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とある転生者の革命戦記  作者: スピンドル
第一章 幼年期「始まり編」
13/46

第十二話「発覚」

・・・・・・んッ・・・・ここは?

・・・・見た事のある天井、壁そして窓、そこに置いてある、クローゼットやテーブル・・・ああ、俺の部屋か。

自分のベットに寝かされていた。

周りに椅子に座った母さんとレンヤ、セディがベットの近くに立っていた。


「レド、大丈夫?」

「母さん・・・・・大丈夫です」

「そう、良かった・・・・・」

「ご無事で何よりです。レイクード様~」


俺は寝ていたベットから体を起こした。

身体のあっちこっち少し痛みがあるが、重大なものはない。

レンヤが直してくれたんだ。

すると、母さんが顔色を変え、無言で手を振り上げた。

バシッ!、と頬に熱くて強い衝撃が走った。殴られたのだ。

まあ、当然だよな。家族にここまで心配させたんだ、怒られて当然だ。


「レド・・・・どうして、叩いたか判る?」

「――――――はい」

「どういう事になるか想像してた?」

「少しは・・・・・・・」

「じゃあ、なんであんな危険なことをしたの!!私も、お父様も、みんなとても心配したのよ・・・・・・・本当に」


優しく、そして力強く抱きしめた。

高ランクの敵を相手に、普通なら奴の腹ん中に収まっていたからな。

自分でも倒せたことに少し驚いている。しかも一人で・・・・・いや、一人じゃないか。

そんな強敵と相手をして心配しない親はいないだろう。


「ごめんなさい。・・・・・・・ごめんなさい」

「でも無事でよかったわ。そうだ、あなたが助けた人も無事よ。頑張ったわね」


ああ、ちくしょ。

目頭に熱いのがこみ上げてきやがった。

すると、ドアを叩いてサリサと爺様が入って来た。


「レドが目を覚ましたようだな」

「はい、お父様」


な!?何で銃を・・・・・・あッ!!落ちてそのままだった。

一気に涙が引っ込んじまった。

銃を出して、森に落ちて、そのまま気絶したんだ。

仕舞っている余裕が無かった。クソッ!知られちまった。


「レド、大丈夫か?」

「はい・・・・・・・少し痛みますが、大丈夫です」

「そうか・・・・」


心配してくれてるんだな。

いつもなら「レぇぇドぉぉッ!無ぅ事ぃかぁぁ!!」と、言いながら筋肉質たっぷりの腕で締め付けるんだろうけど、それより銃が気になるんだろうな。


「レド。これは、お前が作った物か?」


何て、話せばいいんだ?

転生したことは信じ無いし、良くなく思われそう。

もしかしたら俺の魂が上書きされて、この世界のレイクードが死んじまったなんて思っちまう。その考えがどうしてもたまにチラ付く。

下手な嘘も見抜かれそうだし、自分が作ったぐらい話せばいいか。


「・・・・・・・・・・・」

「サリサはお前のニオイしかしないと言っている。レドよ、これは一体何なのだ?」

「・・・・・・・それは、銃という武器です」

「武器!やはり、そうか。これで、サーベルウォルフを倒したのか?」

「はい」


信じられないと言う顔でザワザワとサリサやドアに隠れて様子を見ていたメイドや一緒に来た使用人が騒ぎ始めた。

一目見た感じでは武器には見えないだろうが、前世ではこれを見ただけでも怖がられる存在なんだがな。この世界ではこんなもので誰でも簡単にドラゴンや【A】ランク以上の魔物を倒せるなんて思わないんだろう。


「どう使うのだ?」

「すいませんが自分はこんな身体ですし、ここでは危険ですので明日でよろしいでしょうか」

「おお、そうか。そうだな、ゆっくり休め」

「お休みレド」

「お休みなさい。レイクード様」

「みんな、おやすみ」


皆ぞろぞろと部屋から出て行き、ゆっくりドアが閉まり、俺一人になった。

俺はランプに軽く息を吹きかけ、部屋を暗くした。

そして、自分のベットにうずくまる。

俺は後悔していた。

人の命が掛かっていたとは言え、ハルーツを失ってしまった。

アサルトライフルやペイロードを作っていたし魔術も使えるから、何があっても大丈夫と、慢心した挙句がこれだ・・・・・。

転生して約十年でこの世界の言葉や言語を簡単に理解できる。事実上居なくても問題なかったんだけど、理解者が一人くらい必要だな。


(意外と寂しくなりそうだぜ、ハルーツ)

「・・・・・・・・・・・・・・答える訳無いよな、あれ?」


オレの目から涙が流れていた。

すると、何か胸の中からこみ上げてきた。それも一気に。

やっぱり、信頼していた奴が居なくなると悲しくなるんだな。

一言余計なことを言うが・・・・。

俺は頭から毛布を被りその晩、俺は枕を濡らした。


▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼


――――――森の中――――――

一人の茶色いローブを羽織った男性がランプを持って立っていた。

木には、その男性のものと思われる馬がつながれている。

そして少し時間が経つと、男を乗せた馬二頭が向かって来る。

ランプを持った男に近付き馬にまたがりながら話し始めた。


「おい、どうだ?」

「ああ確認した。失敗だ」

「クソッ!」バシッ!


ランプを持った男が馬をつないである木を思いっきり殴った。

この男たちは、指定した時間帯に通る馬車をサーベルウォルフをけしかけ殺してほしいと頼まれていた。

巨額の報酬をちらつかせ、事前に前金ももらっている。

サーベルウォルフは何処からか捕獲され、この森に隠されていたことは事前に知らされていた。いつの間にか、かなりの数のウルフも集まっていて確実にやり遂げられると男は思っていた。

だが失敗に終わり男たちは口々に今後の事を話し合った。

金の事ではない。

その頼み事を失敗したときの〝処置″も三人は知っていたからだ。


「に、逃げようぜ。前金だけでも一か月はやっていけるんだしよ」


一人の男が提案した。

また再度、暗殺をしようかと考えていたが、無理だった。

狙う相手はテルミナスのローガンの屋敷に泊まっていることは知っている。

イディアールの将軍だった男で、一人で何百人もの敵兵を屠った男。家の使用人も戦闘経験者が多いと聞く。娘の夫が殺された事で戦闘できるメイドも雇っている事は街で誰でも知っている事。

とても、暗殺できる状況ではない。

時間も少ない、ここは逃げた方が良いと二人も納得したようだった。


「そうだな。よし!逃げよう」


ランプを持った男が馬のたずなを木から外し、馬に跨ろうとしたその時だった。突然逃げようと提案した男が馬から「ドサッ!」と落ちた。

男の背中には矢が刺っていた。

もう一方の馬に乗った男はすぐに誰かが狙っていると気づき、腰に携えた剣を抜き「誰だッ!」と叫んぶ。

しかし誰の返事も無く彼も次の矢の犠牲者となった。

自分も殺れると思い馬に乗ろうとしたが、馬は力無く倒れ、急所に一本の矢が刺さっていた。

男は「ひいッ!」と悲鳴を上げ、逃げよとした。

しかし、その男の行動を許さない者が居た。

男の落としたランプがそいつの姿を現した。

黒いローブを頭からすっぽり被って、体格、性別も分からないようにさせていた。手には馬や男たちを射抜いたであろう弓を持っている。

その姿はまるで、鎌ではない死を持つ、死神の様な不気味な奴だった。

そのあまりの不気味さに腰が抜け地面に倒れていた男は這ってでも逃げようとしていた。だが黒ローブが近付いて来て、逃げようとした男に持っていた矢で足ごと地面に突き立て動きを止めた。

刺さった男は「ぎゃああ!!」と声を上げた。

黒ローブが刺さった矢を掴みグイグイと左右に動かした。


「ぐあぁぁあぁああぁぁぁ!!やッ止めろぉぉ!!!」

「三つ待とう、指示した奴は誰だ?」

「・・・・・・一つ」

「しッ知らねぇ!本当だっ!!そこいらに居そうな、爺さんだったしよ!」   

「二つ」

「なあ、頼む!!俺にはお袋が!!」

「三つ」

「クッソがッ!!」


聞きたいこと以外の事に聞く耳持たなかった黒ローブに対して、男が隠していた短刀で切り裂こうとした。

しかし、「ボトッ!」と落ちる音がして、力無く男が地面に倒れた。

いつの間にか、黒ローブは剣を握っていて、剣には紅い血がしたたり落ちていた。

倒れた男はそれ以降、表情を変えることも喋ることも無かった。


「・・・・・・ローガンの孫か。今回はお手柄だったな」


黒ローブは剣の血をふき取り、さやに収め、死体だけでなく馬さえ火の魔術で焼いた。

そして、馬にまたがり暗い夜の森の中に消えて行った。


▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼


翌朝、一晩寝たら意外とスッキリ目が覚めた。

たっぷり涙を流したからだろうか。

俺はベットから起きて身なりを整えようと鏡の前に立つ。


「ん?顔にキズ?・・・・・・ああ、サーベルウォルフにやられたのか」


勲章かな。

足は・・・・・ここもか。裂かれる寸前だったしこのキズは消えないか。

さて、着替えて爺様の書斎に向かわないと。

銃の存在が知られてしまった以上、もう言い逃れできない。いつかばれるとは思っていたけど・・・・・仕方ないよな。

これが、表に出れば手に入れたいやつたは多いだろう。

それを手に入れようと敵味方関わらず、見方兵士から奪い鹵獲、研究され、こちらに向けられる。今度は領土統治にも手を打たなければならないから、先んじてより強力な兵器を作る。そして、それを敵兵が狙う。

堂々巡りだよな―――――。

よし、お着替え完了。書斎に向かうか。

・・・・・・・・・・。


「「おはようございます。レド様」」

「みんな、おはよう」


爺様の書斎に向かう途中の廊下でメイドたちに朝の挨拶をした。

そして、書斎のドアを「トントン」とノックをした。


「爺様。入ります」

「うむ」


俺は爺様の座っている机の前に立ち銃の説明をした。

以外に自分も熱が入って話してまって、時計を見ると時間が経っていた。


「やはり、自分で見ないとわからんな。実際に使用して見せてくれ」

「はい・・(トントン)・・・・・?」

「入れ」

「失礼します・・・・あ」


ん?昨日の女騎士。もう平気なんだ。


「昨日は助けていただき感謝します」

「いいえ、そちらも無事で何よりです」


毒による後遺症も無さそうだし、安心した。

彼女は俺の横に立ち、爺様に話しかけた。


「昨晩は急遽きゅうきょ泊めていただいただけでなく、怪我の治療から馬車の用意までして頂き感謝致します。私たちはこれにて失礼させて頂きます」

「うむ!気を付けてな」


一礼して部屋を出て行った。何か、そっけねーな。一晩泊めてやったのに。

・・・・・そういえば今更だけど、どちらさま?


「爺様、彼女は?」

「商人の娘の護衛らしい、なんでもその娘の親が急病で急いでるそうだ」


成程、それなら急いでも仕方ないか。


「では爺様、準備いたします。場所は昨日の草原でいいでしょうか?」

「うむ、屋敷の前に馬を用意させよう。できたら来い。じゅうはそこに在る」


俺は置いてあったペイロードを手に取り、準備をするため書斎を出た。

自分の部屋に戻り、銃の整備と点検を始めた。

昨日は銃でサーベルウォルフを殴ったからな。後ろで殴ったから問題は無い筈だけど、一応確認しておく。

・・・・・・・・・・・・・。

銃身内部は見た感じ問題ない。ついでに銃身内を専用の細長いタワシを使って掃除をして綺麗にする。そして、動作チェック・・・・ОK。

ペイロードの本格的な点検は時間が無いから帰ってからにしよう。

アサルトライフルとペイロードの掃除と動作確認だけして、家の玄関に向かった。玄関には爺様とエレナ母さん、護衛のサリサたちと3人の使用人が馬を準備していたのでそれに乗って出発した。

俺も一応、馬には乗れる。7歳辺りから教えてもらっていた。

今まで馬を使わなかったのは爺様にバレる可能性があったからだ。

ただでさえ、顔を見ただけで爺様の孫だと分かる人もいるんだ。だから今まで歩きでの移動だった。

向かう場所は、森の奥の草原。サーベルウォルフを倒したあの場所。


               ◇


草原に到着した。

サーベルウォルフの頭は無い。

爺様に聞いたが、魔物は死体は防具や武器になるのだ。モン〇ンみたいに回収されたらしい。

さて、使用人たちに的になる壺の準備を指示して、俺は発砲準備に取りかかった。

空は青く風も銃の軌道をずらすような強さには無い心地よいくらい。

デモンストレーションにはもってこいの状況だな。

マガジンはバックに入れていたのを取り出して、セット。

チャージングハンドルを引いて準備完了。

その数分後に準備を終えて、一人の使用人が手を振って合図をした。


「では、まずアサルトライフルを見せます。大きな音がしますので、耳を塞いだ方が良いと思います」

「ワシは必要ない!」


まあそうだろうな。

母さんたちが耳を塞ぐのを確認して、銃を構え射撃体勢に入った。

距離は約20メートル以上。扇状に壺を並べさせ、用意した使用人を退避させて狙いを定めて、いきなり連射した。

ひと繋ぎの連続した破裂音を放ち、その炸裂音とほぼ同時に、大小バラバラの破片となり壺が粉砕される。

全ての壺を撃ち終え、あっけにとられている使用人に構わず次の銃を披露する。


「次は、サーベルウォルフを仕留めた、対物ライフルを見せます。さっきより音が大きくなります」

「う・・うむ」


今度は耳を塞がなかった人も塞いだか。

やっぱりさっきの発砲音がかなりきつかったんだな、最初っから素直に耳を塞いでおけばいいのに。

マジックバックから、対物ライフルを取り出した。

二脚を立てて、うつ伏せになりスコープを覗く。


「この距離でも狙えるのか?」

「はい、可能です」

「なん・・・だと・・・・」


的は今撃った壺の遥か後方。錬金術で錬成したコンクリートブロック並みの厚さがある石の壁、その裏に土で錬成した人形だ。それに甲冑を着けて大盾を持たせた。大盾にも魔術障壁の魔法陣が刻んである。

こっちとの距離は約600メートル以上、この世界の武器なら石の壁はおろか大盾まで届かない。魔術でも鎧までの貫通は不可能に近い距離だ。

だが、こいつは違う。

俺は貫通力の高い徹甲弾を選んで身体強化の魔術を使用して狙いを定めた。

壁には後ろの人形が判るように簡単だが絵が書いてある。それを目印に胴体部分を狙い、引き金を引いた。


ドンッ!!「クッ!」


強化した身体に、肩から力いっぱいこん棒で殴られた様な衝撃が走った。

マズルブレーキのある銃口から、発射炎マズルフラッシュが発生し的の方から「ドカッ!」と鈍い音がした。

すると耳を塞ぎながら爺様が話しかけてきた。


「どうなった・・・・・・?」

「命中しました。見に行きましょう」

「うむ・・・・・」


爺様たちと俺は馬に乗り的に向かった。

・・・・・・・・・・・。

結果はこの通り、一目瞭然だった。

石の壁から盾と穴が空いており、人形は下半身と上半身が両断されている。後ろの、更に100メートル以上離れている大木に弾丸がめり込んでいた。

本来なら木も貫通していたのだろうが、魔術障壁もちょっとは影響を受けたのか。しかし、この大盾は使い物にならないだろう。


「・・・・・・・このじゅう、というのは、どこまで届くのだ?」

「このペイロードなら、2千ミーグあっても、これ位の壁は破壊できます」

「なにッ!!」


周りがザワめき出した。

この世界の長さはmではなくミーグになる。実際どれくらいかは知らないが1ミーグで1mだと考えていた方が無難だ。

2千ミーグで2kmだから、その距離の目標を倒せる事が信じられないんだろうな。言うだけならそれまでだが、実際に見せられては、信じるしかない。

だが、それでも信じられないという顔だな。そりゃ、そうだ。

・・・・・・で、全ての武器のデモンストレーションが終って、次に聞く事と言えば――――。


「これは、ワシらでも扱えるのか?」


そうだよなー、そこを聞くよなー。

戦争をしてるんだ、強力な兵器を求めるのは世界が違っても同じこと。


「銃自体、教えれば錬金術を扱っている者なら作れます。弾丸もコツを掴めば誰でも・・・・しかし、教えて良いのか判りません。銃はあまりに強すぎです。剣とは違い相手を殺した実感さえ無くなるものだから」

「「・・・・・・・・・・」」


みんな黙り込んでしまったか。

ホントの所は、ノーベルみたいな人生を送りたくないからだ。

実際それほどのモノをつくっちまった。

ダイナマイトを発明したのは鉱山の掘削作業を安全にかつ効率を上げる為。

その過程でニトログリセリンができたのだが、そのあまりの威力に兵器として、人を傷つける事に使用されることが多くなってしまった。

その傷ついた人の家族や友人が彼を〈死の商人〉として憎み、あまつさえニトロの使用で事故が起きた場合、全てノーベルの責任になるという法案まで可決される寸前だったらしい。

その為、彼が死ぬまで儲けた莫大な遺産を今後、人類のために最大たる貢献した人々に分配されるものとする、と遺言に残した。

これが今のノーベル賞の始まりだ。

俺はこんな人生俺はまっぴらごめんだけど、みんなは守りたい。

だが、いつまでも隠しておくことは不可能なことは理解していた。

だから俺は銃を完成させた頃から葛藤していたんだ。

銃のおかげでゴブリンやサーベルウォルフを倒せた。使い方次第ではこれ程頼もしいものは無い。だが誤った使い方をする奴だっている。

銃の技術を、「教えるか」「教えない」べきか、このたった二つの選択肢から答えを決められずに今まで悩み続けていた。


「ワシが戦っている理由はお前や家族、たみを守るためだ。だが、守ることは攻撃を行う者よりはるかに難しい。相手の攻撃を先読んで備えなければならんからな。お前は力がある。守る力を持ちながらただ見ているだけでは自分を苦しめるだけだ」


確かに。

力があるのにただ見ているだけでは後悔してしまうし俺の志にも傷がつく。使っている内に敵に知られるのも時間の問題だ。それを見越して備えておくのも必要か。


「そいつ(銃)はワシも恐ろしいと当然、感じた。だが、それでも街を守るためには必要な力なのだ。信用してくれても良いのではないか?」

「!!」

「お前は、どことなく人を信じきれてない気がするのだ。表面で相手の気を引く事はできても、自身が相手を信じる事ができなければ信頼とは言えんぞ」


まだ完全に人間不信は解けていなかったか。

いや、これは引きこもりの影響かな。

オタクの知識を全力で思い出してそれに集中し過ぎて、周りの事をそっちのけにしちまったフシがあった。


「わかりました。でも弾丸の生成は難しいので当分は自分がやります」

「よかろう」


こうして、この件は落ち着いた。


「は~い。この話はこれでおしまい。ここに来たのは他にもあるでしょ」

「うむ、そうだったな」

「?」


なんだ?今度はメイドたちが何やら椅子やらテーブルを出してそれを設置し始めたぞ?

母さんが一つの椅子に座ると、日に焼けない様に大きな日傘が差された。

メイドたちは水筒を出して、火にかけたポットに入れる。

今度は母さんがバックから料理を出してテーブルに並べる。

これって・・・・・。


「今まで家族でできなかったから丁度いいと思ってね。頑張っちゃった♪」


そういえば、ほとんど屋敷に居るばっかだったな。

ビエノー村には俺と爺様だけだったし、家族で出掛けたのは初めてかも。

俺は大体の趣旨を理解して椅子に座って、料理を口にした。


「どう?」

「おいしいです」

「よかった~♪」


結構な美味さじゃん。

良かった見た目はうまくても下手なパターンじゃなくて。

そうして、爺様も椅子に座って食べ始めた。


「うむ、確かに美味い。お前は昔っから初めてでもすぐ身にしていたな」

「ふふ、ありがとう、お父さま」


俺たちはこうして、雑談を交えながら母さんの手料理を堪能した。

そして数分後、ピクニック気分で紅茶を飲み終わる時だった。


「よし!では、始めようか!レド」

「え?」


始めるって、何を?猛烈に嫌な予感が。


「こんな場所でする事と言えば決まっておろう、特訓だ!!」


ですよねー、ちくしょおぉーー!!


「で、でも爺様、僕は怪我が完治していませんし、まだ昨日みたいな魔物がうろついているかも」

「心配ない。お前は頭打って気絶した以外、ほとんどケガなど負っておらん!魔物はワシが居る限り大丈夫じゃ!!」


どっからそんな自信が出てくる!?

頭以外って言ってるけど俺、足が切断しかけたんだが――――。

そして、つままれてズルズル引きずられる。


「心配するな。エレナやレンヤがおる。治癒魔術ですぐに回復できよう」


何処をどう安心せいっちゅうねん。

母さんに助け船を頼もうと、母さんに手を向ける。

だが、紅茶を片手に、にこやかに手を振るだけだった。


「そんな殺生な~~~~~~!!」


その時、丁度風が吹いて俺の声は遠くまで響いていった。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

次回もよろしくお願いします。

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