表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

1話

此処は貴方が思うような世界じゃない。

何故ならば・・・『死んだ後の世界』なのだから。


「連。レーン・・・連!・・・。連花!!!!」

「!!!ふぁ!?え???なに!?」

私は自分を呼ばれた声で飛び起きた。正直、耳痛い・・・

「『なに?』じゃないぞ!今日から新学期だろ!!」

「え・・・?」

なにそれ

「学校のことすら忘れたのか。お前は」

「あ・・・・!そうか!!今日からトップクラス!!」

「そうそう。いいのか?もうご飯食べている余裕も無いぞ?」

「な!?飯抜き!?」

新学期早々それは酷い・・

「因みに言っておくけど俺のせいじゃないからな?連が起こしても起きないからいけないんだぞ?」

「あ・・・はい・・・」

「そうこうしているうちに時間は刻々と・・・」

「!!!うわあああ」

私は急いで着替えて学校に急いだ。


走りながらで悪いんだけど、私の紹介でもしておこうかな。

私は楪連花ゆずりれんか。髪の色は金髪でサイドポニーテイル。齢は16ぐらいかな・・・?この世界に来て5年経ってるけど不思議なことにこの世界は年はとらないみたいなの。うーん。簡単にいうと・・・この世界は死んだ後の世界で私たち、ここに住んでいる人は皆死んでいて、それでいて生きている・・・って感じかな。でも、怪我したら痛いし感情はあるんだ。死んでるのに不思議だよね・・。後のことはよく私にもわからないし死んだ前の記憶はないんだよね。だから下の世界と比較するのは無理かな。


「間に合った★」

ギリギリ滑り込んだ!

「連~あんたなにやってんのよ初日から」

「あ、和美ちゃん!何って・・・寝坊?(笑)」

「オイ」

「えへへ・・・」

「なにしてのよ・・・」と呆れた表情で私に話しかけてきたのは、私の親友、本堂和美ほんどうかずみ白く輝く水色の短髪が特徴。

「まぁまぁ、いいじゃないかしら~♪元気いっぱいみたいですし♪」

そういって近づいてきたのは、オレンジ色の綺麗な髪に花の髪飾りをしているお嬢様、竜音寺楓子りゅうおんじかえでこさん。『のほほーん』ってしているイメージなんだけど流血とか怖い話とか大好き・・ちょっと変わっている人かな?(汗)

「楓子さん!連を甘やかしちゃだめよ!」

「そうなの?」

「そうなんです!」

「ちょ!?だめ!!厳しいのは和美ちゃんだけでいい!!」

「それ、どういう意味よ」

ギロッと私を鋭い目で睨んだ。「あ、ごめん・・・!」とか言って誤魔化す私。怖い怖い。

「ほら、貴方たち。先生が『HRホームルームが始められない』って嘆いているから早く席に座りなさい」

「「「はーい」」」

私たちにそう注意した紫の短髪にカチューシャとアホ毛が特徴の彼女はこのクラスの委員長で、宇都宮春うつのみやはるっていうの。あ、他の特徴というと目のところに包帯を巻いているんだよね。死ぬ前に・・まぁ、生きているときに何かあったらしいんだけど本人は思い出せないんだって。

とりあえず、席に戻ってHRを聞いて一時間目は体育らしい。言い忘れてたんだけど私たちの学校には入学式とか始業式とかは存在しないんだ。すべてがいきなりだし、このクラスを一通り見ると年齢とか関係ないしね。なにかしらの騒動が起きたりするんじゃないかな?

「連!更衣室いくよ!」

「あ、うん!」

私と和美ちゃんは移動教室もともに行動しているから、お互いで知らないことは無い・・ハズ!

そして着替えて運動場へと走っていった。

「今日の体育は武器の練習を行おうと思う。」

武器・・・?

先生が不思議なことを言うから私も含めてドヨッとした空気になった。

「あの、先生。ちょっと質問いいかしら?」

その中で一人冷静にそう言った。

「なんだ?委員長、宇都宮。」

「私はCクラスからAクラスに変わったのですが、Cクラスでは武器はこの学校を卒業して天使士エンジェルマスターになってからとお聞きしているのですが?」

私もCクラスからAクラスになったけど、そんなの聞いてない・・!!

「・・・あんた何知らなかったみたいな顔してんのよ。まぁ、無理もないか。あんたが爆睡してた『天魔界基礎』の授業で先生に教えてもらったんだし」

ボソッと和美ちゃんが私に言った。まじか・・・!私、体育以外は寝てたからか!

「いい質問だな。宇都宮。知らない奴もいて当然。竜音寺、説明しろ」

「はい~♪」

そういって楓子さんにパスをした。あ、そうだった。楓子さんは続けてのAクラスだった。

「まぁ、簡単なことですわ。武器を本格的に使用するのは確かに天使士エンジェルマスターになってからです。でも、天使士エンジェルマスターになってから武器を覚えるなんて時間の無駄でしょう?ですから、Aクラスで予め練習をしておくのです。まぁ、知ってのとおり天使士エンジェルマスターになれるのは、ごく一部の人間・・」

「だから、ここで試験を受ける準備をしておく・・・という訳ね。」

「その通りですわっ♪流石は春さん♪理解が早くて助かりますわ!」

成る程。私はそんな理解出来ていないけど・・・とりあえず、これは実技。私の特異分野だ!

「武器は閻魔大王様から直々に受け取ったものだ。大切に扱ってくれ」

先生は深刻な顔をして言った。閻魔大王様というお方は、この世界で一番偉い人。いい人だってうわさだけど私は顔も見たことが無いからわからないんだ。天国に行くのか地獄に行くのかは、その人が決めているらしい。

「それじゃぁ配るぞ!」

先生の声で皆が静寂した。


それぞれ武器が配られて私の番・・・。

「連花。」

「・・・・はい?」

「お前の武器は何故か入っていない。」

「・・・・・・・ええ!?」

「あと、紅!お前もだ!」

「オレも!?」

私と同じで武器がないと言われたのは茶髪の青年、四月一日紅わたぬきくれない。関西弁のお調子者でカンフーとか空手とか合気道とかをやっているらしい。

「すまないな。」

「困りますよ!?」

「そやで!?武器無し武器配布って・・・オレとレンレンだけ酷過ぎや!!」

そう、紅は私のとこをレンレンと何故か呼ぶ。

・・・・って今はそんなこと言っている場合じゃない!!


「お困りのようですね」


突然、背後からそう聞こえた。

後ろを見ると黒髪の女の人が立っていた。その人は風に吹かれると耳飾りの鈴がチリーンと鳴った。

「誰!」

「おやおや皆さん?貰ったばかりの武器で僕と殺り合うおつもりで?」

静かにふふ・・と笑った。なんか怖い。この人・・なにか違うオーラがする・・危険だ!

「!!!!お前ら!!そのお方に武器を向けてはいかん!!」

「!?」

先生の声に皆は反応する。

「僕が誰かおわかりいただけたようですね。始めまして皆さん。僕は雲雀くもすずめ。閻魔大王様の部下の長をしています。今日はご報告があって来ただけですので、ご安心を♪」

それを聞いた私たちは深く敬礼をした。やばいやばい!!この人、敵ではなかった!!

「それで報告というのは?」

「連花殿と紅殿の武器の件ですよ」

「私の(オレの)!?」

私と紅は驚いて声を合わせて叫んだ。

「ええ、これはミス・・・といいたいところなんですが、そうではないんですよね」

雲雀さんは「うーん・・どう説明したらいいのかなぁ・・・」と小さく呟いて悩んでいた。

「とにかく、紅殿に関してはカンフーなどの経験があるそうですね」

「お、おう?」

紅は「なんで知っとるんや」と呟きながら返事をした。

「ですから、それを生かしていただければ他の者達と同等の戦力を持つことが出来ます」

「!!オレのカンフーが!?」

驚いて自分の手を見つめていた。紅のカンフーが戦力になるなんて・・・

「ええ、ですからあえて武器を渡しませんでした。お分かりいただけたでしょうか?」

「おう!オレ、いっちょ頑張ってみるで!」

「そして連花殿。」

「は、はい!」

私か・・・特になにも得意だぜっていうものないんだけど、なんなんだろう?

「すみません」

「ふぇ?」

いきなり頭を下げて私に謝罪をした。

「武器はその人自身の能力を生かして練成して創るものなのです。・・・が。連花殿は何度練成しても武器が出てこなかったのです。これは私たち閻魔界の住人も不思議に思っています。いままでこのようなことは無かったものですから・・・すみません」

いろいろ説明してくれているんだけど、わかったことは・・・

「・・・武器無し?」

「です・・」

まじか!?私どう戦っていくのだろう・・・?

「連花。簡単なことなんじゃないか?」

「あ、広っち!」

「・・・その呼び方は止めてくれ」

私の背後から現れたのは倉上広人くらじょうひろと。澄んだ青の髪に黄色の耳飾が特徴。

「で、簡単なことって?」

「ああ、つまりだな。この人が言っているとことを思い返してみると分かるけど、紅がカンフーを戦力として使うならば、連花もなにかあるんじゃないのか?」

「え・・・と。つまり私に得意な何かがあると?」

「そういうことだ」

意味が分からなくなってきた・・・。

「何、分からないって顔してんのよ。連」

「和美ちゃん!・・・どういうこと?」

ボソッと和美ちゃんに聞くと「とりあえず、あんたのお馬鹿な頭ということを考えて説明をすると、あんたには何かしらの『力』があるってことよ」って教えてくれた。

そんなことを言われても私にはなんなのか・・・


そんなことして今日は終わった・・・・

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ