僕と2体と1匹と
気が付いたらユニーク300人超えました。
ご覧くださり、ありがとうございます。
ひととおり腹ごしらえすると、落ち着いたせいか、大事なことを思い出した。
そういえば、大イノシシはどうしていただろうか。
門の外へと急いだ。
「おおい、まだいるかぁ!」
そういや、名前なぞつけてなかったな。
藪がごそごそ動き始めたかと思うと、のっそり顔を出してきた。
「おお、いたか」
頭をなでてあげた。
そういえば、触りながらだと結界越えられるかな?
「ちょっと一緒にきてもらえるかな」
頭をなでながら、結界の中に誘導する。
コツン
やっぱり無理のようだった。
「中に入れないならしょうがない、この藪の奥にいるかい?」
ちょっと不満そうな顔をしたが、うなづくと藪の中へ入ろうとする。
「ちょっとまって。おなか減ってないのか?」
ぶもう!
大丈夫だ!と言っているような雰囲気だ。
そうだ、寝床ぐらいは作ってあげよう。
一緒に藪の中へと入りこむ。
大イノシシを追っていくと、立ち止まる。
「ここいらが寝床かな?」
大きな木、二本に挟まれてちょっとした三角テントのようになっていた。
そこから土の加護を使って小さな洞のように細工した。
ちょっと見、気づかれないようにした。
やっぱり、大イノシシ一匹だけで見つかると大ごとだからね。
「それじゃ、あした顔を見にくるからな」
ぶもうっ
頭をなでてあげる。
「そうだ、名前を決めないとな。………ビッグ…どうかな?」
ちょっと首を傾げられた。
「むう、ストロン?」
まだ傾げている。
「ロッポ?」
うなづいた。
「じゃあ、ロッポ、これからよろしくね」
ぶぅも
ロッポに手を振りながら、見張り小屋へと戻る。
道に出るまでの間でも、食べられそうな草や果実を探す。
「おや?」
キール草
HP18/MP20
適正 水/火
やけにMPが高い。
さらにじっとみると、
食用。薬用。MPが回復する。
お?これは薬草ってやつか?煮詰めたらポーションとかになるやつかな?
辺りに群生していたので少し集める。
ちょっと試しに作ってみようか。
ほかにもいくつか食べられそうなものを探した。
エンロ草
HP12/MP3
適正 水/火
食用。甘味が強いため砂糖代わりに使える。
トリウ草
HP10/MP2
適正 水/火
食用。塩味が強いため、塩代わりに使える。
砂糖と塩を見つけた。
見張り小屋に帰ると、石人形がまたも体育座りして待っていた。
「ただいま」
声を掛けると小屋の中からツッチーもモキュモキュしながら出てきた、かわぇぇぇぇぇ。
「そうだ、石人形君も名前、付けないとね」
なんかうれしそうな感じが伝わってくる。
「ゴロー?」
なんか引かれたような。
「ストーンからの、スターン」
ちょっとやる気になったようだ。
「シルバ?」
指で差された。
「シルバでいいのかな?」
どうやら、満足してもらえたようだ。
そういえば、シルバの上書きが中途半端だったんだ。
箱から人の腕が飛び出している感じで終わっている。
じっと手を見つめる。
竹中清貴/セーキ
HP180(+420)/MP0(+370)
適正 土/火
スキル 異言語理解 土の加護 鑑定(VR表示) アイテムボックス
固有スキル サターンの加護
あ、変化がある。
名前が追加されたね。
さっき、こっちでの名前を名乗ったからかな?
そして、石人形なら1回くらいならできるかな。
「シルバ、手を出してくれるかな」
両手を出してきたので、掴む。
完成形をしっかりと頭にイメージする。
「土の加護、中級、石人形」
余分な石がパラパラと落ちて、ちゃんとした人型になる。
「おお、シルバ!成功したよ!」
顔つきもしっかりイメージできたので、表情を作ることができるはずだ。
ベトナム戦争の帰還兵とか、落ちぶれたボクサーとかの主演をはった俳優に近い。
もちろん、ムキムキだ。
でも、シルバは表情を変えずに右手を心臓の上に重ねてトントンと叩いた。
かっけー!
そうだ、シルバのステータスってどのくらいなんだろう。
じっとシルバを見る
シルバ【隷属竹中清貴/セーキ】
HP1200/MP1200
適正 物理/風
スキル 異言語理解 土の加護 状態異常無効 格闘 輝度無効
固有スキル サターンの加護
STR 400
DEX 600
INT 600
LUK 100
ATK 800/800
DEF 800/800
MPR 800/800
おおお、なんか自分のステータスの倍もある。
基本的な構成は自分と一緒で、土人形の固有能力と混じった感じかな?
それにわからないスキルもちらほら。
状態異常無効は麻痺とか毒とかを受け付けないことなのはわかる。
輝度無効ってなんだろ?
輝度無効 どのような明るさでも知覚できる能力
へええ、だから暗闇でも蛇の頭が見えたんだね。
ちなみに、ツッチーを見ようとしたら、なんか嫌がったのであきらめる。
そろそろ暗くなってきたので、寝床に入ろうか。
たぶん、日の出前には来るんだろう。
「ああ、シルバ。明日、ウィドの実がなっているところを教えなきゃいけないんだ。付き合ってね」
シルバは、また表情を変えずに右手を心臓の上に重ねてトントンと叩いた。
カッケー。
そうして、ベッド風の寝床に倒れこむ。
「ツッチー、一緒に寝ようか」
モキュモキュかけてくる、かわぇぇぇぇぇ。
そういえば、寝る前にいろいろなことを確認しなきゃな。
ところで簡単なキャラ紹介とか必要ですか?