出会いは別れの始まり
ユニークが200人超えました。
200人の方には目を通してもらったということですね。
いやぁ、緊張します。
プモウ。
そこには、最初の日に会った、あの大イノシシがいた。
一瞬身構えたが、怒っている感じがしなかったので、気を緩めた。
そうすると、大イノシシがゆっくり寄ってきた。
目の前でいじいじしている。
懐かれた…のかな?
頭を撫でてあげる。
「よしよし」
体が大きいだけで、かわいげはイノシシの子供、ウリ坊みたいだ。
あの一突きが、何かに効いたのかもしれない。
とりあえず、命の危険がなくなっただけでも、正直助かる。
「すまんかったなぁ、いきなり踏みつけられて怒ったんだろ?」
大イノシシが一瞬トオイメをしたが、一声鳴らして頬を擦りつけてきた。
「そういえば、これどうしようか」
蛇の頭を前にして考え込む。
んー、アイテムボックスの使い方がまだわかってないし、このままにして行くしかないかな。
そうこうしていると、石人形が戻ってきた。
また、石鎌が必要になったのかな?
傍に近づいてきて、切り開いた道を指さした。
「もしかして、どこかにつながったのかい?」
石人形がうなづく。
「おお、ありがとう」
手を取って握手した。
石人形は何でもない風にうなづき、切り開いた道を指さす。
早速、その道を進んでいく。
自分、石人形、大イノシシとはた目から見ると、シュールかな?
あ、ツッチーは自分のポケットの中にいましたよ、フンフンと頭を振っている、かわぇぇぇぇぇ。
すこしアップダウンがあったけど、道はまっすぐに進んでいた。
100mほど進んだところから急に下がっていた。
少し見晴らしがあるので、景色を望むことができた。
樹の生い茂ったところから、ほんの少し上を見ることができた。
しかし、見える限り木々しか見えなかった。
石人形が、後ろから先に行けと急かしてくる。
この崖を降りるのか。
と思っていたら、石人形にひょいと担ぎ上げられ、崖となっているところを下り始めた。
意外なほど器用に、担いでいるにもかかわらず崖を降りていく。
20mほど下りると、地面におろされた。
大イノシシというと、飛び降りるように落ちてきて、5mほどの高さで崖をけり地表に無事着地した。
「おおー、ウルトラCだ!」
そういわれると、大イノシシが「どうだ」という感じで胸を張ったように見えた。
またしても、石人形が、後ろから先に行けと急かしてくる。
わかったよ、先に行くよ。
そこから200mほど進んだところで、広い、といっても車1台ほどの幅くらいしかないけど、道に出た。
「おおおおお、石人形君、ありがとう!これで人に会うことができるよ!」
石人形が、胸を張るしぐさをする。
でも、どっちだろうね。
とりあえず、下っていくようにみえる左側に行ってみようか。
意気揚々と歩き始めたわけだけど。
石人形はともかく、大イノシシまでがついてくる。
軽乗用車みたいな大きさの山が、ひょこひょこついてくる。
「なあ、イノシシくん、ついてきても大丈夫なのかい?」
大イノシシが首をかしげる。
「人とかに会っても大丈夫なのかな?」
またも、首をかしげる。
「まあ、人と会ってからだな」
ブモウッ。
一鳴きすると笑ったような感じになった。
ようやく安心してきたせいか、おなかが減ってきた。
ブリーフケースにコシ草が少し残っていた。
口に含みながら食べる。
大イノシシを振り返る。
「君も食べるかい?」
くんくんと臭いを嗅いだら、残念そうに首を振った。
どうやらお気に召さないようだった。
何を食べるのかな?
じっと大イノシシを見る。
VR表示に食べられるものは示されなかった。
ひとつひとつ確認していけばいいか。
いくつかのカーブを過ぎると、両方の道脇に建てられた柱を見つけた。