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ハーレムは目指さない!~異世界探訪記  作者: ウルカムイ
第六章 万物流転の常ならぬ世
112/116

短剣と護衛と

翌朝、まだ陽が差し込まないうちから、鉄火場から珍しく槌音が聞こえてきた。


昨日のこともあって少しの間は黙って聞いていた。

悲しい音のように聞こえるのも気のせいだろうか。


辺りが明るくなったころ、鉄火場に顔を出す。


「おはようございます、フンバルさん」

「起こしたか、すまねぇな、ユーリ」

「いえ、ゲンローさんには逃がしてもらったこともあって…」

「なあ、ユーリ。これをもらってくれねぇか?」


フンバルの手に、少し長めの短剣が握られていた。


「これはアイツが持っていた山刀を打ち直したものだ」

「ゲンローさんの?でも、それって…」

「死んだやつの得物はいやかもしれんが、使ってやってくれ」

「フンバルさんが持ってなくていいんですか?」

「弓が残っているからな、それは俺が使う」

「え、使う?」

「ああ、その話しはいいんだ。アイツがやりたがっていた、いろんなところに行きたいってやつ、叶えさせたくてな」

「はい、わかりました」

「それでな、今日でここはしまうからな」

「それは、どうしてですか?」

「アイツが帰ってきたんだ、ここにいる必要がないからな」

「やりかけてた丸灯籠とか、どうするんですか?」

「いえば、おれの我がままみたいなものだからな。なきゃないで誰も困らん」

「そうですか」


もらった短剣に目を落とすと、山刀に使われてたときの滑り止めがそのまま使われていた。

軽く握ると手入れがよくされていたのだろう、よく手になじむような感じがした。


「そこは巻きなおしたから、使い勝手が悪けりゃやり直してくれ。まあ、手になじむまでは狩とかには使うなよ」

「はい、わかりました」


それから陽がくれるまでのあいだ、鉄火場と部屋の片づけを手伝った。

最後にいままでの分だと、皮袋を渡された。

そして店の前で、じゃあなとそっけなく別れた。

なにも、じきに夜になるというのにと思わないわけでなかった。

でも、フンバルの顔がすでに職人のそれではなかった。

それだけに言い出すこともできなかった。

とはいいつつ、当てがあるわけでなかったので、斡旋組合に行くこととなる。

仕事はしていないから、案の定世話になることはできなかったので、安宿を紹介してもらった。

そして、次の日にあらためて斡旋組合でゲンローの話しを聞いた。


敵対する商隊同士が行き会ってしまい、そのまま何事もなく行き違おうとしたとき、見覚えのある引き車を見てしまったことからいさかいになったのだという。

そのとき双方ともに半壊となったところで痛み分けとなったようだ。

そのとき、護衛としてゲンローが前にいたために死ぬこととなったのだとか。

いさかいを起こした商隊はすでにこのドゥーンにはいなく、ゲンローがいた商隊も建て直しのために撤収していた。

イコンに向かうなら、いまは平穏だということも。


ならば、イコンに向かうしかない。

偶然、イコンに向かう家族がいて、それの護衛を引き受けた。

斡旋組合からあとふたり加わった。


「こんにちわ」


護衛する家族と対面する。

夫婦に子供、姉と弟でふたり。

護衛にはイコンから別の護衛で来ていた請負人だった。


「ユーリ、といいます。イコンまで護衛します」

「よろしくお願いします」

「俺らはネモ、こっちはシュガンという」


ドゥーンで商売をしていたが、イコンに住む親の店を継ぐために、移住するためにいくのだとか。


「では、いこうか」


ネモが声掛けして隊列は進み始めた。

家族4人は引き車の上に、操車ができるネモとシュガンが交代で行い、自分といえば引き車の外側に立って周囲を警戒、といっても形ばかりだけど。

5日後にはイコンにつく予定だとか。


そして2日目の夜のことだった。

長らくお休みいただきました。

少し書ける・・・かな?

エタらないようがんばります。

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