輪のように廻って転がるように生きる
パットについていたゴミを掃ったら、投稿直前の完成稿がとんだ。
なぜ?(´・ω・`)
「42年ぶりね」
どこまでもつづいているかわからない白い空間に四畳半くらいの、思春期の女子が作るようなピンク色にまみれた部屋に、あいつがいた。
「まあ、こっちに来て座ったら?」
部屋の空間に入り、コタツに足を突っ込む。
もう味わえないと思っていたコタツの暖かさだった。
「ここで2億年くらいながめたくらいだったかな。そのころはまだ火の玉の塊しか浮かんでなかったけど、そのときからなんとかして清貴を呼ぼうと思ったのよね。でも、”直接”呼び寄せることはできなかったの。神様みたいなことをやっているけど、そんな便利な権能なんてもってないから。だから”間接的”に呼び寄せる方法を思いついて、そうしたら次々に向こうの世界のものとか流れ込んできたわ。そういえば、清貴が流れてくる前にすっごい子がいてね、国を興しちゃった子がいたわね」
だからか。
下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるってやつだ。
「死んでしまえば、魂って単なるソースになるらしいの。そのソースって私の権限である程度は何とでもなることができるのよ。だから、死んだときにソースに変換される前に呼び寄せられたってことよ。感謝してもらっていいわよ、実体はないだろうけど清貴でいられるんだからね」
すっごいいい顔つきをして話しかけてくる。
なにがうれしいのか。
早々に解放してもらいたいんだがな。
「だからね、清貴にはこれからずっと一緒にいてもらうわ」
うすら寒い感覚に陥った。
「わたしね、この太陽系が崩壊するまで見届けなきゃならないのね、だから付き合ってもらうわよ」
すっごく晴れやかな顔をしている、あいつだった。
それから二千年くらいたったころ、魂は形を失った。
二億年もたったころには、ただの存在だけになった。
そして、六十億年以上もたったとき。
時を刻めていたはずの恒星が肥大化し、生命がほとんど存在しなくなり、ついには限界を超えて恒星の崩壊が始まった。
宇宙空間にあらゆる電波、物質を拡散させたかとおもった瞬間に、小さな強い光を放つ天体となった。
白色矮星というやつだろうか。
「お久しぶりですね、滝上真心さん」
唐突に、シルクハットを被りチョビ髭を生やした、あの映画スターという感じの人物が現れた。
「あら、今回は姿を見せたのね」
「ええ、前回は不興を買いましたからね、姿を創造しました。長い間、お疲れさまでした」
「ありがとう。確かに長い間だったわね」
「おや、そこに…」
「ええ、清貴よ。向こうの世界から来たのよ」
「そうですか…。ところで滝上真心さん、これからどうしますか」
「元の世界に帰る気はないの。だからね、この清貴と二人でこの世界のどこかに転生させてほしいのよ」
「よろしいのですか?その後はこの世界の輪廻に加わることとなりますが」
「ええ、かまわないわ。向こうの世界に帰る気はないから」
「こちらの清貴さんも同じお考えですか」
「清貴にはもう意識はないわ。魂の崩壊ってやつかしら」
「そうですか。わかりました」
「あ、できれば双子がいいわ。二人が切り離せない関係でいたいから」
「わかりました」
暗い空間を抜けると、明るくまぶしいところに出た。
そこには自分の声ではない赤んぼの声が響いていたのが聞こえてきた。
400文字くらい短くなった。
いいのか悪いのか。
滝上真心の始まりの話しはこちらです。
気になった方はご覧ください。
異世界奇譚第34話
https://ncode.syosetu.com/n9091cy/35/
次回は、2月5日ごろを予定してます。