這い寄る…邪神?
ブックマークいただきました。
ありがとうございます。
ご飯がおいしいです。
『お、お前、セーキよ。いつの間に水を貯めた?もしかして、水魔法か?』
サリバンさんが驚く。
自分も驚く。
「で、できちゃいました」
『お前さん、本当に、ほんっとに、それを村で見せちゃだめだぞ』
「え?」
『ウィンストンに何をされるかわからん』
「あああ」
いちばん危ないのがウィンストンだったんでしたっけね。
『ウィンストンは水魔法があることで、その誇りを保っている。それを、土魔法と水魔法を使えるものが現れたとなれば、絶対に許さないだろう。こんな田舎でも矜持というものは必要なのだよ』
うなづき、肯定する。
『くれっぐれも、頼むな』
肯定する。
『火魔法か風魔法だったなら、まだいいんだがな』
そのあたりは、対抗しても問題ないわけですか。
『ところで、それどうするんだ?』
キール草を取り出して、指さした。
『それはなんだ?』
MPの回復効果があるってこと、知らないのかな?
ちょっと考え込む。
手振りでMPが増えるんだってことを示す。
『ほう、お前さんは物知りだなぁ。そんなこと、大きな町の専門店でないとわからんことだぞ』
いえいえ、VR表示のおかげです。
サリバンさんの力量も丸わかりですよ、ふふふ。
かまどを再現して、サリバンさんに火をつけてもらう。
もしかしたら、火もつけられるのかもしれないが、ここはおとなしく…。
そして、キール草とこの辺りで積んだ食べられる草にトリウ草を刻んで、まとめて煮込んだ。
二人で分けて食べる。まずまずの味加減になるが、根野菜とか肉とかほしいなぁ。
そしてじっと手を見てみた。
竹中清貴/セーキ
HP180(+420)/MP0(+38)
適正 土/火
スキル 異言語理解 土の加護 鑑定(VR表示) アイテムボックス
固有スキル サターンの加護
ありゃりゃ、あんまし回復できてないや。
首をかしげていると、サリバンさんが話しかけてきた。
『あまり回復できなかったか?』
肯定する。
『それじゃあ、仕方ないな。ここで休んでいこう。また使えるようになったら、起こしてくれ』
そういうと、そばの樹に寄りかかって眠り始めた。
サリバンさんにならって自分も横になる。
「シルバ、一応警戒を頼む」
心臓のあたりに右手をあてた。
あれ?左腕を後ろ手にしたな…なんか、収まりがいいらしく、より格好良くなってる。
あらためて、横になると一気に眠ってしまった。
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「どうじゃ、暮らしぶりは?」
あ、こんにちは。
「なにか、困ったことはあるかの?」
なんか、いろいろわからなくて困っています。
「そうか。まあ、それも克服する楽しみというやつじゃ。ふつうに暮らすにはなんも困らんとおもうぞ」
行き着いた村が面倒だそうですよ。
「退屈よりはずっとましじゃ」
そうですかね。
「うんうん、そうじゃ」
ああそうそう、僕が使える魔法って土と水だけですか?
「ん?お主は魔法は使えんようになってる。魔法のようにして使えるのは加護があるからじゃ」
それは、魔法と違うんですか?
「ふむ。そうかそうか。お主の元の世界だと魔法とかいう概念は一般的ではなかったな。加護の起動と魔法の起動とはちょっと違うのう」
ん…わかりません。
「どれどれ…。ふむ、加護を使うときにはいわゆる詠唱ではなく、分類を選択していくのじゃ」
分類…っと。土の加護、初級、土壁ってやつですよね?
「そうじゃ。魔法はの、土壁を起動させるためのキーワードの組み合わせがあってだな、それを繰り返し使うと最後には頭で念じただけで起動させることができるようになる」
普段の会話で起動しちゃいませんか?
「念の入れ方が違うのだな。それに対して、念を入れなくとも起動できるのが加護というわけじゃ」
ふむ…その分類選択をショートカットできませんか?けっこう長いんですよね。石槍とか、すぐに出てくれないと身を守れません。
「ん?ショートカットというか…VR表示で固定できんかね?」
え?
「使えるコマンドの一覧が出たら一つを選んで、視界に固定させれば行けるはずじゃぞ。しかも折り畳みができる親切設計だ」
え、ええええええ?!?!?!
「お、そろそろ時間じゃな。手が空いたら、また様子を見に来るでな。くれぐれも無理をするんじゃないぞ」
ちょ、ちょっと待ったぁぁぁ!
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目を覚ます。
なんか視界に張り付くものがある。
目をこするが取れない。
よくよく見ると、ステータスバーみたいのが出ていた。
あんまし登場させるつもりがなかったサターンですが、勢い余っての登場でした。
気安く出てこない設定で行きたいんですけどね…。