイトくんなら何か知ってるかも!
「カイトくんちょっといいかなぁ?」
これからもよろしくお願いします