姉ちゃんと異世界転移
第1話
お姉ちゃん・・・ここはどこだよ?
とある平原のど真ん中、圧倒的開放感の中で1人絶望感に浸っている者がいた、
神田 翔身長173cmの少し細身だが痩せすぎては居ないよくいる平凡な体型、顔立ちも悪くは無いが平凡な17歳DTの高校生である。
そう、彼は絶望していた、何故なら横にいる姉(神田 澪)の脳天気で危機感の無い考えに先の事を思いやられているからだ。
ある夏の日の夜、その日は近所での祭りが開かれていた、特に近所の祭りとかに浮かれる年齢でも無くなった翔は姉に強引に連れられ仕方無く来ていたのだ。
姉の神田 澪、19歳、身長175cm容姿端麗スタイル抜群で成績優秀、スポーツ万能のチート姉だ、髪の毛は生まれつき茶色く、少し幼いが整ったカッコイイ顔立ちに男女を問わずに人気のある姉、そんな姉に翔はよく比べられていて嫌になっていた。
「姉ちゃん...この歳で姉と2人きりで祭りとか色々厳しいものがあるんだが」
「まぁまぁ~、お姉ちゃんのお願いだから良いじゃない♪」
「...その無茶苦茶な姉理論やめてくれ...」
「良いじゃない♪それに夜道をか弱い女の子一人にさせる気?」
「...(か弱くないだろ)」
そんな話をしながら露天を周り少し離れたところで休憩をしていたところ
「?ねぇ、はやと〜あんな所に祠?なんてあったっけ?」
「あ?どれの事言ってるんだ?」
視線を向けると小さな石で出来た祠というよりはデザインが気になる何かがあった。
「...何だあれ?」
「さ〜?なんだろね~...よし!行ってみよー!」
「ファ!?ちょっおま、まてぃ!」
脳天気な姉を追い掛けて行くとその祠?のような物は薄らと蒼光を出していた。
「ねぇ、はやと、触って♪」
「...何故そうなった」
「だってお姉ちゃんの手が汚れるかもしれないでしょ!」
「知らねぇよ!汚れたところで手を洗えば済む話だろ!」
「昔はあんなに素直でお姉ちゃん大好きって言ってくれたのに、お姉ちゃん悲しいわ、しくしく」
「...(うっぜぇ)」
「よし、なら一緒に触ろう!」
「触る事は決定なんですね、はいはい」
そうして2人で触れた瞬間2人は光に包まれてその場から消えてしまった。
「「...」」
「何処だろここ?」
「...」
気付くと圧倒的開放感の平原で日は高く登り近くに川が流れていた、翔はこの非現実的な出来事に戸惑っていた 。
(は?なんで?どこだよここ!瞬間移動?!それよりさっきまで夜だったよな!?)
「はーやーとー、はやとってばー」
「...なんだよ…」
「アレ見て」
姉の指差す方向を見るとアレが居た、ブヨブヨと半透明で某ゲームでおなじみになっているモンスター、そう、スライムである。
「...」
「アレってスライムかな?もしかしてここファンタジー?」
「...」
「はやとどうしたの?」
「な、なんじゃこりゃあぁ!!!!!!!!!」
昼間の広い平原に響く翔の絶叫は、脳天気な姉と弟の異世界生活の幕開けとなった。