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ハーレムは目指さない!~異世界探訪記  作者: ウルカムイ
第一章 ようこそ異世界へ
11/116

異邦人

≪≫が思いのほか小さく表示されたので、二か国語になるときには『』を使います。

前話は、適宜修正していきます。

『いほうじんって、なんだ?村長』

『古い民話だけどな、どこの国の出身でもない人の話があってな、それが異邦人と呼ばれていたらしい』

『へぇ、こいつがそうってことかい』

『そうかもしれないというあたりだな』


 異邦人って、ZA○Dか!

 でも、この世界の人間でないというなら、そうなんだろうな。


『なあ、あんた俺はサリバンという。しばらくの間は面倒を見ることになるんでな』

『名前はいえるかな』

「清貴」

『きょーたか?』

 ちょっと考え込んで、

「セーキ」

『セーキ?』

 肯定する。

『よし、セーキ。俺の家を教えるから、なにかあったら来てくれ、さあ、こっちだ』

 手を取られて、引きずるように広場にまで連れていかれた。


『ここだ』

 村長の家に近い小屋づくりの建物に連れてこられた。

『なにかあったら、まっすぐこの家に来てくれ』

 肯定する。

『それでな、今すぐに覚えてもらわなくていいんだが、ここには4家というのがあってな。面倒くさい』

 ちょっといやそうな顔をしながらいう。

『もしも、面倒なことになりそうだったら、俺んところに逃げ込んで来い』

 肯定する。

『ところで、なにか食い物はあるのか?』

 ブリーフケースからコシ草とウィドを見せた。

『おめぇ、それどこで見つけた?』

 首をかしげると、

『ウィドだよ。このあたりだとないんだ』

 あの蛇の頭があっただろう方向を指す。

『近いのか?』

 人差し指と中指で歩く真似をする。

『歩いて行けるところ、ということか?』

 肯定する。

『そうか。なら、明日朝に行こう。まずは、寝床だな』


 村の入り口にあった見張り小屋まで連れてこられた。

『しばらくはここを使ってくれ。そのうち広場のところに住めるようになる』

 中に入ると、

『ここらのものは自由に使っていい。畑も大したものはないが、食えるものなら使っていい。それとだな、村のものじゃないやつが来たら、お前さんがされたように、まず村長のところに連れて行ってくれ』

 首をかしげていると、

『訪問者の判別を村長がやるのが仕事だ。そこからはじめて村の中を動くことができる』

「村人とそうでないものの区別はどうするんですか?」

 身振り手振りで何とか伝えようとする。

『ん?ああ、外から来たものは、だいたい大きな荷物か馬車で来る。ここは町からも遠いし、乗り物なしでは来られないからな』

 サリバンがちょっと遠い目をする。

『それだからな、お前さんは警戒されているんだ。まあ、悪いことをするようには見えないから、ここから始めるということだな』

 納得したようにうなずくと、ちょっと真顔になる。

『まあ、深刻に考えるな。そのうち村と仲良くなればいいんだから』

 大きくうなづくと、すこし微笑んだ。

『あと、奴隷がするのは人前で手を合わせることだ。平民はそんなことはしない。気を付けれよ』

 肯定する。

『じゃあ、明日朝に来るからな』

 手を振りながら広場のほうへと帰っていく。


「さてと」

 胸ポケットからツッチーを解放してあげた。

 モキュと動く。

「よくここまで我慢してたな、自由にしていいぞ」

 そうすると、小屋の中を見て回り始めた、かわぇぇぇぇぇ。

「石人形君、待っててもらってありがとう。少し手伝ってくれるかい」

 小屋の脇で体育座りしていた石人形が立ち上がって寄ってきた。

 見張り小屋とあって、必要なものはそろっているようだったけど、乱雑になっていたので、片付けるところから始めようと思った。

 きちんとした棚がなかったので、外から土を運ぶのを手伝ってもらう。


「そろそろいいかな」

 地面に手を付き、

「土の加護、初級、土壁、土の加護、中級、石壁」

 何度か繰り返し、棚の外側を作り上げた。

 棚板を載せる部分は、石壁にする前に削ったりするくらいのことができる。

 小屋外に積んであった平板を中に組んでそれっぽくした。

 小屋の中に散らばっていた小物を押し込めると、そこそこ住める環境になった。


 こんな感じでいいかな。

 ふと外を見ると、何人かこっちをうかがっているのが見えた。

 そっちを見るなり、その全員が一目散に逃げだしていった。

「珍獣…だな、これは」


 畑から食べられそうなものを収穫した。

 サターク草という、キャベツに似た野菜があったので、とりあえず石包丁で刻んでみた。

 煮炊きできそうな釜と鍋もあったので、ようやくコシ草を煮てみた。

 それはまさしく、うどんになった。

 これで、なんとか食住の確保ができたな。




 ん?なんか忘れている?



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