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とある転生者の革命戦記  作者: スピンドル
第四章 少年期 「帰還編」
45/46

第三十九話「転生を越えた想い」

商人[カマト視点]。

ああ、暇だな。

まあ、殺されはしなかったし、魔物がいっぱい居る森に置き去りにされるよりはマシなんだが。

だが、こんな狭い部屋に押し込められるのは好きじゃない。なんたって牢屋に放り込まれたんだからな。

部屋はボロボロで穴空いて虫が入るし、シーツだって獣臭けものくさいのなんの。でも、何もしないで飯は運ばれるし、片付けもしないで寝っ転がってられるんだからある意味贅沢なんだろうな。

あの夜はいろいろとあり過ぎだ。

フラフラと森の中に連れ去られて、里の猫を殺したからって罪を着せられると思いきや、ちがう猫がオレ助けようとした。そしたらドラゴンとか出てきて、訳が分からず話もゴチャゴチャ。

その後は眠らされて、気がついたときには既にこの牢屋の中。木と鉄で作られている小屋。窓は付いていない。所々金具でガッチリ固定されて壊せそうにない。

まあ、壊せないなら開ければいい。ここを抜け出す技術は身につけてるが・・・・・。


「・・・・・・・・」


見張りがいるし、機会を待つか。


―――二日目―――

今日も今日とて、牢屋の中。トイレがあるから決して外に出そうとはしてくれない。臭いがな。

寝床と飯も不自由はしないし、思ったより美味い飯だ。牢に入れられて、残飯を食わせられるかと思ったが。

しっかし、いつ出してくれるんだ。


「なあ、いつ出してくれるんだ?」

「知らん。話し合ってるところだ」


まだまだ、出してくれそうにないな。弟たちに会えるのか・・・・?


―――三日目―――

さすがにこう何もしないと、家に置いてきた弟たちが心配になってくる。

一番上はしっかりしていて食事も作れるから今ある金でなんとかやっていけてるはず・・・・。

俺たちは物心付いた時から豪華な屋敷のゴミを漁り、店から奪ってはの生活だった。家も金も親すらいない。

いるのは妹兄弟たち。中には赤ん坊の子供もいる。

町の倉庫の道具も盗んで穴掘って雨風が凌げる程度の住む場所をつくってなんとか命を繋いでいる。

その内に金がどうしても必要だった時もあって、その時、初めて家に侵入することになった。

ねぐらにしていた唯一の場所が買い取られそうになったんだ。

だが、その買い取ろうとしている商人との取引で土地を一定の年月に金を支払って、その買い取った金額になればそれで終わりとゆう事にしてくれた。

だが、この好条件でも、俺にとってはその金を払うことさえできなかった。とにかく急いで金が欲しくなったから、どっかの裕福そうな家に忍び込む為にドアを破るための技術を身に付けた。

そうして、裕福そうな家に忍び込んだのだが、そのすぐだった。

屋敷の人間に見つかって、捕まりそうになって抵抗した。

そして、気づいた時には、血だらけでそいつが倒れていた。

おれは怖くなって逃げた。そして家(穴)に戻って悩んでいた。

土地を買い取った貴族の屋敷ではないが、噂が出回るのは時間の問題。いずれ自警団とかに知られて捕まるかもしれない。そうなれば弟たちの面倒を見ることができなくなる。

それをどうすれば良いと悩んでいた。


「ニャ~」


猫が擦り寄ってきた。

そう言えば弟たちが猫を拾ってきたんだったな、と思い出した。

「メシが欲しいのか?」と思ってその子猫を抱き上げて愚痴を言った。


「お前はいいよな、金とは無縁でよ。贅沢じゃないがメシだって食えるんだし」

「ニャー」

「お前に言っても仕方ないか」


こいつを見てたら気が失せた。寝るか。

翌朝。

町の噂で聞いたが、その晩屋敷でもみ合ったのは使用人で、死んだらしい。

だが俺が犯人になることはなかった。

実は屋敷の主人がその使用人の事を調べたら、金を横流ししていたことが分かった。

そこで自警団に捕らえてもらう為に夜出かけていたのだが、その時使用人は死んでいた。だが、ちょうど横流しした相手も屋敷に侵入していて金を漁っていたから屋敷の主人と自警団に捕まった。

そして、使用人は「口封じで殺されたの為」に殺された、と勝手に勘違いしてくれた。

俺のやったことが完全に忘れ去られたんだ。

今回は捕まらずに済んで運が良かっただけだ。こんな素人同然の盗人が次もうまくいかないに決まってる。そうなれば弟たちは最悪奴隷それか死ぬしかなくなる。

違う手でカネを集めるしかない。

今思えばあの猫は俺を慰めてくれたのか?・・・・・・違うか。

それから俺は口先だけで金を取れるように捨ててあった本を拾っては読んで、学んだ。

その数日で不定期だが簡単に大金が手に入いるようになった。

敵対ライバル店で一方の店の評判を悪くするように町に言いふらして、その報酬金を要求したり。他にも何も知らない旅人にワザと高い店に泊まらせて売上の一部と案内料をもらったりしたこともある。

そうしたことをしていると、ボスの目に止まって今の生活になった。

その数ヶ月後だったか。あの猫が馬車にかれて死んじまったのは。

・・・・昔を思い出しても、時間は潰れるが、悲しくなるだけだな。

ああ止めだ、止め。


―――四日目―――

時間が経つ感じはする。

だが、なんもしてこない。飯を運んでくるだけで、他の奴らが見に来たり会うこともしてこない。

俺のこと忘れてんじゃないか?

タダ飯くれるのは嬉しいが、さすがにこうもおと沙汰さたしじゃ、いろんな意味で不安になってくるぞ。

まあ、見張りがいて、交代してるんだから、忘れられてはいないと思うけどな・・・。


―――五日目―――


「・・・・・ふんっ!・・・・・ふんっ!・・・・・」


一応、鍛錬はしておかないとな。オレは戦闘向けじゃないけど、ボスの仕事の都合上、危ないことに首を突っ込むのは当たり前だ。

だから逃げるだけの体力は持っとかないと。

ある程度安定して金が稼げるようになったのは良いが、この状況は初めて。俺の金を集める技術が欲しくてボスの勧誘に乗ったはいいが、こうゆう時は助けに来るか?

あ、無理か。

猫がどうにかしちまったって言ってたもんな。


―――六日目―――


ドン、ガガガ――――!!

「・・・・・・ああ、クっソッ!やかましくて眠れん!何なんだいったい!!」


朝からずっとなんかの作業をしてるのか、音がやかまし過ぎる。

ったく、おかげで眠れやしない。

仕方ねえ、体鍛えでもするしかねえか。


―――七日、そして八日目―――

やっと音が鳴り止んだが、今度こそ忘れられた。

とうとう見張りもメシさえ来なくなりやがった。


「舐めやがって!こうなったら牢屋生活とはおさらばしてやる。こんな牢、オレにかかれば・・・・・・・・・。おっしッ!脱出成功」


見張りがいないとは言えこっそり出なくちゃな。

今見つかったら即殺される。

ここに眠らされて連れ込まれ、一週間も経った。里の連中は助けは来ないだろうから、やっぱ道に沿って森を抜けて、近くの人がいる所に出るしかない。

暗いから夜、その時間を待って行動した。

普通なら飯時になったら、上手い飯が運ばれてくる。それで時間が大体わかっていた。木の腐ったところの穴から差す光でも時間の感覚もあった。

夜で見張りが来ないだろう時間だが、魔物が腹を空かせる時間ころでもある。武器も無く森に入るのは危険だ。

この丸二日、ハラが減っても暗くなっても来る気配がなかった。

武器よりまず食料を探すか。

話し合うとか言っておいて、結局俺の命なんてどうでもいいてってことかよ!

こんなところでくたばってたまるか。

・・・・・・この牢屋は木の上にあったのか。

木々に足場を組んで、その足場を縄ばしごで繋がっている。下に降りなくても村中を行き来できるようになっていて、地面には端っこが畑が広がっている。

だが、村にしては家の数が少なくないか?1、2・・3つしかないぞ?

まあいいや。まずはメシを見つけないと。

ゆっくり、移動して・・・・・・食料庫はどれだ?


「・・・・・・・」


っと。危ない、危ない。

見回りを避けないとな・・・・・・行ったか。

よし、この調子で隠れながら移動しよう。

前から来た。・・・・この木箱の影に隠れよう・・・・・・・行った。

この縄ハシゴを一気に渡って・・・・・。

クソ!渡りきったが両端から見張りが来やがった。

木箱や隠れられそうなところがない。唯一可能性があるのはこの大きめの家に入る事だが、中から声がする。

ええい。だったらこの家の住人を人質にするしかない。

見張りに見つかって殺されるよりは可能性がある。家にいるのは多分子供だ。はしゃぎ回る声が聞こえる。子供なら抱えて逃げられる。

・・・・・やるっきゃねぇ!


バツ!!「全員動くな!」

「あ!にいちゃん」

「・・・・・・・は?」

「遅いよ、にぃ。もう先にゴハン食べちゃったよ」

「ちょっと、あんたたち!いい加減に降りなさいよ!」

「ダ~ブゥ~~」

「い、痛たいたたっ!髪を引っ張らないでよ~~(涙目)」

「フッ、いい気味ね、フレイア」

「この、腹黒ダークエルフぅ~~~!!」


なに?どうなってんの?どうして弟たちが?

遠くの町に居るはずだ。

ダークエルフはいるし、黒髪の女の子が弟たちに揉みくちゃになってるし・・・・状況が整理できん。


「ど、どうなってんだ、こりぁ・・・・?」

「落ち着いてください危害は加えませんから。チェーニさんレイド様を呼んできてください」

「分かった」

「ちょ、ちょっと置いて行く気!?」

「子供たちが楽しそうにしてるからね」

「あたしは楽しく、痛!ちょっと痛いってば!!」

「・・・・・・・」

「夕食召し上がりますか?」


俺が考えているとネコ耳の女の子が話しかけてきた。

そうだ、二日何も食ってない。牢屋でほとんど寝ていたが、さすがに腹減った。

腹減って何も考えられない、お言葉に甘えるとしよう。

見たところ弟たちは人質にされていないようだし、俺を殺そうとするならこんなまどろこしくするはずがない。まあ、人質を取るほどの金も価値もないが。


「あ、ああ頼む」

「では、準備しますね」


ん?こいつはあの時の猫女か。森にいた時に俺を助けようとしてくれた。

ダメだ、どうなってんのかさっぱり分からねー。座って、少し状況を観察しよう。

今は殺される感じはしない。少なくとも弟たちも無理やり連れ込まれた感じもしない。さっきメシを食ったらしいから、その後、そこの見知らぬ女の子たちに遊んでもらっているのは現状だろう。


「なあ、なんでこんなとこに居るんだ?町に居るはずだったろ?」

「にいちゃんが大変だからっていう人が来たんだ。それで話を聞いているとねむくなって、気づいたらこの家にいたんだ」

「ふ~ん。連れてこられた割に随分と和んでいるようだが?」

「それはわからないけど。でも悪い人じゃないよ。さっきも僕たちにごはんを作ってくれたんだ。おいしかったよ」


強引ではないがさらってきてメシを与える?しかもロープで縛ることもしないなんて何考えてんだ・・・・・?

無一文の俺たちを助けることこいつらになんの得が・・・?


「お持たせしました」


目の前に料理が置かれた。

二日、正確には一日半ぶりの飯だ。

・・・・・・おお!うめぇ腹に染み渡る・・・。


「これあんたが作ったのか?」

「はい」

「じゃあ、今まで牢に運ばれてきた料理もあんたが」

「そうです。口に合いましたか?」

「ああ、美味かった」


へー。料理が上手いんだな。

実は結構飯は美味かったと思ってた。おかわりを要求すればもらえたし、牢に入れられた人間の施しにしては随分と豪華だったんだ。

こいつが何とかしていてくれたのか。


「さて。気が緩んだところで理由を聞かせましょうか」

「ん?誰だ・・・?」

「一週間ぶりですけど。ほら、あなたが起こしてくれた」

「・・・・・ああ。あん時のか」

「そうです。では、どうしてこんな状況になったのか説明しましょう。食べながらで結構です」

「お、おう」

「まず結論から言います。あなたには今後、弟さんたち含め村で生活していくことになりました。もっともここじゃない場所に引越し中なのですけど」


・・・・・・・は?


「衣食住は保証するみたいですが、何かしらの仕事には就いてもらうことになっています。ちなみに逃げようとしても無駄ですから、さっきのはワザと逃がしました。偶然に木箱とかあるはずないですしね」

「ちょ、ちょっと待て。なんでそんな脱獄した俺がなんでこの村で生活することになる!?」

「ではどうしてこうなったか、あなたが牢屋にいる間の空白の一週間を聞いてもらいましょうか。それを聞けば少しは納得すると思います。信じる信じないはあなた次第ですけど」


少年が話し出すといつの間にか弟たちが集まってきた。何か始まるんだと興味本位で目を輝かせている。


▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼


[レイクード視点]。

この猫たちは【妖猫ケットシー】といわれる種族。人の言葉を理解しつつも人の集まる村とか町に出ず、独自の生活を送っている。本来はネコで、人に近く化けられる力も持っているが、それでも大事な耳や尻尾を隠す力はない。人間との接触などを控えていた種族だからこうして帝国領でも生き残っていた。

まあ、何事もなくとは言えないだろう。

現にこうして厄介事を押し付ける目的を含め村に招かれている訳なんだから。

借りている部屋は基本的なツリーハウスよりは大きい。広葉樹林の大部分が枝分かれしているところに六角形の土台に家を建てた感じ。家々は吊り橋で繋がっている。

その家の一角に俺たちは泊めてもらった。

皆同じ部屋で女性と男性のへだたりは気枠きわくだけ。内装も悪くはない、綺麗に掃除されてる。最高のおもてなしで、い印象を与えて、無理難題を押し付ける気だな。「だがここは断る!」けどね。


「さて、朝飯前に長猫のところに行きますか」

「ご主人様。少しだけよろしいでしょうか?」

「ん?なに?」

「はい。下調べでわかっていますが、複数の案件を受けることになりそうです。その前にマオと言う妖猫ケットシーがどうも話を聞いて欲しいそうです。いかが致しますか?」

「まあ、話くらいなら。てか、何時いつ下調べを!?」

「ご主人様が起きる前に」

「ああそう・・・」


二つ、か。

今思えば、昨日はなんか妙な状況も絡んでいたな。

そうして、白い髪に猫耳と尻尾の女の子が入ってきた。膝を付いて両手を置いて、その上に頭を置いて丁寧なお辞儀をしてきた。


「失礼します。ライガが娘、マオと申します」

「ライガって?」

「この村の自警団の役割をなしている一団のおさです。昨晩無礼にもご主人様に相対した猫がそうです。白色で傷があった猫がそうです」

「そんなことも調べたんだ・・・。まあいいや。僕の名はレイド。で、話って?」

「はい・・・あの人を助けてください!お願いします」

「あの人・・・?」

「牢屋に入れられている人です」


ライガってこの村を守ってる部隊の隊長なんだろ?そんな微妙な立場にいる子がなんで?

助けること自体可能だけど。赤の他人を助ける理由はないんじゃないの?事の発端が仲間殺しでこんなことになったんだからどうして助けるなんて・・・?


「どうして助けるの?全く関係ない赤の他人でしょ?」

「あの人は他人なんかじゃありません。家族でした。それに、これは冤罪なんです」

「・・・冤罪?」


・・・・・・罪を着せたのか?なんも関係のない人間を。


「猫の魂は8回転生します。そして時々、転生前の記憶を持つ事が」

「その前に冤罪の件について話せ(←怒り混じり)」

「は、はい。すいません」

「ご主人様。お気持ちは解りますが、そこまで感情をむき出しになされては今後の為になりませんよ?」


あ。

そうだ。レンヤの言う通り落ち着かないと。まだ話を全部聞いてない。

今後はこういったムカつく状況が多くなる。本国に戻っても銃とか知れ渡ってて、それを取り込んでくる奴らが多い。そいつらとの駆け引きでのポーカーフェイスは重要だ。


「・・・ごめんごめん。だけど、この村の現状を理解したいから先にそっちを話してくんない?」

「はい。長猫から話をされますが、この村はアルト村といいます。目に見えない結界で守られていて、その結界にはどうしても人の生き血が必要なんです」

「死ぬまで・・・・?」

「はい。生き血を抜き取り、結界に注ぐんです」


だろうな。

マキビさんに世話になったて話だから、それを作ったのはマキビさんたちで、これも不完全だったんだろう。そうじゃなきゃ自分たちでも生贄を使ったりしないだろうし、成功していたら俺なんか必要なかったろう。

これを何とかするのが一つ目の頼みかな・・・・


「それで、さらう口実に免罪を着せた訳ね」

「はい・・・・。昔は本当に良心的な活動だったのです。こんな森の奥で魔物が襲う中、里の人を助けていて祭り上げられていました。当時も盗賊などから結界に生き血を注いでいました」


人を殺しておいて良心的と言うか・・・。


「小さな里ですから盗賊も多かったので、それを助けていました。ですが数ヶ月前から、人間ひとの言葉を話す魔物が村を襲うようになったのです」

「・・・続けて」

「その魔物はとても強くて、里の人間たちが居ても敵わないとおさが判断して、私たちだけで倒すことになったのです。でもかなわなくて・・・。追い返すのが精一杯でした」

「それって、何体くらい?」

「ええと・・・・四体でしょうか?」

「オレに聞くな。当事者だろ」


これが二つ目か。でもまあ、それは放っておいて問題ないだろう。トレント、リザードマン、カマキリ、カエル、この四体の事だろう。もう倒してる。

そんな強かったか?機体を使ったとは言え、そんな手こずる相手とも思えんが。

・・・・・・・で?助ける理由はなんだ?


「その件は理解した、放っておいて問題ない。・・・で?彼を助ける理由は?今村の現状を考えると反対されそうな事だよね」

「生前私はただの猫でした。猫の中には前世の記憶を受け継ぐことがありますが、私がそうでした。前世の子猫の時に雨の日で震えていた私を拾ってくれたのが彼らの家族です」

「・・・・・」

「親もいない子供たちだけで、貧しくてお金を払わずに店の物を持って逃げてくる生活。自分たちだけでも辛い生活なのに私を家族として育ててくれたんです。自分たちの都合で巻き込んだ事なのに私の命を助けてくれた人を見過ごすなんて、私はどうしてもできなかったから」


こいつは助けてやりたいな。

今まで胸クソ悪くなるような理由混じりで、この純粋に人を助けたいとゆう話が心地よく聞こえる。それに今後でも獣人と人間が和解するにはこういった相思相愛になるようなカップルも必要だよなやっぱ。


「こっちにもいろいろ理由はあるけど、ま、良いでしょう。助けたあとは二人で仲良く暮らしなよ。結婚できない訳じゃないでしょ?」

「い、いえ、あの、それは・・・・///」


顔を少し赤くしている。やっぱ少なからず彼への思いがあるじゃないの。

いいね~~。朝ごはん前にご馳走ちそうさんだ。


―――二日目【夜】―――

どうも、レイクードです。

今真っ暗な空を新型試作機で近くの山を空から見ています。空は曇りで月明かりにも頼れないのでレーダーと暗視ゴーグルでなんとか位置を把握している状態。

この機体はレーダーやセンサーを最近開発したやつを搭載している。青と白をイメージした機体で一番の特徴は機体の背中についている純オリハルコン製の青い翼。形状は鳥の翼を主体にイメージ。変形して折りたたむこともできる。

無論、ただカッコイイとゆう理由で作ったわけではありません。

この翼が飛行中に空中のマナを受けて吸収し、コア・コントロール・システムを介して動力核に補充、そして動力を得る仕組みであります。CCSを通すのは許容以上のエネルギーが機体に入り、爆散するのを抑えるため。

機体は魔力よりも機体の動力マナ切れが悩みの種でした。なのでそれを解決する為にこの機体を造った次第で。

武装などは後に披露することになるでしょう。

何しろもう一戦残ってたんだから。

まずケットシーと俺らの遭遇した「人語を話す魔物」を比較してみよう。


【リザードマン、トレント、カマキリ、カエル。(←俺ら遭遇)】

【リザードマン、クモ、カマキリ、カエル。(←猫の主張)】


そう、実は両方が勘違いしていた。

四体ではなく、実は全部で五体だったのだ。生息地的な縄張りを持っていた為一部が偏っていた。

俺らの遭遇したのはトレント。一方、ケットシーが遭遇したのはクモだった。

トレントは猫たちの捜索の範囲外で、人間たちの里以上の索敵はしていなかったので見つけられなかった。俺らが偶然に遭遇したようだ。

なので、もう一戦残っている。相手は蜘蛛クモ

普段は夜に行動して、村近くのこの山に生息している。俺たちがここに到着する前夜に深手を負わせたらしいので、その治療で出てこなくなったのだと言う。

しかし、なんでクモなんだ。他のゲテモノには耐性あるのに・・・。


「・・・・・ルドルフさんどうですか?」

『もうすぐに出るぞ。地中に向けて発射したレーダー波が地中のマナをうけて・・・・よし。大したシステムだ』


目的と説明の補足をしよう。

クモ討伐の前に俺たちはまず地図を作る事にした。

クモの名は「ゴライアスオオツチグモ」討伐ランクは【A】。

実物を見たわけではないが、でかい蜘蛛らしい。平均全長は足を入れて15~20ミーグ(メートル)、地面に穴掘って生活している。情報では今回の討伐目的のクモは魔術を無効化する術を持っているとか。なので、万全を期すため今回ターゲットの生息地だあろうこの山を調査する。

事前の探査で巣穴は山の大きな洞窟、その奥はかなり入り組んでいて迷路のようなので奇襲されやすい事がわかった。エイリアンとかのパニック映画でもこういった所で少数に分かれたところを襲われて全滅とゆうパターンなんだ。

だからこうして、地下を地図化するために必要な作業している。

チェーニたちも手伝って、機体から特殊な電波を山に当てて飛んでいる。


『出たぞ』

「了解。マリー、チェーニ、スキャニング終了したから戻ってきて」

『かしこまりました。』


構図は立体の三角測量。

それぞれ三角形の基準点となる点に機体を配置して、レーダー波を照射する。

その時に使う魔法陣ソフトがマナ測量システム。


【マナ測量システム】―――電波を当て物体のマナの蓄積量を測定、表示する機能。マナの蓄積量は少なければ緑に、多いほど色が濃くなり最大で紫色に表示される。レーダーとこのシステムを使えば目に見えなくても目標を識別することも可能。


マナは一定の電波に吸い寄せられる、そしてほとんどの電波を乱す。

山の地中にあるマナが照射したレーダー波を乱し、空洞の部分だとマナの影響が少ないので色も変わる。その部分を画面に映し出して道のように繋げて地図にするのだ。

立体にすれば3Dの正確な地図を作れる。

俺はその地図を作る為の情報が集積する小さな電波塔の近くに降り立つ。


「どんな感じ?」

「結構入り組んでいるぞ」

「どれ・・・?」


地図はルドルフさんの前にあるコンピューターで見れる。

昔のワープロみたいな本体に魔法陣のような円から映像が映し出される。紙に印刷もできる。

連立同調魔法陣「機体の情報を同調させるソフト」を使うことで機体の制御魔法陣と、この魔導コンピューターの術式と連動するようにする。そうすれば機体の情報を電波塔に送受信し、初歩的なネットワークができるようになる。

そして、情報を集約して採取したデータによると・・・・まあ、確かに少し入り組んではいる。

入口は3つで、そのうちの二つは最初の調査で見た大きな洞窟で入り組んだ迷路みたいなトンネルになっている。アリの巣のような感じでさらに縦穴横穴で立体的。そしてその最奥で山の中心辺りに大きな空洞がある。そこからまた一直線に伸びた細い洞窟がある。通気口かな。

大空洞の部分は下の方がボヤけている。

クモ自身の大量のマナか地下も深いし正確なデータが取れなかったのだろう。


「ふ~ん・・・・・」

「どうする?」

「今日の目的はデータ収集だけだからね。目標も出てこなさそうだから村に戻って長猫と話し合うよ」

「なら撤収するか」

「ええ」

フィィーー・・・ガシャンッ!!

「ただいま戻りました」

「よし、じゃあこの場所から撤収しようか」

「は!」「わかった」


調査の時間も含め、昼間からぶっ通しで使っていたからそろそろ限界に近い。一度休憩しないと動力のマナを使い切ってしまう。無理に戦う必要はないから、作戦立ててから挑戦しよう。

機体は魔力の代わりに、動かすのに必要なマナを送る動力核を使って動かしている。

だから使っていれば当然無くなってしまう。

動力魔石には常に自動的に回復する機能は備わっているが、戦闘するとなると回復量より使用量が多くなって最悪消えてしまう。一応5%未満で警告アラートは鳴るようになっているが、それを無視していると魔石は消失して完全に停止してしまう。

もし欠片かけら程度でも残っていれば時間が経って回復するし、使用量を抑えれば行動することもできる。だが完全に消えると、新しい動力コアを入れるか、何十年も魔石が復元するまで機体は完全停止したままになってしまう。

で、その弱点を克服したのがこの新型機。

オリハルコン製のウイングで通常より多くのマナを吸収できるので使用するより回復する量が多くなり、消えるリスクが少なくなる。

さらに翼に受けたマナを直接噴射すれば機動力にも圧縮すれば攻撃にもなる。

しかし、コストパフォーマンスをガン無視なのが唯一の難点。純正のオリハルコンなので、これ1機でマリーたちの機体3,4機分になってしまっている。

まあ、今はまだ街の鉱脈は続いているし、倉庫にもあるから今は大丈夫。

コストダウンも念頭に置いておかなきゃな。


「よし、お片づけ終了。村に帰るよ」

「ああ」「かしこまりました」


魔石に関してだが、高純度魔石の大量生産が可能になっている。

高純度な魔石は爆発するとどうなるかは理解しているだろう。危険なため一般での使用は禁止され、国が調査し管理している。普通は迷宮とかの動力に使用されていることもあり、そこから発掘している。深ければ深いほど強力なマナの純度が高い魔石が手に入る。当然深く潜れば魔物も警備のゴーレムも強くなり、深部に到達できる人間は限られる。中には自然に出てくるのもあるが、極めてまれなケース。

俺たちはそんな手間を無くし、人工的に高純度魔石の生成を可能にしたのだ。

大型ハドロン衝突型加速器の原理を利用して。

大型ハドロン衝突型加速器は荷電粒子を加速させ粒子を正面衝突させることによって、これまでにない高エネルギーでの素粒子反応を起こす物理実験装置。全周が約27キロメートルある巨大なもの。

荷電粒子は電荷を帯びた粒子のこと。この場合、電荷を帯びたマナの粒子を加速させ、超電導の円状の筒の中を光の速さで通り、その遠心力で圧縮されて魔石を形成させる装置だ。

内部を電荷を帯びたマナが加速させられ、遠心力で圧縮されて魔石に変化する。その魔石は円筒内を光速で回り、内部のマナと一定の力が加わり、長い時間魔石を圧縮するのと同じになる。

これで手間をすることなく高純度の魔石を自動で生成することができるのだ。

マナは水の分子と同じような感じで。例えば、水の粒子が結晶化して氷になる、これが魔石。それが溶けると氷の場合水になるが、魔石の場合はマナが再度空気中に見えないくらいに拡散する。

どうして、ただの錬金術では高純度の魔石が生成できないかと言うと、結晶化自体が不安定だからだ。

錬金術で生み出した魔石は、目に見えない物質だった大気のマナをただ圧縮して結晶化したもの。サラサラの砂を人の手で玉にしようとしてもすぐボロボロになるのと同じで、それでも力任せに圧縮して無理矢理結晶化したモノが錬成された魔石。人の手では安定した魔石を作るのは不可能だ。

だがこのハドロン型魔石生成装置を使えば、ほんの4時間程度で自然界や迷宮の深部にある魔石にも劣らない魔石が生成できる。レへスティールの生産プラント区画エリアではすでに4機稼働してる。


「ただいま~。やっぱ空だと速いねぇ~」

「それじゃあ私はミリーと地図を仕上げてこよう」

「たのm――ぐは!」

「レド!ちょっと助けて!」

「痛ったいな~もう。なに?どうしたの?そんなぐちゃぐちゃの頭で」


俺に抱きついてきたフレイア。

・・・・・?後ろの物陰に誰か隠れている。

この村の子供達だな。

ぐちゃぐちゃのフレイア、そしてその後ろの物欲しそうに見ている子供たち。

速攻で理解した。フレイアに遊んでもらっている子供たちが、まだ遊び足りないと目で訴えているんだ。

本人は嫌そうだけど。


「・・・二人共、疲れているだろうけど、フレイアを連れて子供達と遊んだあげて」

「は~い」

「かしこまりました(←ニヤリ)」

「た~す~け~て~よ~~~!!」(ズルズル~~)


がんばってね~。

夜なのに元気なこった。猫は夜行性か。

あれ?そう言えばレンヤは?普通ならすぐに来るはずなんだけど。


「おかえりなさいませ。ご主人様・・・・」

「ただいま?どうしたの元気ないけど・・・・?」

「いえ・・・ただ私はそんなに怖いのでしょうか?」

「は・・・?」

「子供達の世話をしてあげようとしたのですが、怖がってしまって」


ああ・・・・。

レンヤはクールデレだからな。普段必要な事と俺以外とははあんまり話すことはしないから、それにちょっと気迫オーラが強いのは感じる、多分それが子供にとって怖かったんだろうな。


「レンヤってさ、オレ以外には心を許そうとしていないんでしょ?」

「はい」

「それで自分じゃ気づかない内に威圧してるんじゃない?」

「え?」

「子供って、以外に敏感にいろんなことを感じるからさ、威嚇いかくしている人に近づかないのは本能だと思うんだ。現に単純な裏表うらおもて分かりやすいフレイアが大人気なんだと思うよ」

「はあ・・・」

「だから少しだけ心を開いてみるのはどうかな?」

「しかし、どうやって・・・・・」

「全部の心を許すわけじゃない。そうだね・・・要は威圧を抑える。考え方で小動物感覚のカワイイとか、少しは遊んだあげよう、などを考えてみればいいんじゃないかな。世話をしてあげようと心がけたんだからそれを表に出せば?」


赤ん坊の場合、特に抱っこする時は自分が気を付けないと落としてしまうなどの不安から、体が震えてそれを赤ん坊は不安に感じる。子供達もその意識していない部分を感じているんだと思う。

フレイアなんて、もみくちゃになりながらも子供達と打ち解けてるだから。単純な彼女は後ろめたいことが全くないからそれを子供も感じているんだろう。

フレイア自身本当にイヤなら変身して追い払えばいいんだから、それをしないのが根拠。


「こ、こうでしょうか(←作り笑顔)」

「・・・・ま、まあ、いきなりなんて無理なんだからゆっくり。敵にはバンバン威嚇すればいいでしょ?」

「はい。やってみます」


よろしい。なにはともあれ村も襲撃とか無さそうだ。

さて、長猫と今後の作戦の話をしなきゃ。

こんなに働いてんだから過労死しちゃうよね、まったく。

説明文が多いので読みにくいとは思いますが、よろしくお願いします。

中々自分の時間が取れなくて一ヶ月投稿になってしまいますので申し訳ないです。

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