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とある転生者の革命戦記  作者: スピンドル
第一章 幼年期「始まり編」
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第五話  「ビエノー村」

森を抜け、大きな山の山道を抜け、そしてまた森を抜ける。

そうすれば目的地、ビエノー村に到着する。

移動時間は片道だけで5日間。今日はテルミナスから出発して3日、俺たちは山道の中腹に位置している。

この世界の移動方法は基本的に馬車。一部の位の高い貴族は飛行船を持っているらしいが、残念なことにこの家にはない。

それが、今残念でならない。

何故かというと―――――――。


「う~~~~~気持ち悪りぃ~~」

「なんだ?レド、馬車酔いがまだ慣れんのか?」

「はい・・・・(ガタン!)うぷっ――――」

「なさけないぞ!!あと少しで山道も抜ける!辛抱しろ」

(静かにしてくれ、頭に響くから・・・頭痛もするのに・・・う~~)


オレは馬車に酔っていた。

テルミナスの街を出発して一日はなんともなかったが、山道に入った辺りから揺れも道も酷くなる一方。この二日間は気分が悪くてロクに食事も取れていない。

この世界は日本にとって戦国時代並。山道は全く舗装されていないからガタガタ。馬車にはサスペンション(路面の凹凸を車体に伝えない緩衝装置)など付いていないからダイレクトに揺れる。

いや、それらしいのは付いてはいるが道の揺れを完全に相殺しきれていない。

しかも酔いの要員はそれだけではない。

漫画、アニメ、映画とかで見た馬車は、便利な乗り物だと思うだろう。

だが、実際は違う。

馬に引っ張ってもらうので必然的に馬の後ろになる。つまり馬の尻がどうしても目の前に来る。その時不意に馬がクソをするから、もろニオイが直撃してクサくてたまらん。


(ああー、飛行船があればなー)

(でも飛行船は値段が高い上に維持費も大変だよ?)

(そ、そうか。なら、仕方ないか・・・・汗)


三時間後、やっと山道を抜けることができた。

森と山の間が少し開けた場所になっていたので、そこに馬車を止めて休憩することにした。

俺は魔石水筒を口にした。

これは水の魔石から飲み水に変えてくれるモノ。形は普通の水筒で、真ん中に水の魔石を埋め込み魔法陣でマナを飲料可能なレベルまで下げてくれる便利なアイテム。


「はぁぁー、しっかし、村までまだあるのか・・・・・」

「レイクード様。大丈夫ですか?」

「まあ少し良くなったけど、まだ気分が悪い、です・・・・・・」


俺が草むらに座り込んでいるとレンヤが近寄ってきた。


「では解毒魔術で酔いを治しましょう」

「解毒魔術で?」

「はい。本来は毒を抜くための魔術ですが、体のマナを安定させる事ができるので有効ですよ」


へーそんな裏ワザがあるんだ。

レンヤは俺の額に手をかざし呪文を唱えて解毒魔術をかけてくれた。

するとスーと胸苦しい程の吐き気が無くなり、頭に突っかかっていた頭痛も消えた。

やった!酔いが治った。

ん?まてよ?何でさらやるんだ?気分が悪い事は知っていたはずだぞ。

どうせなら、山道を移動している時に教えればいいのに。


「ねー、レンヤ。何で僕が酔っているときに教えてくれなかったの?」

「大旦那様が馬車酔いには慣れさせるのが一番だとおっしゃいましたので、言えませんでした。申し訳ありません」


あーなるほど。爺様ならそうするだろうな。

魔術に頼るより自然に治して慣れさせようとしたんだろう。

確かに薬に頼ってばかりだと体がそれに慣れてしまい効果を薄くなるのと同じようなもんなんだろうな。

でももうちょっと気を使って欲しいな。

まあ、山道は越えたから後は森を抜けるだけ、少しは楽になるだろう。


(ときにハルーツ君。君はこのことを知っていたのかね?)

(うん)

(じゃあ!何で教えてくれないんだよ!)

(日常生活の知識は教えないように言ったのは君でしょ?)


う・・・そうでした。

まあ、人の所為にしても仕方ないか。村まで、あとちょっと。馬のくそクサさは何とかして耐えねば。

街から出発して、山道の二日間は馬車酔いに悩まされたが、レンヤに酔い直しをしてもらった。

後の問題は盗賊か。

今は冷戦状態。とは言え、これまでの戦いで多くの村が焼かれた。

この時代の戦争は条約も制限も無い。あるのは貴族に有利な法律だけ。

その為、焼かれた村の住人は援助無く働き先を求めて難民になり、奴隷になるか「力で奪い取る」かの選択を強いられる。「力で奪い取る」を選んだ盗賊集団は小さな村を焼き、略奪。

そして、その村の人が難民になり、繰り返す。

世知辛い。これ以上なく世知辛いものだ。


(なあ、俺はなんでこの世界に来たのかねぇ)

(さあ。何か意味があるならそうなんじゃない?)


意味がありそうだから困るんだ。

前世の記憶を受け継いで異世界に転生したんだぞ。

これ以上の理由があるか。


「レドぉー!!出発するぞーーー!!」

「は、はい。今行きます」


何しろ、漫画の主人公そのものな事になっているんだから。


                ◇


結局、考えるのは諦めた。何をどう考えても仕方ないと悟ったからだ。

盗賊とかが出てくる事もなく無事に森を抜け、村に着いた。

さて、村は一本の道の左右に木造の家が建っていて、その村を中心に広い畑が広がっている。近くには川があって水車が回っている。農村という感じだ。

俺たちはまず村長の家に挨拶しに行くことにした。


「爺様、村長はどんな人なんですか?」

「この村はエルフが仕切っておる」


エルフ!出たファンタジーの金字塔。

へー、エルフ村長をしているんだ。そういや人族や他の種族も一緒に畑仕事をしていたな。

大変そうだが、馬車に気付くとみんな笑顔で手を振ってくれた。

いろんな種族が楽しく暮らしているのが分かる。


(なあ、ハルーツ。エルフって、長命で閉鎖的な暮らしをしていて、弓と魔法が得意な種族だよな?)


ポケットに手を突っ込んで、入れていたハルーツに聞いてみた。


(まあ大体あっているかな。村長になるのは珍しい例だけど)


だよねー。一体どうやって決めてるんだ――――?

・・・・・・・・・などと考えていると、視線を感じた。

露店で働いている男どもがずっとこちらを見ている。

俺を見ているんじゃないな、恐らくサリサとレンヤを見ているのだろう。

二人はかなり美人だしスタイル抜群のボン、キュ、ボンだしな。獣人は胸が人より大きくなるみたいだし、気になり見つめているのだろう。

見ている視線が露骨にいやらしい。当の二人は、気にせず馬車を操っているけど。

すると奥さんらしい女性が出てきて、男性の耳を引っ張て奥に連れて行った。

ざまあミソ!なんちって。

そんなことがあったて、木造建築の建物の前に止まった。

中から人が出て来た。


「ローガン様、遠路はるばるようこそお越しくださいました」

「うむ。ではラグオンの所に案内してもらおうか」

「はい。どうぞこちらへ」


一番大きな家が村長邸なのはどこも変わらんな。

まあ、街に戻るまで一年。付いて来たメイドたちも生活するんだからこれぐらいなきゃな。

俺も一言だけ挨拶した方がいいだろう。

一緒に来たメイドたちは部屋に荷物を運び入れするため、俺と爺様の二人で挨拶する。

案内されて村長の部屋に入ると、一人の男性が居た。


「おおー、ローガン様。お待ちしておりました。どうぞお座りください」


そう言われ近くにあったソファーに座った。

彼がこの村の村長だろう、美形だった。

見た目年齢は中年位だが、金髪で緑の瞳、笹の葉みたいなとがった耳。線は細いが筋肉が無い訳ではなく引き締まった体。まさしくエルフという感じだ。

この世界のエルフも美男美女が多いんだろうか?


「――――こちらが、以前お話ししていたレイクード様ですか」


とりあえず名乗っておくか。


「レイクード・バルケットです。1年近くの間お世話になります。よろしくお願いします」

「こちらこそ、よろしくお願いします。村長の・ラグオン・エーリックと申します。この村はまだ帝国の攻撃は無く安全ですが、村はずれの森などに行かないようにしてください。魔物がいて危険ですから」

「分かりました」

               

中々礼儀正しそうなエルフだな、傲慢ごうまんで他の種族を見下しているのかと思ったが、この人なら好感が持てそうだ。

・・・・・・・・・・数分後。

これ以上居ても仕方ないので、俺一人だけ部屋に案内してもらった。

爺様はまだまだラグオンさんと話すことがあるらしいから。

だが、部屋に着いたはいいが、荷物の整理はメイドがやってくれていたのでやる事がない。

まだ昼頃だし寝るには早すぎる。

暇になってしまった。

・・・・・・・そうだ村を見て回る事にしょう。

隣がサリサとレンヤの部屋だって言ってたから、一言いっておくか。

部屋に向かうと、二人はまだ荷物の整理をしていた。


「サリサ、レンヤ。僕、村を見て回ってきます。村の外にはいかないので一人で大丈夫だから」

「分かりました。でも、人目につかない場所にも行かないでくださいよ?気を付けてくださいね」

「いってらしゃいませ。レイクード様」

「はーい。いってーきまーす」


村長の家を出ると直ぐに露店が並ぶ中央道に出る。

中央の道には木製の民家が並んでいて、色々な店が並んでいた。

ニンジンみたいな馴染みある野菜から見たことのない果物が沢山並んでいる。少し先には宿屋まであった。思ったより大きい村なんだな、村と言うより小規模の町に近いかもしれない。

・・・・・・・・ん?なんだ?

ふと子供たちが裏道に入っていくのが見えた。複数の子供が一人の女の子の手を掴んで無理やり引きずりこんだように見えた。

怪しかったのでコッソリ後をつけた。

人気のない家と家との間の裏道を進む。

そして、小高い丘に出た。

丘を登ると町が一望できるぐらいの高さだった、風がとても心地よい。


「悪魔め、この村から出て行けよー!」


後ろから、風に乗ってそんな声が聞こえてきた。

村の畑に子供たちが一人を囲んで殴る、蹴る、棒で叩くなどしているのが見えた。

絵に描いたような、イジメの光景だ。


「これでもくらえー!」

「よっしゃ!めいちゅうだ」


少年の一人が石を投げつけた。さすがに石をぶつけるのはやりすぎだな。

オレは少年に向かって走り出した。走りながら、魔術で水の玉をつくり、射程内に入った瞬間、ボールを投げる様な感じで打ち出した。


「わっぷ」

「なっ!?なんだ?」


背の高いリーダーぽい奴の顔面に命中させた。

威力は抑えてあるので雪合戦で雪の球が当たったぐらいの痛さでしかないはずだ。


「なんだよお前!!」

「制裁の邪魔すんじゃねえよ!」

「制裁?」

「こいつの目を見てみろよ」


リーダー各の言う通りにオレは近くに寄ってみた。

頭を抱えながらうずくまっている。

赤い髪にチョコンと三角形の形をしたモノが生えている。猫耳だ。オレに気付いたのか、顔を向けてビクッと体を震わせた。

見た感じ猫の獣人だろう、顔にまで青いアザがある。かわいそうに。

ふと目を見て見ると気付いた。

片方は青、もう片方は黄色のオッドアイだった。


「どうだ?納得しただろう。こいつはいつか災いを起こすかもしれない。だから制裁を与えるんだ」


なるほど。

この世界でもオッドアイは差別するのか。自分とちょと違うからってイジメの対象にするのはどの世界も一緒だな。いや獣人という事も理由の一つなんだろうな。

複数でいたぶるなんて胸くそ悪くなる。


「・・・・・・・二つ聞きたい。彼女が何かお前らに危害を加えたのか?」

「・・・・?いいや?」

「次、彼女みたいな目の人が災いを起こしたことがあるのか?」

「・・・・・・・知るかよ、そんなの!」

「そうか・・・・・」

「【ヒーリング】」


オレはこんな事もあろうかと無詠唱で治癒魔術をできる様にしていた。

彼女を治療すると、猫耳少女は驚いた顔でこちらを見つめた。

顔や腕などにアザやすりキズはあったが、骨折も後に残るようなキズも無いようだな。


「おまえ魔術が使えるのか?いや、それよりなぜそいつを助けるんだ!こいつは災いを招くかもしれないんだぞ!?」

「僕は根拠のない迷信は信じないし、彼女が何もやっていないなら制裁とか必要なんてない。治療したのは傷ついていたからだ」

「はぁ!?」

「それに複数で一人を攻撃するのはちょっとカッコ悪いんじゃないの?」

「へッ!!オレに歯向かったこと後悔するぞッ!皆でやっちまえぇぇ!!」


その声で、他の奴らも一斉に襲い掛かってきた。


(後ろからも来るよ!)

「ちッ!【ストーム】!」


オレは【ヒーリング】を一旦停止し、俺と彼女の周りに中級の風の魔術を発動させ襲い掛かってきた奴らを少し吹っ飛ばした。

ただ風を少し強めた程度に制御したので怪我はしていない。ただ尻もちをついた程度だ。あるガキは一回りしたようだが。


「クソッ!これでもくらえ」


誰かが、俺に石を投げてきた。

だがオレは、爺様に鍛え上げられているので難なく避けた。

他の奴も次々に石を投げつけてきたが、面倒なので、風の魔術で防いだ。

先の魔術の応用で、見えない風の流れを生み出して壁をつくる。

石は俺に当たる寸前に次々と落下していく。

すると攻撃が効かないと理解したのか、手にある石を地面に叩き付けた。


「なんで!?何で当たらないんだよ!」

「クソッ!!お前が何もんか知らんけど爺ちゃんに言いつけてやるからなー」


そういって村の方に向かって逃げて行った。

ママに言いつけてやる~。てな感じか。

年上なのかもしれんがまだまだガキだな。オレも強くは言えないが。

今度は怪我をさせずに退散させることができた。自分じゃパーフェクト。


「君、大丈夫?少しは治癒魔術で直したけど・・・・・」


手を差し出して立たせてあげた。背の高さは俺と同じくらいだ。

服に付いた汚れを落としていると彼女が口を開いた。


「どうして?」

「ん?」

「どうして助けてくれるの?」

「さっきも言っただろ君が何もしていないなら制裁なんて必要ない、迷信も信じないって」

「でもこんな目をしてるからイジメられるんだし・・・・・」

「目なんて関係ないだろ?君がたとえ災いを招くような奴でも同じ状況なら、助けるよ。「弱い物は助けろ!」て、爺様に言われているから」

(おぉー、カッコいいねー)

(うッせーよ!////)


爺様は鍛錬の後必ず「弱い奴を助けられる、強い男になれ!」と言ってくるのだ。耳タコだよ。

つうか、これを見過ごしたなんて知れたら爺様に何言われるか考えたくない。


「そう。・・・・ありがと」

「君は親は居ないの?親に相談してみればいいじゃないか」

「親は・・・いない。私、小さい頃に捨てられたから・・。だから孤児院に住んでいるの」

「そうか、ごめん」


なんか悪いこと聞いちまったな。


「・・・あなたは大丈夫?・・・仲間外れにされるかもしれないよ・・・」

「じゃあ君が遊んでくれよ。今日から友達だ」

「ニャ!?」


え?

今、ニャて言わなかった?しかも猫みたいな尻尾をひらひらさせちゃって!やッば、何か可愛い!


(はーい、落ち着こうねー)


はっ!そうだ落ち着け。第一印象は大事だ。嫌われたら元も子もない。

二人一緒ならからまれる心配も少なくなるだろうし、さっきの奴らもオレが強いと認識したから迂闊うかつに手を出さないはずだ。


「ホントにあたしで、いいの?」

「いいよ。あ、そういえば、名前を言っていなかったね。ぼくはレイクード。レドでいいよ」

「私はミーナ」

「よろしくミーナ」

「こッ・・・こちらこそよろしくニャ」


なんか緊張気味だが、まいいか!彼女にとっても初めての友達なんだろう。

二人で握手をして、俺はこの世界で初めて友達をつくった。


「この後、何か用事がある?」

「なにもないけど?」

「なら一緒に遊ぼうよ。まだ日が高そうだし」

「じゃあ、さっきの魔術教えてほしいな」

「魔術を?う~ん・・・・・・・・・」


魔術を覚えていればクソガキくらい撃退することもできるか。またさっきの奴らが一人でいる時に襲って来る可能性があるからな。

そうだ。無詠唱は他の人にも使えるか試してみるか。


「分かった。教えるよ」

「本当!!やったニャ!」


ミーナがピョンピョンと飛び跳ねて喜んだ。

可愛いな。興奮すると猫語になるのかねぇ、それもまた可愛い。

そうして、ミーナにまず魔術の基本を教える所から始めた。


「レェェェドォォォォーーー!!」


魔術の基本をレクチャーしていたら、聞き覚えのある声が聞こえた。

雄叫び並の俺を呼ぶ声と、(ドドドドド)と地響きに似た音を立てる人は他にいない。

爺様だ。まずいことになりそう。怒られるんだろうな。

多分さっきのガキの親か誰かが文句を言いに来たんだろう。怪我はさせていないがやっぱり来たんだ。


「ハッハッハッハー!!レドォ!よくやたな!ワシは嬉しいぞぉー!!」


え?なんで?


「あのー爺様。怒らないんですか?親が文句を言いに来たのでは?」

「うむ、実はな!ワシの友人が来ていてな、今もお互い競い合っているが・・・まあ詳しい説明は帰ってからにしょう。もう日が沈むころだ」


いつの間にか日が沈みかけていた。時間が経つのは早いな。


「そろそろ帰る時間だね。君ひとりで大丈夫?」

「うん。近くだから大丈夫」

「そう、気を付けて、またね」

「ばいばーい。またここでニャ」

「もう友が出来たのか。友は大切にせよ」

「はい爺様」

「どうなるかと思ったが、ワシの杞憂きゆうだったな」

「え?」

「お前は屋敷にこもるばかりで、街に行ったことが無かろう。統治者になるには民の事も知っておかねばならんぞ」


つまりニートになっていた、ってことか。

うん。確かに魔術や剣術でほとんど時間を使っていて、街には全く見てなかったな。よし。帰ったら時間の割り振りを考えて街を見て見るか。


              ◇


村長の部屋。

ミーナと別れて爺様と一緒に村長の家に戻ると、さっきのリーダーのガキと、そのガキに似た知らない男性が村長の部屋で待っていた。

リーダー各のガキは頭にコブを作って、

半泣きしていた。俺の所為じゃないぞ。でもこの姿をミーナの見せてやりたかった。


「俺はドラド・レリーブ・バナック。こっちは孫のレオル・バナックだお前がローガンの自慢の孫か?」

「はい。レイクード・バルケットです。初めまして」


オレは左手を右側の胸に当てて一礼をし、貴族同士の挨拶をした。


「ほぉー。礼儀を知っているな」


そして数時間で互いに自己紹介と雑談をしていた。

ドラドさんは、バナック領の領主で、爺様と古い友人だ。

何でも二人は最初は犬猿の仲でケンカばかりしていたらしい。

それが苛烈し、子供をつくり大っきくなったら戦わせて、どちらが強いか競い合っていた。

そして生まれた母さんとレオルの父ハヤル・アルマ・バナックは戦わされた。

母さんは魔術メインでハヤルさんは剣術メインだった為、母さんが不利と思われつつも互角の戦いを見せた。

だが結局、母さんが魔力切れをしてしまい近接戦に持ち込まれて負けてしまった。母さんも剣術はできたが、ハヤルさんには敵わないようだ。

納得いかない爺様は今度は二人が別々に産んだ子を戦わせようと言い出した。

勝った相手も大見えきって了承してまた。

このまま生きて行く限りのイタチごっこになりそうだ。

だが、レオルは俺より先に生まれた。

年上だっため、不利と爺様はあんなにもキツく、焦った鍛錬だったのだ。しかも負けたことも気にしていたから。

でも、レオルとは歳が離れているにも関わらず、事情を知らないとは言え撃退したのであんなにも喜んでいたのだ。納得。

どうやってオレがレオルを撃退したことを知っているのかは、村を散策しているオレの後からレンヤが気配を消して監視していた。

日常的にもクールなメイドだからか、全然気が付かなかった。

そしてレオルが村に走って行ったと同時に爺様に報告したらしい。

レンヤグッジョブ。

それで後から来たドラドさんに事情を説明したら、一瞬で顔を真っ赤に染め、レオルに頭に一発入れたらしい。複数で一人をイジメた挙句、年下の俺に負けて頭にきて、怒られ、殴られ、コブができた訳ね。


「まさかレオルが負けるとはな。これからもっときつい鍛錬をしてもらおうか」

「ふん!なら、レドも奴に負けず強くなってもらうぞ!」

「「えぇぇぇ~~」」


俺とレオルは声を上げた。今ならこいつに共感できる。

また戦わせる気だな、迷惑にも程がある。

数時間後、話は終わり俺は自分の部屋のベットに飛び込んだ。


「はぁ~~~~~、つ~か~れ~た~な~もうっ!」

(着いた初日から大変だったね)

(まあちょっとした実戦演習だと思えばいいが・・・・・)


日頃の訓練や鍛錬が身についていることが自覚できた。

今後も魔術や剣術を頑張って行こう。

あ、レオルと和解しといた方が良かったかな?

急ぐことがあるから、翌日には村を出て行くとか言ってさっさと帰っちゃたんだよな。まあ、レオルとは少し話をしたし和解には至らないけど、大丈夫だろう。

さて、めしだめし~~。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

連続投降です。

次回もよろしくお願いします。

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