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俺と彼女とタコとホモ。

まさか続くとは思っていませんでしたよね?しかし続くのです。宇宙の神秘とセクサロイドの核真ユニット獲得を目指して、今日もエーテル満ちる宇宙を進みます。

「いやぁ…みちゃだめ…」


おはようございます。俺です。


「出てるとこ…見られたらはずかしいよぅ…」


今日も宇宙で通常営業中。


「…でも、ご主人様になら、見てもらっても…」


コイツも絶賛通常営業中。


「…ん、んん…だめ、もうだぁめぇ~!」


あ、先に言っておきますが、コイツはセクサロイド、ロボコンです。


「あぁ…出てる…あたしの体内潤滑更新液体樹脂が…」


はい、説明します。こいつ、いわゆる御小水出します。


「はぁあぁ…ん、ん、」


てか、有機系ポリファイバー何たらって自己再生する高級表皮ボディで、


「…ご主人様、あたしが、こんなはずかしい格好でぇ…いるのにぃ…」


毛細血管並みの道をずんどこずんどこ液体が流れて、体の潤いと皮膚の循環をしてるとか。


「…なんで、そんなに冷静に、してられるのぉ…」


で、最初はこいつがわざわざ搭載された船外排出気密孔つまりトイレに入った時は、非常に胸がときめいたのだが…、


「そう、きっとそう!わざと冷たくして、その後熱い抱擁からのめくるめく…はぁ…疼いちゃう!!」


毎回こんな調子なんですわ、はい。


「だから…早く、ご主人様、あたしを抱いてください…」


もちろん、カーテン開けたまま。もろにこっちガン見しながら。ちなみにその格好は壁面から突き出た吸引ユニット(鼻を振り上げた象さんの顔にそっくり)に跨がり、両脇の手すりをつかみながら。


「はぅ…もちろん、おパンツは、はいてないよ?準備O.K.だよぉ…♪」


動体センサーが感知して、吸引始めますな、そろそろ。


「あ!いやいやだめぇ~!吸いとられちゃう!わたしのリンゲル液混じりの放出液がぁ~!いやぁ~!」


はい、後は吸引ユニットがサッと表面に「あぁ~何かがあたしの敏感なところを…なでて…うぅん」使い捨てナプキンを当てて拭き取り「はぁ…わざと素早く撫で擦るなんて…だめだょおぅ…」ポイしてお仕舞い。


最初はね、確かに漲りました、うん。でもね、


「ご主人様のいじわるぅ…あたし、放置プレイは苦手なんだよぅ…」


コイツ、日に三回これなんですわ。

きっちり朝昼晩。六時間おき。ただ、補充に必要な液体はむちゃくちゃ安いからいいんだけど。軍需産業経由で放出されてるから品質保障付き。ある意味恐い。何に使われてるんだ?


「あ~スッキリした!ご主人様もスッキリしますか?これから。」


…いや、いいです。飯にします。


※※※※※※※※※※※※※※※



飯の支度は一瞬で終わります。今日の食品はコチラ!


「五秒でチャージ!コンパクトに摂取できる棒型カロリーインゴット・肉野菜炒め味」


…肉野菜炒めって。なんだろ。


食べたことないから判らん。


あ、俺達基本的に食生活はコロニーも船内も変わんないから。


ただ、惑星に滞在できると「コロニー食はクソだ」って思うらしい。


この航宙船は大気圏突入なんて考慮されてないから、惑星に突入しようとして大気との摩擦熱で星屑になるだけだけど、万が一突入して無事に着地しても帰れないし。


もしゃもしゃと食事をしていたら、センサーがいきなり発信音を上げた。


「あ、ご主人様、敏感なセンサーがイイ鳴き声上げてますよ?あたしもお情け…いただけませんか?」


君は鳴かなくていいから静かにしたまえ。


「質量…うぉ、この船の十倍?でけぇじゃん。なんなんだろ。」


解析を始めると、どうやら人工物らしい。平面が意図的過ぎるし。


じきに視界に入る…なんだありゃ。


「ご主人様、漂流船、みたいですね…」


君に言われんでも判るわ。どっからみても小型輸送船クラスの航宙船だな。


「いよっし!シグナル発信!…よし!反応なし!さっそく調べてこい!」


「え~あたしが行くんですかぁ~?危険があったら誰がご主人様の童貞を失わせるんですかぁ~?」


うるさい。俺が船長だ!決定権は俺にある!


「はぁ~い。それじゃいってきま~す。部屋の明かりは消しておいてくださいね…!」


必要のない恥じらいを見せながら、無駄飯食らい一号は船外活動用意に出ていった。


※※※※※※※※※※※※※※※


「え~こちらPXmoon07-21でぇ~す、ってこの名前何とかならないんですかぁ~どうぞぉ~?」


「こちらブンドール号、今はそれどころじゃありません~感度よ~し。」


船外活動用意を終えた自立型ダッチワイフがモニターに映る。


一応対被曝船外服を身に付けた姿はピッチリとした銀の全身タイツ姿なのだが、頭部だけはデブリ対策で強化キャノピーのフルフェイスヘルメットを被っている為に、いつものカワイイあほ顔は見えない。


だが、ピッチリしてるのでボディラインはハッキリと判る。実にそそる…だが、ブラジャーは判るが、あの馬鹿、もしかして…



「おいポケット無しの銀色タヌキ、パンツはどうした?」


「え、ショーツですか?そりゃもちろん即挿入なう♪の為に着けませんでしたが、何か?」


…やはり、やはり、コイツはセクサロイドだ。それもかなり痛い奴だ。


「お前なぁ…、もし万が一に、活動中の不注意ではぐれたら、お前のシリアルナンバーから所有者が判るんだよ!俺の赤裸々な性癖が世間にすべからく暴露されちゃうの!」


「あは!意外と繊細なんですね!今度、手でする時はもう少し優しくいたしましょうかぁ?」


…痛いよ、何かの視線が凄く痛いよ…。宇宙海賊の手コキ映像とかメモリーに記録されてたらどーしよー、もうお婿に行けないわぁ。


「着床いたしました!これでこの船も、妊娠しちゃいましたねご主人様♪」


「しねぇよ。おまけに着床違うから。」


やかましいセクサロイドが外部ハッチを開けて船内に入る。


ヘルメットに付いたカメラから映像が送られてくる。

どうやら乗務員は全員脱出した後らしく、めぼしい荷物は見当たらない。


「あ、船長、このジェル高いんですよ?持って帰りますか?」


メカ娘が大きなケースを開けるとシリンダーに入ったジェルがギッシリと詰まっていた。


「悪くない戦利品だけど、捌けるかなぁ…とりあえず保留だな。マーカー付けて先にいっちょくれ。」


「アイアイサー!ぽこちんぽこちんいくつかな~♪」


死にたくなるような鼻唄を歌いながら、ちんたら進むメカ娘。


「しかし何だその唄は…作詞おまえ作曲おまえか?」


「うんにゃ?電脳メモリーに残ってたんだけど。」


…前の所有者なのか?それとも製造所の誰が歌ってたのか?死にたい歌が流れる中、映像は薄暗い船内を移動していく。


「お?ヒトがいますね。」


「うぇ?そんなまさか!船内環境、人間生存不可能ってセンサー言ってるぞ!!」


確かにそこには、通路の片隅にうずくまる人影が映り込んでいた。


「あの~こちらの方ですか~?あたしはブンドール号乗組員の公認性処理係の~」


「おいこらお前サラッと悪意ある自己紹介すんな。」


ひとまず無遠慮な発言に釘を刺し、動向を見守る。


軽く上下に揺れる視界に酔いそうになりながら、近付く目標に注目する。


…体格いいな。まるで軍用サイボーグ並みの骨格だな。


冷静に分析するそんな時、その人影が不意に立ち上がる!!


そして、意外に機敏な動作でカメラ、つまりうちの紅一点に飛び掛かった!!


「きゃ~そんな乱暴にしなくても、ちゃんとお相手いたしますから離してくださぁい…んふぅ…」


最後に意味深なため息を洩らした桃色ロボット。


「大丈夫か!?早く逃げろ!!」


さすがに心配になり思わず大声で叫ぶが、返答はない。


「おい!平気か!大丈夫なら返事しろ!!」


「…ん…ん…んふぅ…」


はぁ?


あいつ何してんだ?


カメラに映るのは…相手の顔。男の俺が言うのも何だが、なかなかに美形みたいだ。


え、顔?ヘルメットしてねぇじゃん!


「…え?もうやめちゃうの?」


ほんの刹那だけ密着していたのだろう、すぐに解放されるピンクノイド。


「船長~この人急に襲い掛かってくれたのに、もうやめちゃうんだよ~!ヒドイよぅ~生殺しだよぅ~」


いやいや、人じゃないって。


「おい、そいつもしかして、アンドロイドじゃないか?」


「え?そう言えばヘルメットしてないわねぇ。丈夫な方だと思っちゃった~!」


やっぱ馬鹿だった。とりあえずまたうずくまるそいつは問題なさそうだったので探索を続けるように送信し、通信を切った。


※※※※※※※※※※※※※※


「タコタコタコちゃんタコタコちゃ~ん!お前はどこの~タコな~のか~♪」


調子っ外れな歌を歌いながら戦利品を整理する無生理ロボ。


大量のローションに、陸棲型に改良されたペット用のタコ、そしてやたらデカイ図体のアンドロイド。


さすがに輸送船は鹵穫出来なかったので、宙空に放置してきた。


「こうして少しずつ成果を挙げていけば、いつかは大金掴めるかもしれないさ。」


それにしても、さっきは動いたのに、今は微動だにしないな、コイツ。


ちなみにタコは密閉区画に取り残されていた。子猫位のカワイイ大きさだ。何食べるんだろかね?


「ご主人様、なんかさっきからこの人震えてますよ。寒いんでしょうかね?」


ん?そう言えばこのアンドロイド、確かに微震動し始めてるな。発電してんのか?


「…んぐぁ~!!いっぽんまんぞくー!!」

「うわぁ!しゃべったぁ~!!」


デジャヴか?いきなりガバッと起き上がったアンドロイドは、キョロキョロと辺りを見回し始めた。


「あれ?旦那様はどこに?」


旦那様?執事か?


「あ、旦那様と違う旦那様、おはようございます。」


こちらに気付いたアンドロイドは、丁寧に挨拶すると、ペコリと頭を下げた。


ただ、無重力なので支点のない動作は意味を為さず、空中で体をくの字に曲げただけなんだが。


「旦那様が誰だかは知らんが、お前はどこの誰なんだ?まったく判らないんだけど。」


その時、隣でタコを手に載せていたお花畑が沈黙の後、声を上げた。


「ご主人様!この人PXmoonシリーズの男性用モデルですよ!」


「はぃ?なんでお前が判るんだよ!」


いつもなら何一つ満足になし得ないダメロボットなのに、宇宙に出て放射線で被爆して回路に異常きたしたのか?


「え~?あたし達って、共通モデルだとラインナップ説明できるように、視認距離に近付くと脳内メモリーの商品解説プログラムが働くんですもの!エッヘン!」


最後の単語で全てぶち壊しにしたが、まぁまぁグッジョブ。


つまり、複数陳列されているモデルルームとかで、無人でも説明できるようにデモモードが開始するって訳か。


どうやら旦那様とやらは会えないことになったのを理解できたのか、さっきから静かにしている新しい、いやこれまた中古のアンドロイド。


「それにしても、うちの船はどうしてこうもセクサロイドばかりが増えていくんだろうか…、ん?男性用?」


俺は、さっきの脳内メモリーが商品解説以外はエロモードしかないコイツの発言にピンときた。


「…まさか、お、お前の旦那様って…」


「はい!それはそれは力強く毎晩愛してくださいました!こうなったら、あなたが新しい旦那様になっていただけませんか?」


オーマイガッ!!今度はもーほー専用セクサロイドかよ!!かよ!!


「しにたい。ほしくずになりたい…」


落ち込む俺に、怪しく近付くバカとホモ。


こうして宇宙は今日も平和でしたとさ。


※※※※※※※※※※※※


そうそう、あのタコ、よりによって先住民の♀セクサロイドに寄生してた。


なんで、どうして判ったかって?


新しい同僚に取られまいと夜這いを狙ったお馬鹿ロボットに、危うく寝とられそうになった時、自慢のロケットエンピツ君がタコにかじられたから。


「うぎゃ~!!まじで喰われてる喰われてる!!俺のいっぽんまんぞくがトマト味になっちまうぅ~!!」


「キャ~!!ご主人様のロケットペンシルが短くなっちゃうよ~!!これ以上短くなったら掴めなくなるぅ~!!」


「旦那様!そうなったら私のルクソール級を移植いたしますぞ!」


…そこだけサイボーグとか、誰得なんだよ。


※※※※※※※※※※※※※※






まだ仲間達の名前は決まってません。もちろん俺は俺。いちいち自分の名前を名乗り続ける必要があるかっての。

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