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とある転生者の革命戦記  作者: スピンドル
第一章 幼年期「始まり編」
14/46

第十三話「準備期間」

あれから4日、今この森の中はこの世界には相応しくなさそうな音が響いている。

森の薄暗い中で、横一列に並んだ使用人五人は木と鉄で出来た筒を木に取り付けた的に向けて乾いた音を出していた。


バン!バン!バン!

「撃ち方ぁ止めぇぇ!!」


爺様の声に従い、筒を持った5人の使用人たちは発砲を止めた。

ちなみに、この言い方は俺が教えた。

爺様が言うと自衛隊みたいだ。

使用人たちが持っている銃はМ1ガーランド。

19世紀末から第二次大戦終戦あたりまで多くの軍の主力装備だった銃だ。半自動小銃で、引き金を引けば自動で空薬莢を俳室するボルトアクションライフル。

なぜこの銃にしたかと言うと、爺様は距離が長い射撃と貫通力の高い、そして何より数を求めた。

この銃はミスリルをメインに使用し生産コストがあまりかからない。給弾不良ジャムを起こしやすいが、マガジンの構造を現代風に変えたのである程度抑えられた。

それに、この銃はМ7グレネードランチャーを発射することが出来る。

銃口に専用のグレネードを装着して投げるより遠くに飛ばすことが可能だ。

戦場のヴァ〇キュリアみたいな様な感じ。


「あのー爺様、どうでしょうか」

「ワシには完璧に見える」

「そうですか。では、ぼくは新しい“防具”の開発をするので、できれば誰も見ないでいただけませんか?」

「よかろう。ただし危険は犯すな!エレナを悲しませぬようにな!その傷で思い出すのだぞ」

「はい、わかりました」


サーベルウォルフからもらったキズ、やっぱり爺様が残すように言ったのか。レンヤの治癒なら完璧に消せるはずだしな。

さて、魔術を施した防具の開発を始めよう。

サーベルウォルフ戦で思い知ったのだが、相手がドラゴンなら空を飛んでいる。

トカゲの様に移動する地竜はいるが、ほとんどは空を飛んでいる。

武装ヘリみたいに攻撃してくるあっちが圧倒的に有利。だから自分も飛ぶことができれば戦いを有利にすることも可能だと思った訳だ。

そこで、魔術的処置を施した防具の開発をする。

しかし残念だが、モビル〇ーツやレ〇バーなどの人型起動兵器は維持費と生産コスト、それ以前に作り上げる技術が無い。機体の姿勢制御やFCS(射撃管制装置)などを統括するコンピュータを作らなきゃならない。そんな事、俺には無理だ。

原理は知ってても、パーツからすら造った事ない。

だから、鎧や防具みたいに着るタイプのパワードスーツを作ろうと思う。


「アイ〇スあたりを目指そうかな。あれぐらい大太刀回れば文句ない」


それくらい造れば多分、大丈夫だと思う。

でも、油断はしない様に、だ。その所為であいつを失っちまった。

・・・・・そう言えば、ハルーツの言ったことが気になるな。

とゆうか、頭に刻み込まれた様に、たまに思い出しちまう。

この世界を革命しろ?戦争を終わらせろっていう事か?例えそうだとしたら・・・・・・・。

いや今は考えておかない方がいい。

俺一人に何ができるって言うんだ。

面倒事はもう、ごめんだ。家族にも心配を掛けたくない。

とにかく俺はお前に救われた命だ無駄にはしない。

だから自分の精一杯生きて行くぜ。

領地を統治して、大切なみんなを守って、絶対に、ゆっくりと余生を過ごさせてもらう為に。


                ◇


・・・・・・魔防具開発を始めて一週間ぐらい過ぎた頃。

俺は森の奥の草原で浮遊魔防具の飛行実験している。

家である程度形にして、今日は空中浮遊する実験で、実際に魔防具を身にまとっている。

安全用のヘルメットを被り、足に風の魔石を埋め込んだ鎧を着けている。足の鎧は設計していたものより自分の背丈が変わるほどになってしまった。

子供の頃ふざけて履いたハイヒールと感じに似ている。

どうして、直接魔術を使わず魔石を使うようにしたのかは、魔力をあまり使わない為である。

魔石は魔術を直接使うより魔力を抑える事ができるのだ。

恐らく、マナを集めるのと、魔術の制御の二つに魔力を使うが、マナの塊である魔石を利用している。そこからマナを集める分の魔力を使わなくなったから、魔力の持ちが良くなったのだと思う。戦闘可能な時間が延びる。


「飛行実験開始だ!」


まず足の魔防具内部の無属性の魔石に魔力を送り外側の足の裏に付いている風属性の魔石を起動する。

二つの魔石をヒヒイロカネでつなぐことで出力を調整できるようになった。

一つでは簡単なモノを浮かしたが、出力が上げられず一定にしかならなかった。

そこで、ヒヒイロカネを使う事を思いついたのだ。

ヒヒイロカネで作られた魔石ロッドで魔術を増大させつつも魔力を抑える事ができる。そこを、ちょっと機転を利かせて魔石にすれば、魔力をさらに割減することができるのでは?と考えたのだ。

結果は良好、高密度でないと作動しなかったが、それは俺の力(能力)でなんとかなる。

さらに、アニメや漫画の知識を利用する予定だ。

制御のコアとかに繋げて魔力次第で出力調整をしていたのがあったのを思い出して、それを取り入れ作成しようと思う。

だが、まずは基本的な動きができるかどうかのテストをしなければ。

今は各部を繋げて統一はしていないが、まずは足回りだけでも試しにやってみないと。

これで、鎧に魔力を送るだけで空を飛ぶことができる筈。

出力制御も可能で、発動時は風の魔術を使う時と同じ要領。

・・・・・・・・・・・。


「よぉし・・・・・これで浮くことは出来そうだ・・・・・・・」


こうして魔石から地面に向かって強い風を発生させ、浮くことはできている。

一応、手の鎧にも足の鎧と同じ風の魔石があって、それを使い前に向かって飛ぶこともできると考えている。

だが、なんともぎこちない。

浮いているだけでも、姿勢を保つのが精一杯。見た目はア〇アンマンを作った最初の感じだ。

やっぱり姿勢制御用のコンピューターが必要になる訳だ。

でも、そんなの作るには・・・・勇気を出していってみるか。


「!?がはッ!!・・・うおおぉぉー、痛ってー!!」


顔面強打で、すっげぇ痛かった。トラウマレベルの痛さだ。

ヘルメットが無くちゃあぶなかった。

何の、「失敗は成功の母」だって言うんだ。一回じゃめげねえぞ・・・・。

・・・・・・。

・・・・・・・数時間後。

もう止めだ。

結局、何度も数回練習したが、その度に、地面とキスする羽目になった。

傷を何か所もつくってしまったが持ち前の治癒魔術で治した。

なら気分を変える為に、今度はどこまで高く跳べるかやってみるか。

魔力を送る量を強めて、どこまで高く飛べるのかテストしてみた。


「・・・・・・!!ヤッバっ!」


少し高いところで自分の魔力が急激に下がっていくのを感じた。

ゆっくり、魔力を弱めにして、着地っと。

・・・・・・・結論。こいつはダメだ。

MS(モビル〇ーツ)のド〇みたいに地面でホバーするぐらいがやっとだ。

高く飛ぶと、その分魔力が必要になって魔力を使い果たしてしまう。

バランスを取りながらだから戦闘も難しそうだし。魔力を小出しにしてもウサギみたいにピョンピョン跳ぶみたいな感じになるから狙いが定まらない。

効率が悪すぎる。

サーベルウォルフ戦の場合は一瞬で強い風を発生させて「ジャンプ」したから、あんなに高く跳べたが、結局は気絶してしまった。

もしかしたら、枝が当たらなくても気絶してたかもしれない。

だが、どうする?

戦闘するには空中で停滞するのは前提だ。維持するのに魔力をかなり消費する。いやそれより多く消費してしまうかも・・・・・。

ううん・・・・・・・・今日は魔力が限界だし、家で考える事にするか。

防具をバックに入れて、止めていた馬に乗り街に戻った。

・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・。

屋敷の裏には物置と馬小屋がある。

ほったらかしの物置はホコリを被っている状態だったが、爺様の許しを得て弾薬の保管庫として使うのでみんなで掃除した。

何かいい素材があるかもと思ったが、物置だったのでロクなモノがない。

一番よかったのが使い古した鎧に付いていた少量のオリハルコンぐらいか。

その物置の手前に馬小屋があるので、そこに戻す。


「お帰りなさい。レイクード坊っちゃん」

「ただいま」


この人は馬の世話役で屋敷内で唯一の戦闘が可能な使用人二人のうち一人ナードレさん。

馬の世話だけでなく爺様の稽古にも付き合っているタフガイさんだ。


「坊っちゃん。この前の銃ですか?あれは凄かったですねぇ。弓でもあんな距離は届きませんし、何より威力がけた違いでした」

「そうですか。気を付けて扱ってくださいね。では、馬を頼みます」

「かしこまりました」


褒めてもらうのはあんまり慣れないけど嬉しい。それでこそやる気も出てくるもんだ。

馬をナードレさんに預けて、自分の部屋に向かった。

途中「お帰りなさい」とかメイドたちに言われて返しながら部屋の椅子に座り考えた。

そもそも誰も空を飛ぶ技術なんて開発していない。

飛行船はあるけど、羽なんて生えていない人間一人が飛ぶなんて事が、簡単にできる訳無い。

早い話、空中に浮けばいいのだ。

飛ぶ・・・・・・空に・・浮く・・・・・・・あッ!そうだ!!重力自体を制御すればいいんじゃね?

重力魔術なんて、他の小説とかの話だが、実際無理な話では無い。

自分の体重に掛かる星の重力よりも、自身から、重力を相殺させれば空中に浮くはずだ。

重力に関しての解釈はいろいろある。

粒子が作用すると考える人、波の干渉で考える人とか。この場合「マナが人の意識一つでなんにでもなれる物質」だとすれば?

例えば、マナが半物質とか、ボソン、今まだ解明されていない重力子とかに化けるのではと考える。それによって重力に干渉し、より重い重力を発生させることも軽くする事だって可能かもしれない。なんたって魔術の世界だ。

試してみる価値はあるだろう。

だが、今日は無理なので形だけ考えて明日試そう。


                ◇


・・・・・ 翌日。

俺は昨日考えた重力魔術を試すことにした。

星が引っ張る力とは違う力を発生させれば良いんだ、頭の上にもう一つの重力場をつくってそれに引っ張られるような感じで考えれば浮けるかも。

マナに重さがあり、それが雨のように一緒に落ちると仮定する。そして、俺の周りだけ、その雨とは逆の方向に、落ちていくように考える。さらに、俺の身体の中のマナにも同様に逆方向に落ちる力が作用するように働きかけて、かなりゆっくり、力を強める。


ピョン!トン!

ピョン!・トン!

ピョン!・・トン!


ジャンプして、0Gを見つけ出す。

いきなり強めたらどうなるか考えたくもない、こんな感じにジャンプして少しずつ力を強めて試していこう。


・・・・・・・・・・・・数時間後。


自分の体重を0になるまで試した。

それを基準とし、チョンと飛び跳ねて、力を弱めて星の重力を利用して、その場に停滞する。

なんとか、浮くことができた。

これなら、後は風の魔術で上昇、下降、をすることで姿勢を制御や回避などが可能だ。

もう一度やっておくか、忘れないうちに。


「はぁぁ・・・・ふぅぅ・・・・・名付て!【グラビテーション】!」


深呼吸をして、集中して0Gに力を設定、唱える。

そして、弱目の風の魔術でゆっくり上がる。

落下することなくゆっくり上に上がっていく、そこで力をほんの少し強めて、上空に上がる。


「アーイ・キャーン・フラァーイ!!」


なんてな。空を飛ぶとつい言いたくなる。

何はともあれ、新しい重力を操る魔術【グラビテーション】の完成だ。

俺は雲近くまで浮いて、周りを見て見ると地表は緑の森が広がっていた。その先にはあの憎たらしい山道のある山脈が連なっている。その先には、また緑、横には青い水平線が広がっている。海だ。テルミナスも小さく見える。

生身の人間でこんな景色は見られないだろう。この景色は今俺の物に・・・って他の種族は普通に飛べる奴もいるんだっけか。

まあ、人間では初めてだし良しとしましょうかね。

そして力を弱めて自然の重力に任せて、ゆっくり地面に着地した。


「すッげぇ気持ち良かったぁ!」


俺は汚染も航空機も無いこの青い空を自由に飛べるんだ。

背中に風の魔術で押すようにすれば前にも進めるし最高だ。

こんな美しい世界で人間とサリサみたいな獣人が戦争をしてるんだよな。そんな残念な気持ちも少し思うところがある。

しかし今は新しい魔術の発案とこの綺麗な世界を見ることができて、嬉しい気持ちが俺を満たしていた。

・・・・・・・・待てよ?

この方法にしたことで逆に相手のマナの重力に干渉する事も可能になるのではないか?

試しにあの石にでも・・・・・・。


「おお、スゲぇ!浮いた」


自分にでは無く、相手に存在するマナを俺自身に掛けた魔術を使うと浮かせられた。他の人から見ればサイコキネシスをしているようにも見える。

攻撃は・・・・・・。

相手のマナを思いっきり中心に集まるような感じにして、一気に炸裂!


バコンッ!!

「おお、石が粉々」


だが、人でやったらグロ過ぎるのでこのワザは緊急用に。

よし、後はこいつ(重力浮遊)を魔石化すればいいんだ。

だけど、問題はそこなんだよな。

重力の魔法陣なんて存在しないからな、自分で考えなきゃいけない。

っと。いけない、鍛錬に遅れっちまう。

馬に乗って魔法陣を考えながら帰るか・・・・。

丸い円が外気のマナを集めて、術式「陣の周りにある文字」。これでマナを制御してそれぞれに行きわたらせる役割があるから---------。


▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼


ローガンの執務室にはローガン自身の他にレドの母親、エレナの姿があった。

彼女は手紙を読んでいた。しかし額にシワを寄せている。

読み終えると、手紙を机に置き口を開いた。


「どうします?お父様」

「・・・・・・・・レドには、言うな。絶対に“助け”に向かうぞ」

「けど、お父様-------」

「言うな!!ワシも心は同じだ!だがレドは優しすぎる、何より敵の戦力も分かっておらん。もう少し時期を待たねばならんだろう」

「村はどうするおつもりですか?」

「ラグオンが簡単にられるとは思っておらん!!それにレドが作った武器を所持している子も居る、無事であろう。お前達は直ちにレルムッドのローナンの屋敷に向かえ!」

「・・・・・・・分かりました」


そう言ってエレナは立ち上がり、部屋を出て行った。

一人残されたローガンは窓辺に立ち街並みを覗いていた。

空は晴れ晴れとして馬車道には馬車が行きかっていて、歩道には住民たちの奥さんらしき女性陣が雑談をしていた。

一言で、平和な街並みだが、ローガンの顔は曇っていた。


「すまんがレド。お前の成長を考えるとこうする他ないのだ。お前はまだ・・・人は殺せん!」


そして、窓を開けた。

その時、風が入り机にあった手紙が床に落ちる。

文頭にはこう書かれていた。


<ビエノー村に帝国兵が奇襲>


▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼


俺は4日間、少しの睡眠しながらで魔法陣を描き続けた結果、ついに完成した。


「あぁぁぁッ・・・ふぅぅっっっ~~~~んっ!!完成だ!」


背筋を伸ばしながら深呼吸をした。

この4日間ずっと部屋で、爺様の稽古や食事のとき以外の時間は全て部屋にこもって何度も魔法陣を描いた。失敗の魔法陣が描かれた紙が散乱して酷い事になっている。

俺は鏡を持って顔を確認する。


「やっべー。酷いクマだな」


睡眠時間が足らなかったのか目の下に真っ黒いクマができていた。

部屋やら身体やら、荒れ放題だ。

紙は後で捨てるとして、今はこの【重力魔石】の完成を喜ぼう。

俺の手の上には黒い石が宙に浮いている。大きさはテニスボールぐらい。

重力は黒色に変化するようだ。

ダークマター(暗黒物質)とかと、関係があるかもしれないな。

テレビでの知識程度だが。

まあ、それよりも、意外に時間が掛かったのが魔石に魔法陣を刻むの所だ。

普通のナイフやノミを使うと爆発するので無属性の魔石を尖がらせ、削るように魔法陣を刻むのが一般的なやり方。遺跡の壁画を描くために壁を削るみたいな感じに近い。

それでは普通に考えても時間が掛かりすぎる。

だから俺は時間短縮の為、魔石に魔法陣を描く専用の道具を作った。

名付て―――――――。


「テ~レッテレ~ン!【魔石加工ドリル】~~っ!」


見た目は歯科医が使うペンのように持つドリルだ。

要領も全く同じく、刃の代わりになる無属性の魔石を回転させて削り、描く。

構造は風の魔石を使い、その圧力で先端に付いている三角すいの無属性魔石を高速で回転し、削るのだ。

こいつのおかげで簡単に魔法陣を描くことに成功した。

これで、俺の計画は飛躍的に進むだろう。

後は魔石をより高密度にして、長時間の戦闘にも耐えられるようにしないとな。

二つの魔石を使うことで使用回数は増えたものの、長期戦を強いられたら大変。

魔石は消耗品。一定の回数を使うと消えてしまう。量産させるか、あるいは周りのマナを集めて使用するかのどっちかなのだがな。

錬金術でお手軽な魔石はできるけど、これは高密度でないと。

考えとしてはバッテリーみたいに交換できるようにするのが一番ベスト。

だが、もっと簡単に使えるように工夫しないと――――――――。


トントン「レド、ちょっといいかしら?」

「はい、開いてますよ」


ドアをノックしたのは母さんだ。


「あれ?この石・・・浮いていない?」

「はい。これは新たに作った重力魔石です」

「重力・・・魔石?」

「まあ簡単に言えば、宙に浮く石ですね」

「宙に浮く石?」


そう言って母さんは珍しそうに眺めた。

そりゃそうだ、宙に浮く石なんて夢物語だもんな。

これを作った俺は博士号ぐらい簡単に取れそうだ。

そういえば何か用事でもあるのかな?


「あのー、母さん何か用事でもあったのですか?」

「あ、そうだった。できるだけ早い時期に王都レルムッドに向かいたいの。準備をして頂戴」

「え?もう、ですか?確か15歳辺りから向かう予定だったのでは?」

「貴族になるのに必要なこともあるの。それに王都にある程度詳しくなくちゃいけないから」


そうなんだ。


「お父様の後を継ぐにはギルドで依頼を受けなければならないのだけど、その種類が沢山あって、中には王都に詳しくないと受けられないものがあるの」

「なるほど」


理に適っている。

領主だとそういう依頼が回ってもおかしくない。

内容は、住民からの依頼や討伐などさまざまなものがあるだろうが、ある程度依頼の信頼性も住民にとっては安心の材料になる訳だ。

もし俺が領主になったら、国王から直々の依頼があるだろうし。


「準備はどれぐらい必要?」

「えぇと・・・・・そうですね・・・・・・・3日ください。その間に弾の錬成法や準備を終えます」

「わかったわ。では4日にしましょう。もう酷い顔してるから」


ああ。


「一緒にお風呂入りましょうか」

「へ?」


おい、ちょっと。


「いくら親子だからって、それは―――――――」

「さあ、いきましょ♪」


そうして、ズルズルひ引きずられる。

いや、無心に今後を考えよう。

銃の設計図は預けてあるので自分たちで錬成できるから、後は弾丸を錬成出来る様にして・・・・・・。

あ、それとグレネードも作っておいた方が良いよな・・・・・。

考えるのも嫌になって来た。また徹夜コースだなこりゃ。

ハハ・・・笑うしかねぇ・・・・。


                ◇


М1ガーランド用の弾丸のレシピを書いて、更にグレネードも作った。

このグレネードはM1ガーランドの銃口にセットし発射するタイプで射程は350メートル程度。

ちなみに通常の手榴弾の投擲可能距離は30メートルぐらい。信管は着発信管になっている。威力は・・・・向こう(前世)では致死半径は10メートルだったがこいつはどうなんだろう。

爆破実験はしたが、威力やらそっちは試していないから解らないけど、まあ、確実に威力は十分だろう。

魔石を使っているから小さくてもかなりの爆発が起きるし。

発射用の空砲も風の魔石を使うことで完成させた。

これで何かあっても問題ナッシング。

数百の兵士と使用人が街を守る。

その兵士はグレネードも銃(M1ガーランド)の使い方も教えた。

爺様自身も強いから負ける要素は微塵も無い。

これで心配なく学園生活をエンジョイできるな。


「では、行って来ます」

「うむ!道中気を付けてな。あと着く前に休みを取ってから挨拶せよ?」

「・・・・・・・はい(汗)」


夜も寝ないで昼寝して、俺の目の下には真っ黒い程のクマができて酷い顔になっていた。

確かに人に会う顔ではないな、しっかり休んで元に戻すか。

メンバーは俺と母さん、護衛メイドに世話役のメイド・・・ッて俺以外女性かよ!?

まあいいや。

方向は南西。海側に向かうから今回は山道が無いので気が楽だ。

もっとも徹夜に加えて極度に魔力を消費したので町まで記憶がないけど。


ありがとうございました。

いろいろあって。不定期に更新することになってしまいました。

ご了承ください。

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