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序章

 ファンタジーの世界で就職したら、一体どんな感じなのかと想像して描きました。なので、チートがあるわけでも起承転結があるわけではありません。普通に私達が現実で働く事と、大して変わりない普通の話です。どこの世界でも仕事とはこういうものかもしれません。ですが、それが社会を支えます。ワークライフ・ファンタジーお楽しみ下さい。

 

 俺の暮らす世界にはたくさんの職業がある。大工、農家、漁師、魔導士、冒険者、ハンター……

 これは例え違う世界でも、栄えた文明のある世界では同じ事が言えると思う。俺はこの世界で幾つもの職業に就き、たくさんの事を学び、失っていった。

 しかし今日、再び新たな職業に就く事となった。その職業とは、我が故郷シェオールにあるハンターギルドの従業員”ギルドスタッフ“である。


 春の陽気も一層強まり、長い冬が名残惜しそうに雪を溶かし始め、緑土が顔を出し始めた三月。俺は今日からハンターギルドのスタッフとして初出勤する。

 十五の時、都会に憧れて実家の農家を飛び出し、王都アルカナにやって来た俺。

 ただ都会に憧れて来た俺は、何をして良いのか分からず、とりあえず大工の見習いとなった。だが、想像とは違う現実に嫌気がさし転職。そんな俺は当然のようにその後もどれも長続きせず職を転々とし、何か無いかと夢を探し続けた。

 しかしそう易々と夢など見つからず、最後には都会に来た事さえ後悔した。だがそんな俺は遂にその夢を見つけた。それは、誰しもが憧れる職業”ハンター“になる事だった。

 ハンターと言っても食用の獣を相手にする狩人ハンターの方ではない。体がデカく、化け物と呼ばれる獣を狩る、正真正銘のモンスターハンターだ。

 ハンターになるには特別な資格や能力は要らない。町にあるハンターギルドで簡易の依頼をちょくちょくこなし、ライセンス基準を満たせば登録許可が出る。そこで一万ゴールドを支払い登録すれば、晴れてモンスターハンターと認められる。

 しかしこの一万ゴールドという額が半端ない。アルカナの平均日当が六十ゴールドに加え、家賃が一日十二ゴールドの一般人には、途方も無い額だからだ。だがしかし、俺はギルドの依頼をこなしながらも幾つもの職を渡り歩き、その一万ゴールドを貯め、ハンターとなった。

 ハンターになってしまえば一万ゴールドなどすぐに貯まる。だがその分危険も多い。

 高額報酬の依頼は、大型モンスターの討伐や、危険地帯の物資の調達など、いつ命を落としてもおかしくないものばかりだからだ。

 当然そんなハンターの寿命は短い。俺も例外なく二十代前半にして腰をやられ、遭えなく引退となり、その後は貯金を切り崩しながらアルカナで配達員や店番などを転々とし、生活していた。結局最後には故郷シェオールに舞い戻る事になり、実家の農業を手伝う羽目になってしまった。

 そんな折、地元ハンターギルドの従業員が退職となり、応募を掛けていた事を知った俺は迷わず応募した。

 もともと実家の方は兄がいた為何の反対も無く、元ハンターの俺はすんなりギルドスタッフとなる事が出来た。

 そして本日から、シェオールギルトの従業員、ギルドスタッフとしての新たな生活が始まる。


 

 毎日更新に変えました。


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