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とある転生者の革命戦記  作者: スピンドル
第二章 少年期「海上編」
27/46

番外編「学園での生活Ⅴol.1」

魔術学園マクシェガヴォード。

第4世イディアール国王が設立した由緒ゆいしょある学園。

当初は軍の士官を育成する士官学校だったが、多種多様な魔術の発案により、それへの対策、近代戦術を学ぶための学園として発展した。現在、士官学校時代の体制を残しつつ、種族民族問わず貴族から平民出身の優秀な子供たちが集まる名門校となった。

その名門校にミーナ、シャーリア、ゼミルの三人が学園に入学して3か月の月日が流れた頃。彼女たちは、それぞれに部屋を与えられ、食事も豪華と言えそうな学食とある程度のお金も与えられる生活を送っていた。


「あ!シャーリアちゃんだ♡」

「今日も可愛い~な~」


寮から本校舎に繋がる廊下に立っていた男子学生たちがマジマジと見つめていた。それは本校舎に向かうに連れ増えて、一部は後を付ける様に追う生徒もいる。

まるで、パパラッチが自宅までしつこくつきまとう光景にそっくりだ。

そうして歩いていると、廊下に同じ制服だが、一部に金の装飾を備えた女の子が立っていた。

同じような制服を着ているが彼女は名門貴族のご令嬢だとゆう事はシャーリアは理解している。


「あらあら。今日も平民出が、良いご身分ですこと」

「(また突っかかってるぜ)」

「(飽きずによくやるよな~)」

「おはようございます。先生に呼ばれているので、このまま失礼いたします」

「ふん!まあ、礼儀はわきまえている様ね。いいわ、行きなさい」


学費が免除される特別枠に入るには筆記試験か戦闘技能の試験を受けるのだが、合格しても一定の順位をキープしなければならない。

その為、彼女は学園内でも学力、戦闘技能共に五本指に入る実力を示していた。

その成績とこの状況、そして自分たちとは生まれた環境が違う平民出の彼女を、あまり良く思っていない貴族の女子は多かった。

この学園には貴族の出が多い。

男子学生ならまだしも、彼女に対して友好的な人間はまだ少ない。だから、シャーリアは可能な限り衝突は避けるべく、このような自重した態度で学園生活をしている。

ミーナ達にもこれを徹底させていたが、彼女たちは他にも問題を抱えていた。


学園「屋内練習場」・・・・。

場所を移し、ここは学園内で魔術の使用が許されている場所である。練習を目的にした場所でもあったが他にも使い道があった。


「はぁ・・・・・・・・また決闘ですか」

「逃げずによく来たな」


高そうな服を着た少年は両手を腰にやり胸を張って言い放った。

一般では学園内は制服を着なければならないが、それなりの金を払えば好きな格好で居ても許されている。

この上流階級貴族の少年の横には、鎧に身を包み、背中に大きな盾と手にヘッドメイルを持った男が立っている。

この場所はたまに決闘を目的に使われる事がある。

学園にはおきて、風習に近いものだが、その一つに「文句があるのなら力で示す」つまり戦って勝ったら好きにしてよいというルールがある。

事は単純に負けた側が勝った側の指示に従うが、教師と理事から許可を得る事が原則。

そして実践経験を目的としているので、死闘は厳禁。武器は殺傷能力がないモノか素手、魔術は威力を抑えるなどの制約がある。

無理やり奴隷とすることも許されていない。


「親に腕利きのギルドに高い金で雇ったんだ。こいつが勝ったらシャーリアさんに婚儀を取り次いでもらうぞ」

「はぁ。自分で言えばいいのに」

「まあ、彼女が持っている武器についても、詳しく教えてもらうがな」

「そっちが目的なのでは?」


シャーリアが相手をした試験官は銃の存在を全く理解しておらず、たった一秒もしないで倒された。通常ならば、試験官が子供に負ける事は無い。だが、それを打ち破った。それに興味が湧かない者はいなかった。

実は試験会場に居た人間がうっかりこぼしてしまった愚痴を、偶然聞いてしまった学生が居て、学園中に言いふらしてしまったのだ。

それから広まるのは時間の問題。たちまち話題の中心になってしまった。

「圧倒的に試験官を倒した武器、そして魔術がある」と。

その力を欲しいと思うのは学生だけでなく他教師たちも注目した。

しかし彼女たちは、師であるレドの指示がなければ誰にも口外しないと、かたくなに拒んだ。それ以外にも国、軍関係の圧力もあり銃は徹底的に管理されている。

それでも妥協しない学生たちは少なからず居た。銃を狙って学園の教師と結託して訓練と称した決闘で手に入れようとしていた。銃を直接狙った事もある。

教師を買収して、在り処を探って手に入れようとしていたのである。

その時は隠し場所を割り出すことなく、事前に知れたおかげで未遂に終わった。だが、それからは銃は厳重に管理され、本人シャーリアか学園長しか使用できない様にした。

だから、一番の近道である決闘で手に入れようと考えたのだ。

しかし、銃の恐ろしさを目の当たりにし、理解した理事会は、無用な混乱と銃の情報漏えいを避ける意味で、シャーリアに対しての決闘は禁止していた。

その為、学生たちは趣向を変え、ミーナに決闘で勝利してなんとか手に入れようとしていたのだ。

魔術自体は一般に使用されるものと変わらなかった為、ミーナは日々飽きずに向かって来る貴族本人かそれが雇った傭兵、兵士、魔術師をかたっぱしに叩きのめす日々に追われていた。

今や100戦以上の戦いを無双し、今日だけでも7戦目である。


「では、これより決闘を始める。両者、前へ」


仲介役の教師に言われ、ミーナと男は前に出る。


「決闘はどちらかが、参った、と言わせるか気絶させた者が勝者である」

「依存は無い」

「同じくありません。でも勝ったら私たちには関わらないことが条件です」

「いいだろう。まあ、勝っても俺以外を雇うだろうがな」


何度も挑まれてはこっちが面倒になるのでそれなりの約束を交わした。

掟を破れば場合によって生徒は理事長権限で強制退学。教師は解雇処分になる決まりがある為、破った者は今まで一人もいない。

そして、男はヘッドメイルを着込むんで武器を出すと、決闘が始まった。


「はじめ!!」

「ファイアーボールっ!!」


ミーナは手をかざし、速攻でファイヤーボールを発動した。

火の玉は勢いよく発射されたが、鎧に当たるやチリとなり消えてしまった。

鎧は傷一つ付いていない。


「は、は、はぁー!そいつは徹底的に魔術防御の陣が施された鎧を着てるんだ!そんな非力な攻撃じゃびくともしないよ~。剣の腕も求めたからかなり金が掛かったが」

『それ以上喋るな!こっちの手の内を明かすつもりか!!』

「ふ、ふん!それより勝てよ。勝たなきゃ金は払わないからな!!」

「・・・・・・・あなたも大変ですねぇ」

『まあ、世知辛い世の中だからな・・・・・金が無い者の悩みさ』

「はぁ~」『はぁ~』


二人は戦いの最中人生の相談みたいな話になった。


「おい!!まじめにやれ!」


遠くで見ている少年が怒鳴る。両方は「お前が言える(か)?」と思った。


「そうですね。私も疲れてきましたし」

『どうするつもりだ?お前のお得意の魔術でもこの鎧は破れないぜ?』

「破るつもりはないけど?」

『なに?』


ミーナはレドから魔術の効かない敵に対しての戦い方を教えてもらっていた。

彼女はそれを思い出す・・・・・。


「ねえ、レド。もし魔術が効かない相手が来たらどうするの?」

「そうだねぇ・・・逃げるのが一番いい方法だけど、どうしても相手にしなきゃならないときはね、二つに重点を置く必要があるんだ」

「二つ?」

「そう。相手が人間かそれ以外の魔族や魔物が相手かの二つなんだ。魔族や魔物ならその時の状況と弱点の有無次第だけど、人間なら少し考えれば倒せるんだ」

「それって・・・・・?」

「それはね―――」


・・・・・レドに教えてもらったことを思い出し、ミーナは両手を重ねる様に構えた。

少し念じると周りに風が吹き始めた。

だが、ただの風ではない。


「炎の、風だと!?」


男の周りに赤い炎をまとった竜巻が現れ、場内は忽ち熱気に包まれた。

すると異変は直ぐに起きた。


「はあ、はあっ!・・・グ!・くはっ!・・うっ・・・い、息が・・・!」

「あなたのまわりの空気を炎で遮りました。いくら着込んでいてもその息苦しい鎧を着ていては、呼吸するのも辛い筈です」


相手が人間の場合、鎧か、盾を持っている事が多い。

盾の場合、手を潰すか、気付かれない様に少しずつ催眠魔術で混乱させ、盾以外の部分を攻撃するのが一番効果的。

鎧の場合は、どうしても身体に身に着けなくてはいけないから暑苦しいし、顔面も覆っているなら息苦しさも加算される。結論から言えば、炎と風の魔術を器用に使って空気を遮断させ、かつ脱水症状を起こさせるのがいい。

そうレドから教えられている。

狭い屋内の練習場は炎で酸素の消費量は屋外の比ではない、温度が上がっていくのが速く、予想より早く酸素が奪われる。


「お、俺、もう無理!」

「オレも」


戦いを見ていた仲介役からギャラリーまで根を上げ始めた。仕舞には外に飛び出す者もいる。

対戦相手の男は鎧を脱ぎ出すがもう遅い。

竜巻内の温度は40度以上、息を吸いたくても吸えない状況になっている。

そして、男は膝をついた。


「わ、わかった!・・・・・・・参った!こうさ・・・ん・・・」

「そぅ、そこまでぇ~~。た、担架、二人分ようい・・(ドサ!)・・」


数分粘った男は言葉を最後まで言い終える前に、重い鎧を「ズシャ!」と鈍い音を鳴らせ地面に倒れた。

ミーナは魔術を解除するとすぐに担架持って仲介役と挑戦者は運ばれる。こうなることは予想していたので外に医療班を待機させていた。

彼女は風の流れを器用に制御し自分は常温に保っていた為、ミーナはすました顔で、無言のままこの場を後にする。


「やっぱ、すげーな。詠唱無しの魔術」

「猫ちゃん、勉強の成績がいまいちらしいが、戦いは凄かったな」

「(師匠の教えてもらった通りになったよ。ゼミルはゼミルなりに頑張ってるし私たちも師匠のおかげでここにいられる・・・・・でも、どこにいるの・・・?)・・・・・あっ、そうだ行くところがあったんだ」


練習場から出たミーナは歩きながら、考えていた。

そして、目的があるようで真っ直ぐ校舎へ入っていった。


学園「図書館」・・・・。

学園内の図書館にはさまざまな知識が詰まっている場所。

吹き抜けの二階構造、大きな部屋の壁には大小さまざまな本が棚にびっしり詰まって、部屋の中心には読むためのテーブルとイスが備えられている。

多くの生徒たちが勉学から調べ物で静かに読んでいた。


「(またいるぜ。サイレント・シーカー)」

「(あいつは授業が終わると大体ここにいるって話だぜ)」


ゼミルに関しては、ここで本を読むか、ミーナとシャーリアのどっちかと一緒にいる事が多い。とくに他人と話をしようとしなかった。魔術の発動時も喋らないことから【物言サイレントわぬ術者シーカー】とあだ名が付いた。

今彼女の調べているのは得意の治癒魔術や催眠魔術とは別のものだった。

全て召喚術に関する資料だ。それを読んでいる彼女に近付く人がいる。


「まだ調べてたの?」


ミーナだった。


「まね。これで確認できたし上々ですかね~」

「そう。じゃあ早速試してみよ?」

「戦った後じゃない?だじょうぶ?」

「確実に成功するんでしょ?ただ見てるだけだし、大丈夫」

「そう、じゃあ行きましょうか~」


そうして、二人は第二練習場に向かった。

この学園は魔術の他に剣術などの授業も取り入れている事もあり、多用途に使われる広場は三つ存在する。

校内で一番大きな野外の運動場。試験会場にもなった屋根のついた体育館みたいな形の第一練習場。さっきまでミーナが戦った場所である。

そして、校舎の裏に木製の屋根は付いている建物が第二練習場。

一番小さな屋内運動場である。

ここも第一練習場と同様、魔術対策がしっかりしており、強力な魔術の練習がやりやすい。校舎の裏にある位置だとゆう事から、教師たち限らず生徒たちの自主トレなどにも利用されることが多い。

無論ここも、教師の許可なしでは入れない様に鍵がかかっている。


「で、カギは?」

「ここにありますよー」

「じゃあ、早速やりますか。ゴーレムを出すんでしょ?」

「ええ、この方式ならできる筈ですから。うまくいくはずですよぉ~」


彼女は一度、貴族が雇った人間と戦った事がある。

しかし、傭兵のあまりの剣幕に恐れを成し戦いの最中とうとう泣き出してしまった。←ウソ泣き。

これに気付いたのはシャーリアだけである。

それを知らない対戦相手は、バツが悪くなり、代わりにミーナが戦う事になった。

相手も代わりに戦うことを了承し、再戦を開始した。

だが、開始早々、傭兵はボロ負けした。ミーナはゼミルの嘘泣きに気づいておらず、泣かした相手に怒りを覚え、本気中の本気で手加減しなかったのだ。

始まった瞬間、通常の倍のスピードを上げ、獣人の瞬発力で相手の攻撃を完璧に避けながら近付いて、パンチを食らわせた。

人より強い力に加え、強化された拳が相手の懐に命中。強烈なパンチを食らった相手は壁にめり込みんだ。

鎧を着ていたおかげで、命に別状は無かったものの、あばら、腕の骨が折れる重傷を負った。

鎧もミーナの拳の跡がくっきり残っている。

勝利したが、ゼミルは苦い思いをした。

いつか、ウソ泣きが通用しない状況になった時、確実に負ける事は目に見えていた。

しかし、自身の体力は無いに等しいくらいしか無く、唯一の攻撃魔術も、対策を取られたら相手にとってそよ風が吹いたぐらいにしかならない。

そこでゼミルは、召喚魔術に目を付けた。

魔力には自信があったし、何より体力をあまり必要としなかったからだ。

今日はその練習二回目。


「大丈夫?操れなかったら、すぐに言ってね?危険になる前に壊しちゃうから」

「折角作ったんだから、できれば壊さないでほしいですねー」

「じゃあ気を付けなくちゃね」

「まあ、見ていてください」


そうして、手袋をはめて、その手を前に出して目を閉じた。

ゼミルの手袋から模様のような光が放ち、その目の前の床に二つの魔法陣が現れた。その二つの魔法陣からは今度は一体ずつ人型のゴーレムが現れる。

ゴーレムは石でできており、鎧を着た人のような形だった。

これは彼女自身で編み出した魔法陣を使用しないで召喚術を発動させる方法だ。普段なら魔法陣をあらかじめ描く必要があるが、これはゼミル自身で考えたやり方である。

レドは銃の整備に錬金術を使うが、錬成陣を必要としなかった。

実はシャーリアは最初から錬成陣が埋め込まれた手袋をもらっていた。その手袋があれば大抵のものは陣無しで錬成できる優れもの。その手袋を研究し、自分なりに使いやすくして作った手袋が、【召喚操主手袋ソーサリーグローブ】である。

これで場所を選ばず、いちいち召喚陣を描く手間も省ける召喚が可能になった。

そしてゼミルはバックから自前のロッドを出す。

そのロッドの魔石にも細かい模様が描かれている。


「いきますよー。はい」


それをゴーレムの前に出して構えると、模様が光だし、人型ゴーレムの目が光った。

そして、二体のゴーレムは歩き出しす。


「走ってー。そい」


二体のゴーレムは二人三脚しているみたいに、同じ動作で走り出した。


「すごい!すごいっ!ちゃんと動かせるじゃない」

「動きが同じじゃダメですねー。それぞれ違う動きをさせないと」

「ところで掛け声は必要なの?」

「いえ。特訓みたいな空気になるかなぁ~。と思って、言っただけですよ~」

「ああ・・・・そうなの(汗)」


そうして、本をめくり始め、真剣に考えている。

考えた初日から行動を開始した彼女は、必死で研究し自作でゴーレムを作り上げた。一回目の練習で、本を読みながらゴーレム呼び出したのだが、その時に気付いた。

一体だけの場合だと、不意に相手から攻撃を受けることがあると考えたのだ。回避もあまり得意としていなかった彼女にとってこれは致命的だった。

大型だと場所を選ぶ。

そこでゼミルは、避けなくすればいいんだと考え、そのために数を増やせばいい事を思いついた。ゴーレムを複数操る事は、制御をしっかり行えば理論上では可能だ。制御の魔力さえ途切れなければ暴れる事は無い。

そして二体目のゴーレムと制御装置を作り、図書館で資料を再度確認して、今に至る。


「そうゆう所を見せればいいのに」


真剣に本とにらめっこしている彼女は、他からはいつもと違って見えていた。


「別に自慢したいわけじゃないですからねー。それに、この手袋もししょーが考えた事を自分なりにやってみただけですから~」

「師匠に褒めてもらいたいんじゃない?」

「そですね~。でもししょーだって新しい物を作っているでしょうし、弱い者を蹴散らしても、進歩しませんから」

「・・・・・・それ、私の事?」

「ご想像にお任せしますよ~」


すると、校舎の時計塔の鐘が鳴る音が聞こえた。

二人は窓を見ると、日は傾きオレンジ色になる前の空が広がっている。


「あ!?は、早く戻して寮に早く戻らないと!」

「既に戻していたり~」

「いつの間に!?」

「世間話をしている間に。そろそろ時間だと思いまして~」

「だったら早く行ってよ~!!間に合わなくなったら寮長に何言われるか」

「そうしてる間にも時間が過ぎて行きますけど~?」


生徒は寮か自宅へ帰らなくてはならない決まりになっている。

破るとキツイペナルティーがある事を知っているから、二人は急いで帰る。

そんな二人を、覗く人影があった。


「すごいですねぇ・・・・・」

「ああ・・・・・詠唱無しと陣を必要としない魔術か・・・・・・猫娘も日頃から対戦している内に強くなっておる」


大人の男性二人だった。

影の正体はシャーリアたちの試験に立ち会った試験官四人の内の二人。

眼鏡をかけた神経質そうな男はマクシェガヴォード学園の教頭ジーニス・アークライト。剣術、兵法教師ロイル・ガルバトレーだった。


「しっかし、なんで俺までこんなことを・・・・・」


ロイルは不満そうに口に出す。


「彼女達を観察するのは理事会からの決定でしょう?貴方を呼んだのは生徒と結託した教師が自滅して病院送りになったから。他にいなかったんです、文句ならその教師に言ってください」

「情けない。無暗に喧嘩を売るからそうなるんだ」

「よく人の事言えますね。あなたも徹底的にやられたのに」

「やかましい」


ロイルは不満そうな口ぶりだが個人的に三人に関して気に掛けていた。

実は学園生活で上流階級の貴族に絡まれそうになったのを偶然見つけ、助けてやろうと思った事があった。

しかしゼミルが気付かれずに催眠魔術でそこにいるように幻覚を見せて難なく通り過ぎた。

貴族はそのまま嫌味を言いながらの状態で授業開始の鐘が鳴るまでずっと廊下を突っ立っていた。

当然その貴族は授業に遅れ、ペナルティーとして廊下に立たされた。

今回は問題なかったが次は大丈夫なのかと、以外に心配している一面がある。

前にゼミルが嘘泣きをした相手に病室に運ばれた時にロイルは凄い剣幕で相手を威嚇し「今後、アイツ等に関わるな!!」と念を押したらしい。


「それより。レイクードの情報はまだ分からないのか?」

「ええ。バルケット家に書状を直接渡したんですが、行方知れずのまま。裏も取れています」

「生きているかどうかも不明なまま、か・・・・・」


銃を使うシャーリア、攻撃中心の魔術を使うミーナ、催眠魔術を使うゼミル。この三人にこのような強力な武器や効率良い魔術を提供した人物を放ってことは出来なかった。

当然それを調べ、バルケットの家に直接訪問したが本人はここに来る途中に行方知れずになっていた。数十日に渡って屋敷を監視した結果からもそれは事実だと受け止めるしかなかった。

それから、理事会はその少年を探すためにギルドに依頼する事を決定する。

この少年は歴史に残る逸材であると考え、ありとあらゆる情報脈を使い探そうと考えた。

このような学園生活をしていた彼女たちはいろんな出来事が起こる。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

次回もよろしくお願いします。

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