とある底辺作家
「おい! こっちで読者が読んでくれているぞ! PVが増えてる!!」
「何ぃ!? 俺の方はさっぱりだ! クソ! 俺もテンプレを導入すべきだったか!!」
「テンプレって言っても、何を導入するんだ?」
「なろうでテンプレって言ったら、チーレムに決まってるだろ。余計なプライド捨てて、ファンタジーで勝負したほうが実入りが多い」
「作者B……。お前はハードSFを捨てるっていうのか?」
「それは違うぞ、作者A。設定が重厚なSFだって、ヒロインを複数用意するのは昔からあるやり方だ。登場キャラが多くなると管理は大変だが、できない事じゃない。それを応用すればなんとかなる」
「でも……ハードSFの魅力は設定だろ? キャラ萌えで勝負なんて……。設定の割合が減るだろ……」
「それでもこのままじゃ読んでもらえない。まずは読んでもらわないといかん」
「分かったよ、作者B。また批評してやるからさ、書き終ったら持って来いよ」
「ああ、その時は頼む」
数日後
「出来たぞ!」
「おお、じゃあ批評だな」
「ああ、頼む」
……
…………
「駄目だ」
「なぜだ!?」
「ヒロインが増えたのはいいが、空気化してる」
「何ぃ!?」
「ちゃんとしたキャラになってない。ヒロインを増やすことに傾倒しすぎて、質が落ちてる。魅力を表現できなきゃ、ヒロインを増やしても意味が無い。結論、前のほうがマシ。下手な事するな」
「……芸風の幅を広げるってことで、もう少しこのまま頑張ってみるよ」
「ま、それなら仕方が無いか。ハードSF一本で最後まで頑張るってのも、確かに芸が無いし」
「ああ、魅力的なヒロインが書けるように頑張るよ」