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とある転生者の革命戦記  作者: スピンドル
第一章 幼年期「始まり編」
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第十五話「反攻作戦」

空は雲一つ無く、星がきらびやかに広がっている。波の一つ立たない静かな海に空を映してもう一つの夜空を作り出していた。

そんな幻想的な夜の海の中、船はゆっくり進んでいる。

その船の甲板に男が出てきた。


「ふあぁぁ・・・・暇だな・・・」


男は腰にランタンを携えガチャガチャと音を立て歩いていた。

空は大きな月明かりで船の甲板を明るく照らしていためランタンの火は点けていなかった。

男は大きく背伸びをし、眠気を我慢しながら見張りをしている。

すると男の目は半開きになり足元もおぼつかなくなって、我慢の限界か甲板の床に倒れた。


「・・・Zzz・・・ZZz・・・・・・」


男はピクリとも動かずに寝息を立てながら眠った。

その後、甲板にある船の中に繋がる場所から数人の人影が出た。


「すげぇな、催眠魔術もお手の物かよ」

「さあ次は船長室の制圧を――――」

「何をしている!!」

「「!?」」


甲板に出て来た全員が驚いた顔で声のした方向を見つめた。

見張りが倒れた音を聞き、別の見張りが確認しに来たのだ。


「全員起きろ!!奴隷どもが逃げ出してるぞぉーー!!」


二人目の見張りの男が「カン!カン!」と手持ちの鐘を鳴らして船内が一気に慌ただしくなった。


「簡単にはいきませんか。仕方ないですね」


そして獣人たちに指示を出した。


▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼


俺たちは甲板まで余裕で出ることができたが、俺が眠らせた男の倒れる音でバレてしまった。

仕方ない、プランBでいきますか。

プランAは、隠密に行動し、各要所を制圧することだった。

だが、船内の船員を起こしてしまったので、Aは失敗。

プランバトル、つまり戦って制圧する作戦だ。

できればプランAで成功させたかったが、しゃあない。


「自分の判断で敵を倒してください!!」

「「おぉぉー!!」」


皆、血気盛んですね。まあ、やる気があって結構ですが。

俺はペドロに後を任せて、相手の攻撃を自前の回避で避け船長室に向かった。


「待てオラァッ!」

「遅いな!」


なぜ、船長室に向かったのかはマジックバックを探すためだ。

金になるモノであるかどうかの判断は船長、つまり上の判断だ。もし、海に流されていなければ、バックはそこにある筈。

バックを回収すれば銃がある。

それを使えば魔力を使わないから戦えるはずだ。

助けられてすぐに手かせ足かせ、奴隷の陣消しを休憩しながらやって。少し寝てから全員を自由にしての、からめ手の準備でもう魔力がギリギリだ。


「とッ!と!」


此処だ、此処。危うく通り過ぎちまうとこだった。

ドアの上には、ご丁寧に船長室と書かれていたのでその部屋に入った。

部屋に入ると、まず目に入ったのが大きなガラスの窓。その前に高そうな椅子に机、棚までも装飾が施されている。部屋の真ん中には低い机とソファーがある。

このソファーでヤクザの密会とかやってそうだ。

幸い船長は不在だったのでラッキー。

さて、バックは何処だ?

・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・ちくしょー!何で無いんだよ。

バックがありそうな棚から机の下から椅子の下までくまなく探した。

床に置かれていた宝箱のような形の箱も見たが、単なる道具ケース。

ったく。簡単な場所に置いておけってんだよ。

もしかして真剣マジで海の底とか・・・・・?


『うおわっ!』

『きゃー!!』


甲板で悲鳴が聞こえて来た。状況が良くないようだ。

仕方ない戻るか。

後で倉庫も探してみよう。最悪、海の底とは、まだ決まった訳じゃない。

なんとか要領良く立ち回るしかないか。

俺は船長室を後にし、甲板に戻った。

・・・・・・・甲板に出る。


「がはっ!!」

「うおお!?」


びっくったー・・・!!

いきなり奴隷の一人が吹っ飛ばされて、俺の目の前に落ちてっきた。


「大丈夫ですか!?」

「う・・・くッ!」


苦しそうなうめき声を上げていた。

周りを見ると、そこは修羅場だった。

ボロシャツの服を着ているのが味方だが、傷を負った仲間を肩に担いで後ろに下がり気味になっている。まだギリギリ死人は出てい無さそうだが戦況は思わしくない。

当然だろうな。何せ船員は武器を持っている。

対してこちらは武器を持っていない。いくら獣人が人より優れているからって武器無しでは分が悪すぎる。

それより、彼を治療しなくちゃ。

彼に近寄り、ケガを確認する。

腹に一発食らっている痕がある。あばら骨が何本も折れているみたいだ。

まず骨を繋がないと。

前回の戦闘で錬金術で骨を繋げる事ができなくて苦戦した。

その時の反省で本を読んで理解している。


「応急処置だけど。かなり痛い、ぞッ、と!」

「ぐッ!がぁぁぁああーーー!」


痛みをこらえているが、マジで痛そう。

骨を繋いで、今度は治癒魔術で傷を治す。

後は、自然に治した方が良い、そうすればより強く筋肉が付くだろうし。


「レド。強敵だ!あんたが相手をしてくれ」


ペドロになかば強制に先導されそながら、俺は治療していた彼の傷を考えていた。

一発で獣人のあばら骨を折られていた。

獣人は身体能力が高いから骨も人間より強度がある。そんな骨を簡単に砕くなんて。

・・・・・嫌な予感しかしない。

そして、メインマストの根元がある船の大体真ん中に辺りの場所に連れてこられた。

俺が着くと、皆一斉に俺の後ろに隠れるようにして退いた。

あからさまに俺に倒してくれと言っているようなもんだな。

俺は相手を見る。

そこにはガッチガッチの鉄とミスリルで覆われた鎧を着込む身長2,3メートルはあろう大きな人が立っていた。

その後ろには船長だと思われる服装の人と船員が立っている。

そして、いかにも船長らしい服装の人が口を開いた。


「てめぇが、謀反むほんの原因か?ハッハッ!まだガキじゃねーか。おめぇのお蔭で航海士が殺られたんだ覚悟はできてんだろうな!」


え?航海士を殺しちゃったの?

これじゃあ場所が解らなくなってしまうじゃないのよぉ~。

でも海図とコンパスぐらい有ればなんとかなる、かな?

じゃなくて。いかにもこいつがさっきの獣人を倒した奴だな。

何も言って来ないけど見た目だけでも強そうな鎧だ。

顔面を完全に覆って、肩に角の様な突起物つけちゃって。いかにもやばい敵じゃん。


「レドー、頑張れー。そいつを倒せば多分、奴ら戦意を失うと思うぞー」


遠くから観戦しといて言う事かいっ!

いつの間にかさらに後ろに下がりやがってこのぉ!

全く!だがその通りなのかもしれないな。後ろの船員もこいつ任せのように後ろで見ているだけ・・・・・・・。

あ!?あいつ俺のバックを持ってやがる。

俺は船員の中にⓇが付いたバックを持った奴を見つけた。

もし落とした時に自分の物だと主張できなければ、見つかっても自分の手元に戻ってこないことがあると教えられたのでⓇを付けていた。

魔術で縫い付けたから簡単には外せないし、ローマ字で俺のイニシャルが書いてあるから俺のだと主張できる。最終的に俺が中身を出せばOKとなる。

海の底じゃなくて良かった。

だが、あれは説明しても返してくれなさそうだ。

仕方ない、無理矢理でも返してもらおうか。

ちいと作戦が違うが、俺は犬笛を吹いた瞬間、爆発音がして一瞬船が大きく傾いた。


「なッ!なんだ!?」


するとハーピィを引き連れたガーさんたちが現れた。

ガーさんは高い音も聞き取れるらしく、人間にも聞こえない犬笛で合図をした。

別の意味で彼らの不意を突かせる為の策だったが、結果オーライ。

合図が聞こえたら簡単に錬成した爆弾を爆発させ、外に出るよう指示してある。

起爆も紐を引っ張れば爆発するような簡単な作りになっているからガーさんでもできる。


「何!?こいつら!!」

「ガーさん作戦開始です!!」


ガーさんが頷き、ハーピィたちに指示を出して翼を大きく振り強い風を発生させた。

その風で船が大きく揺れた。

こうして船を揺らしつつ、風で船員を海に落とせば、手間がはぶける。

だが、いかつい鎧の奴は耐えていやがる。

ファイヤーボールで叩き落とすか。


「食らえ!・・・・・・・・あれ?」


何故か魔術が効かない。魔法防壁の魔法陣が鎧に仕込んでいるのか。

ええい。なら船員の数を減らすか。


「魔術の使える人は攻撃して!海に叩き落とすんだ!!」

「おう!」


船の揺れと攻撃に耐えきれず次々と物や船員たちが海に落ちていく。


「おい!やめろ!こいつがどうなっても良いのか!!」

「!?」


一人の男が小さな女の子を掴んで、片手にナイフを持ちながらマストに掴まっている。

俺のバックを持っている男だ。あの女の子も奴隷の一人なのだろう。

普通は奴隷なんて人質にならないが、それまで切羽詰っているのか。

だが、今の俺にとっては効果覿面だ。

クソやろうが。

興奮した奴は何をしでかすか分かったものではない。

上手くいかないな実戦は・・・・・・・・・・・・だったら、様子見して判断するか。


「ガーさん中止してください!!」

「くそぉ、卑怯な!!」

「ほう・・・・?」


ガーさんに中止を指示し、ハーピィたちは船への羽ばたきを止め、段々揺れは収まってきた。

揺れが大体収まると船長が口を開いた。


「こいつの兄か、それとも知り合いか?」

「・・・・・・・・・」

「まあいい、とにかくこっちに来い。来なかったら・・・・」


船長らしき男は首を横にクイッと軽く振り、人質を強調させた。

可愛そうに涙を沢山出して泣いているよ。

罠だとは理解していが、これは好機だ。

近づければなんとにでもなる。


「あんな子供一人ほっとけよ。あんたが死んじまったら俺たちは――――」


俺が歩き出すが、ペドロに止められた。

確かに女の子一人の命と奴隷全員の命を天秤にかけられているようなもんだからな。俺が死ねば指揮を失いバラバラになる。そうなれば終わりだ。

合理的に考えれば、ペドロが正しいのかもしれない。

だが、バックを取り戻すチャンスだと、俺は考えている。


「もし、自分が大事ならみんなを助けたりしませんよ」

「だが!!」

「(考えています)」


小さな声で答え、無言でゆっくり船長の元に向かった。

大きな鎧の男の横を通り過ぎた辺りで、鎧から違和感を感じた。

いや逆に“何も”感じないのだ。

敵である俺が横を通過したのに微動だにしない。顔面フルフェイスの鎧を着ているはずなのに息をしているような感じがしなかった。

魔術が効かない、鎧・・・・・まさか、こいつ・・・・・・。

一つの仮説を持ちつつ船長の目の前に立ち止まった。


「よく来たな」

「一つ質問しますけど。あれはゴーレムですか?」

「ほお、良く気付いたな」


やっぱり。

鎧とかに魔法陣を施し操っていれば簡単に操れる、ゴーレムを持っていたのか。だとすればこいつを召喚した召喚士もどこかに居るんだな。

魔法陣を壊さないと倒せないって聞いたことがあるし、鎧自体も固い。

だからみんな苦戦したんだ。


「さっきの策は中々だったぞ。自分の死かもしれない相手に落ち着いている。あれをゴーレムと判断できた洞察力から人の使い方まで、その年で異常なほどに。どうだ?俺たちの仲間にならねぇか?」


何だ?今度は仲前の勧誘かよ。オレを利用できると思っているのか?

あんだけ航海士を殺され怒ていた奴が。

所詮は航海士も手玉にすぎないとゆうことか。

俺が落ち着いてんのはゴブリン群やら犬の化けもんに比べて殺気が少ない感じがするからなんだけどな。それ以上の強敵と戦って慣れちまっただけなんだが。

と言っても、それ以上の存在が居るが(鍛錬時の爺様の顔)・・・・・。

そっちが怖えぇーー。


「今俺たちは、トンでもねぇお宝を積んでる。それを売りゃあ、大金を手に入れられる。お前に山分けしてもだ。それに俺のツテで高い地位を用意してやってもいいぜ?」

「へぇー・・・・・」


俺が感心したような声を出すと、後ろの奴隷たちは皆真っ青な顔をした。

金で簡単に裏切るんだと思われているようだ。

それを見ると船長はニヤリと口元を歪めた。

地位は別にどうでも良いけど、一体どれだけの額が手に入るんだ?


「それは、具体的にいくらですか?」

「そうだな・・・・・・・後ろの手下の山分けを考えりゃぁ、大金貨500枚分・・・・それ以上に値を上げる事もできるぜ?」


大金貨500枚以上×500,000ナルク以上か。

成程、いい条件ではあるな。一体どんなお宝を積んでいるのやら。

少し興味が湧く。


「確かに、この世を考えると、それ程もらえる方に就くのが得でしょうな」

「そうだろう。そうだろう」


前世のネトゲで課金三昧ニート時代の俺だったら直ぐにYESと答えていただろうけど、今は違う。

第一こいつらは自分の命しか大事にしなかっただろうし、何より信用は出来ない。

ころころ態度を変える奴だ。手下も平気で切り捨てそうな性格してそう。裏切って殺されることは簡単に想像できる。

金で仲間を買っても、いざと言う時、映画やアニメ的に絶対見捨てられるパターンだ。


「だけど、金で信頼は買えませんよ」

「はぁ?ガキが綺麗ごと抜かしてんじゃねぇぞ!」


その言葉で交渉は決裂したと理解したようだ。

俺はすかさず真上に手をかざし魔術を発動させた。


「【閃光弾フラッシュボム】!」


そう唱えると、手から光の玉が現れポシュと音を発し発射さた。

光の玉が上昇していき、帆の中心にまで上がった。

皆、それを見つめる中、俺だけは目をつむった。

閃光魔弾は殺傷能力を持たないが強烈な光を発する。

このランタンも炊かずに月明かり便りで暗闇で慣れてしまった目に、いきなり強い光を見れば。


バシュッ!


光の玉が破裂し強い光が太陽のようにすべてを照らした。

だが火種が帆に引火したちまち赤く燃え出してしまった。

こればっかりは誤算だった。


「ぎゃああぁ、目が、目がぁー」


大佐か!!

そんな心の中で突っ込みをして皆の目を一時的に無力化した瞬間、俺は人質を取っている男の目の前に走って、止まる。

風の魔術を利用してジャンプし―――。


「食らえ!カエル跳びアッパーーー!!」


男の手から女の子が離れ、床にぶつかるより先に落下地点に着地。お姫様抱っこでキャッチした。

男は、目つぶしと蹴りを食らってオロオロしている状態で俺はバックを取り返した。

そして、女の子を抱きかかえながらペドロたちの居る方に向かった。


「んのやろぉー、舐めんじゃねぇぞ!!」

「ありゃ、相手も魔術に自信があったのか。じゃなきゃこんな早く回復しない」


だが、もう一人厄介のがいる。あの、ゴーレムだ。

すると船長は手をかざし命令した。

かざした手には指輪がしてあるのが見えた。その指輪は命令したら光り出した。


「奴を殺せ!!」


恐らくあれが制御装置だ。

つうことは、あの船長が召喚したのか。

攻撃を指示された。今、後ろを見せたらまずいな、かと言って彼女を抱えての戦闘はムリ。

・・・・・・目は見えているようだな。

彼女は泣いて目をつむっていたため、無事だったのか。


「向こうのあの茶色いみみの獣人の所まで走るんだ!」

「・・・・・・・(ガクガク)」

「行けっ!!」


突き放すような口調で逃がした。

俺はバックからアサルトライフルを取り出した。

マガジンは装填したままだったから、直ぐに撃つことができる。

一度、弾を確認して、マガジンを戻す。

そして、チャージングハンドル、安全装置を解除して、船長の手の指輪に狙いを定め、撃った。


ダンッ!

「ぐあぁぁぁぁー!!」


指もろとも無くなり、床に落ちて海の中に沈んでいった。

勝った!

俺はそう確信した。

制御装置を破壊したのでゴーレムは使用不能。手下はゴーレムだよりの雑兵だから戦意はかなり堕ちた。奴隷たちはまだ大多数が戦えそうだ。数はこっちが上、後は制圧して終わりだ。

―――――――そう思った。


「!?」


え?何でだ!?

予想に反して、ゴーレムの拳が飛んできて床を破壊した。

すると今度は辺り構わず暴れ出した。

床を殴ったり、樽を投げつけたりと暴れまくる。近くにあった帆を根元から二、三発殴りマストをへし折った。

だが、引火した火が海水に浸かり火が消えたので、ある意味ラッキーだけど。

どうなってるんだ、こりゃ。


「フッハハハハ、どうやら、しくじった様だな。確かにこいつは俺が操っていた。だが、召喚した訳じゃねぇ、召喚師じゃなきゃ戻せねぇこたぁお前も知ってんだろ。こいつは用心棒として連れて来たのさ!」

「何だと!!」

「今のこいつは制御を失い暴走してんだ!!」


暴走!?

ゴーレムも魔物に分類されている。

元は遺跡や迷宮の守護として置かれたガーゴイルからアレンジして人間でも操れるようにしたのがゴーレム。造りも鎧、石像、木など様々な物を形にして魔法陣を施せば簡単に作れる。

だが、問題なのは制御装置を失ったら周りの物を破壊してしまう。だから魔物として分類され、名のある魔術師や免許が必要。このように暴走してしまえば、完全に破壊するしかない。

しかし見るからに硬くて剣では無理。魔術を使っても傷一つ付いていない。

だったら、これ(銃)を見舞ってやる。

フルオート射撃にして、ゴーレムに銃口を向け、絶句した。


「砕け散れぇぇー!!」


奴との距離は近過ぎるくらいだった。

連射したアサルトライフル全弾丸はゴーレムの大きな体を次々に虫食い穴の洋服状態にしていった。

そのすぐにマガジン内の弾が切れた。

盗賊と戦闘をしてそのままのマガジン、弾丸は少なかったのだ。

とは言え、まだ魔法陣を破壊出来ていないからか、まだ動く。

俺は素早く新しいマガジンを装填し、再度連射した。

連射している中、その火薬代わりの魔石が燃焼する音がうるさく、船にいる全員が耳を押さえていた。

二つ目のマガジンを撃ち尽くし、射撃を止めた。

銃口から白い煙が立つ中、その前の相手を見る。ゴーレムは穴が空いたチーズみたいに穴だらけになって倒れ、粉々に砕けて甲板に散らばった。

沈黙が船全体を支配している中、俺は船長や船員たちに銃口を向ける。弾は入っていないけど、脅しくらいにはなる。この世界じゃ銃なんて無いがどうなるかは想像できるはずだ。


「次に穴だらけになるのは誰ですか?」

「わッ分かった!俺が悪かった!だから命だけは助けてくれぇっ!!」


そして船の乗組員全員が腰を下ろし、頭を伏せた。

土下座だ。

この世界にも土下座があるんだな。ともあれ、これで終了だ。

もう俺の魔力は限界近い。

色々あってゆっくり休んでいないから今にもここで倒れそうだ。

だがここで倒れたら奴らに隙を作ってしまう。だから耐えなくてはならなかった。船長室にソファーがあったしそこで少し休むことにしよう。


「じゃあ少し休むから船長の事やら、後は任せますよ。あ、船の被害状況も確認しておいてね」

「お、おう。分かった。念のためドアの前に二人見張りを置いとくぞ」


オレは部屋に向かった。

安心が少し来ただけで、とてつもなく強い睡魔が襲った。

船長室に行く途中の廊下でフラフラになりながらやっと到着した。

俺は船長室に入り、ソファーに飛び込んだ。

前世のソファー程ではないが、木の床に寝るよりは遥かに快適だ。


「ふぅ、何とかなった・・・・」


一歩間違えば、命を落としていたかもしれない。

今回初めて人を使って作戦を立て相手をして、俺はまだまだ未熟であると改めて思った。

今更ながら、ここは異世界だ。

剣と魔法と錬金術、そして戦争をしている世界。

二度は死ねない。ここで死んだら、今度こそ天国か地獄だ。

それを絶対忘れちゃいけない。

この後、どうする?航海士は死んじまったし、帆も使えるかどうか判らない。

・・・・・・・ZZzz―――――。

長々と読んでいただきありがとうございました。

誤字、脱字の指摘を含め、次回もよろしくお願いします。

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