スキル
書き途中です
「ふ、ふははははーー。」
男は大声で笑いだした。「ごめん、ごめん。君が何をしたのか僕には全く見えなかったんだ。」そう言ってまた笑いだした。それで、なぜ笑う。と思ったが、彼が笑い終わるまで待った。
彼の笑いが治まると、「君がなぜ逃げようとしたのかはわからないけど、君がただ者じゃない事だけはわかった。」と言われ俺は、「いや~そんなことないよ。」と誤魔化した。すると彼は、「何か訳有りみたいだね。良かったら事情を聞かせてもらえないか。事情を話してくれれば、君の力になれると思うよ。」確かに、この世界について詳しい話を聞かせてもらえると助かる。と思い、「わかった。よろしく頼む。」彼と話をする事にした。
改めて自己紹介だ。「僕の名はアーサー。よろしく。」そう言って握手を求めてくる。「俺の名はショウメイだ。」そう言って握手に応じる。すると、彼の手が俺の手を持ち上げようとする感覚を覚えた。どうやらまた時間がゆっくりになっているようだ。おそらく彼は俺を投げ飛ばそうとしている。そう判断した俺は投げられないぞとアピールをするように、手に力を込めた。すると時間が元に戻った。そして辺りからその力のぶつかり合いから生まれた衝撃波が吹き出した。アーサーは、「試すような真似をしてごめん。やっぱり君はただ者じゃないね。」とイタズラっ子のような顔で笑みを浮かべた。やれやれと思いながら、勘弁してくれと笑顔で答えた。
詰所に向かう道中アーサーの話を聞いていた。「ここはブルームーンと言う街で、帝国との国境付近に位置する場所なんだ。僕はこの街の兵士達をまとめる副団長をしている。」なるほど道理で強いわけだ。と納得。この世界では英雄王アーサーの名で知られているんだ。「へぇー」と相づちを打つ俺。英雄王って何か派手なあだ名だなと思っていると。
「本当に何も知らないみたいだね。」と言われ、悪いと思い軽く頭を下げる。「英雄王とは僕のスキルの事だよ。」「へぇー、スキル。所でスキルって何。」と質問する。するとアーサーは、スキルを知らない。と言って驚愕していた。「知らないと何かおかしいのか。」と俺が聞くと。「スキルとは、人間1人1人に授かるものだよ。その年になっても知らないなんて、もしかしてショウメイって、異世界から来たのかい?」そう聞かれ俺は、「な、何の事かなー。」と誤魔化す。が通じず、そうか道理で、と納得されてしまった。
「どういう事。」と俺が聞くとアーサーは、「異世界から来た人間は強いスキルを持ってやってくるという話なんだ。だから、ショウメイにも強力なスキルがあって、それで僕にも見えない攻撃をされたわけだ。」とのこと。俺にはスキルがある実感がないので、アーサーに聞いた。「どうやたらスキルがわかるんだ。」アーサーは、「何個か方法があるけど、一番簡単なのが、手のひらを額にくっつけてスキルを見たいと念じる。そして手のひらを見るんだ。」と言われやってみる。
そうしたら手のひらに文字が浮かび上がった。何か色々書いてあるみたいで、よくわからない。アーサーこれってと聞くと、アーサーは、「スキルっていうのは人に簡単に教えてはダメだよ。」と言う。「お前はさっき、僕のスキルは英雄王だって教えてくれたじゃん。」と言うと、「僕のスキル英雄王は覇気や鼓舞といった能力が有り、それは知られていた方が効果を発揮するんだ。だからあえて公表している。」なるほどと思いスキルを知られると対策をうたれたりするから知られない方がいいんだ。と考え直した。
「わかった。ありがとう。」と礼を言う。当たり前の事を教えただけだよ。とクールな感じに話す。そしてさらに続ける。「まあ教えてはダメというのは建前で実際は、下のスキルは上のスキル持ちには簡単に見破られるんだけどね。」と話す。どういう事かと俺が聞くと、「上のスキルにはスキルを見破る能力が備わっていることが多い、例えば、Aランクスキルを持っていれば、B~Eの下のランクのスキルを見ることができたりする。」またわからない単語が出てきた。
ランクって何。俺が聞くと、「スキルには基本A~EのランクがあってAの方が高いスキルでEの方が低いスキルの事なんだ。」「じゃあ英雄王のスキルはA相当って事か。」俺が疑問を口にするとアーサーは、「ランクの基本はA~Eだけど、英雄王は特別なスキルでランクはSランクの扱いなんだ。」
特別なスキル。そうSランクスキルは世界に1人しか持つことのできないスキル。「だから、僕にはAランクのスキルでも相手のスキルを把握できるんだ。ただし、Sランク以上のスキルは見えない。」へぇー。「ちなみにショウメイのスキルも見えない。」と言われ俺は納得した。つまり俺のスキルもSランク、2つSがついてるから、SSランクなのか。と話すと今日1番の驚きをアーサーが見せた。まさかとは思ってたんだけど。SSランクのスキル持ちとは。