第一村人、発見!
暑いですね。
自分、暑いのが苦手ですが、PCもウォンウォンうなっています。
どちらも逝きそうです。
門?
胴体くらいの太い丸太を切り取ったような柱が使われている。
ただ地面に突き刺しているだけの簡単な代物だった。
んー…。
2本の柱を前に考え込む。
門は境界を表しているので、ここから集落ですよってことなのか、ここまでが集落でしたということなのか。
まあ、前者だと思いたいな。
とりあえず誰かに会おう。
道も含めて、こういうものがあるということは、人がいるってことだから。
門を通りすぎようとすると、大イノシシが付いてこない。
「あれ?どうした?」
大イノシシは、前足をがりがりとすると突進した。
ぼむぅ
何かに弾き返されたようにされて、すこし後ずさりした。
「んっ?」
大イノシシはさすがに痛かったのか、頭を振っていた。
「なんか、バリアみたいのがあるのかな」
柱をうかがい見るが、ただの木にしかみえない。
じっと見ても、門としか表示されなかった。
「どうしようか」
万が一誰かに見られたなら、大騒ぎになりかねない。
「わきの茂みで待っててもらっていいかな?」
大イノシシは、わかったといわんばかりにうなづき、茂みの奥に入っていく。
大イノシシの後姿を見送る。
「さて、あらためてだな」
胸にツッチー、石人形を引き連れて、集落だろうと思われるエリアに入っていく。
道なりに少し歩くと、左に大きく折れ曲がった先に、開けた土地が見える。
そこにようやく人工物というか、建物がが見えた。
プレハブくらいの小さめの建物だった。
どうやら、人気はないようだ。
辺りを見渡すと、小さな畑があり、こまごまとした生活道具が置かれていた。
が、生活感がいまいち足りない。
作業小屋みたいなものかな?
表においてあった切り株のようなものに腰掛けた。
ひさびさにのんびりとした気分になる。
小一時間ほどぼっとしていると、人影を感じた。
『おまえ、何者だ。どこからきた』
え?
二か国語放送のように音が重なって聞こえてきた。
じっと相手を見る。
サリバン 37
HP380/MP25
適正 物理/火
スキル 弓 狩猟 農業 鍛冶 伐採
典型的な村人なのかな?
『どこから来たのかといっている、聞こえてるか?』
「わからない」
『ん?どこの言葉だ?こっちの言葉がわからないのか?どこの国から来たんだ?』
話していることはわかるのに、こちらの言葉がわからない。
「わからない」
『まあ、とりあえず決まりだから村長のところまでついてきてくれ』
おとなしくついていこうとすると、石人形ももれなくついてくる。
『な、なんだ!そいつは!』
おそらく小さな岩だと思っていたに違いない。
それが動き出したのだから、まあびっくりするよね。
「石人形です」
素直に答えるが、相手には通じない。
向こうの言っていることはわかっても、こちらの言葉が通じないのは、不便だよね。
『おとなしいのか?お前さんの言うことは聞くんだな。』
大きく何度もうなづく。
怖い蛇の頭を一撃で突いちゃいますけどね。
『それならいいが。いや、いきなり暴れられても困るのでな、そいつはここに置いて行ってくれ』
「わかった」
と大きくうなづく。
「石人形君、すまないがここで待っててくれるかな?」
今度は石人形が大きくうなづく。
ツッチーは…こっそりポケットの忍んでいる。
まあ、言わなくても脅威にはならんでしょ。
サリバンさん…まだ正式に名乗っていないから、知らないことになっているけど…に連れらて、小さな建物に囲まれている大きな広場を越えて、今まで見た建物より大きな家にたどり着いた。
『ちょっとここで待っててくれ、わかるかな』
大きくうなづく。
『村長!サリバンだ、はいるぞ』
声をかけながら家の中に入っていく。
少しの間があって、村長らしき人が出てくる。
じっと見つめる。
エリン 41
HP375/MP138
適正 物理/火
スキル 剣 弓 狩猟 農業 鍛冶
『君か、訪問者というのは』
「ええと」
『ああいい。話していることはわかるんだな。なら、否定するときは横に首を振ってくれ』
大きくうなづく。
『よし、じゃあ幾つか聞いてくぞ。まず、この国の出身なのか?』
否定する。
『では、隣国か?』
否定する。
『ずいぶん遠くまで来たんだな。では、ここにとどまるつもりで来たのか?』
頭をひねる。
『それは、わからないということか?』
肯定する。
『何かあってこの村に来たのか?』
否定する。
『んん?旅行者か?』
頭をひねる。
『そうか、荷物がないところを見ると旅行者ではないようだし、…ここにいるつもりなのか?』
頭をひねる。
『村長、あの話しも』
『ああ、それで見張り小屋のところに置いてきた、あれだが、生き物なのか?』
否定する。
『人を襲うのか?』
とりあえず、否定する。
あとで、人に危害を与えないように言わなきゃ…なんていったっけ?…ああ、ロボット三原則だ。
あれを教え込まないと…ツッチーは…脅威じゃないよ。
『わかった。ただ、あそこから中に入れないでもらいたい。』
肯定する。
『さて、どうしたものかな』
『あの結界を越えてきたのだから、魔物ではないし』
大イノシシも弾かれていたくょ、その結界とやらに。
『そうだな、滞在は認めるとしても、こう話が通じないのはな…』
それはそうだねぇ…、異言語理解って話せるところまでにはなっていないんですね。
『ここに何の用事があってきたのかはわからないが、見張り小屋にいることは認めよう。ただし、そこから村の中に入るときは、このサリバンと一緒だ』
肯定する。
『あと、言葉を覚えるように』
大きくうなづくとともに、両手を合わせて感謝する。
『う、お前、逃亡奴隷だったのか?』
大きく否定する。
『手を合わせるというのは、奴隷がすることだ。無闇にやるものではない』
村長はひとしきり考える。
『……あまり使わない言葉だが、異邦…人…者…異邦人だな』
なんですか?異邦人とは。