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マジックワールド。魔法の世界へようこそ  作者: ケン
第7章 人間VS魔族
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第72話  ハデスの完全覚醒

今、シュウの眼前ではハデスとイーリが凄まじい速度で動きながら闘いを広げていた。

拳を撃ちつけあうたびに地面が抉れ、突風が吹き荒れていた。

(こ、これが初代の力…そしてハデスを封印した力)

「眠り過ぎて力落ちてんじゃないの!?」

「まあな。魔力の7割以上を貴様によって削がれている状況だ。

貴様一人でわしを倒すやもしれんな」

しかし、口の割にはハデスは余裕の表情をしながらイーリの攻撃を軽くいなしていた。

『グオォ!』

ザシュッ!

「二人の邪魔をするな」

後ろから魔獣がシュウに襲いかかるがシュウは刀で魔獣を真っ二つに切り裂いた。

「はあぁ!」

遂にイーリが氷の魔法を使用してハデスの両足を凍らした。

「むむ」

氷の槍(アイスランス)。うぇぁ!」

イーリは両足が凍って動けないハデスに向かって氷の槍を投げつけるがハデスの全身から

闇が放出され氷の槍と足の氷を喰いつくした。

「そう簡単には死なないわよね」

「これでも魔族の長なのでな。示しがつかんのだ。次はこちらが行こうか」

ハデスの全身から闇が炎の様に放出されると闇が手を生成して腕が何本も

背中にあるように見えた。

「少しでも喰らえば風穴が開くぞ」

ハデスが指をイーリに向けた瞬間全ての闇の腕がイーリに向かって放たれていく。

「母さん!」

「貴方は見ていなさい!」

イーリは刀を抜き目にもとまらぬ速さで動きながら

全ての闇の腕を凍らして砕いた。

「氷柱雨!」

イーリが刀を横なぎに振るうと空中にいくつもの氷柱が生成されハデスに向かって飛んでいった。

『グギャア!』

ハデスは近くにいた魔獣を掴んで飛んでくる氷柱の楯にして回避した。



「貴方正気なの?」

「何がだ?」

「貴方の配下でしょ?それなのにこんなにも簡単に」

イーリの質問にハデスは涼しい顔をしながら魔獣の屍を踏みつけた。

「こんなものいくらでも生み出せる」

「そう……貴方は悲しいわね」

「どうとでもいうが良い」

イーリは腰に携えていた刀を抜きハデスに向けた。

「その刀……」

「あら、覚えてるの?だったら威力も知ってるわよね!?」

イーリが刀を縦に振るうと氷が斬撃として地面

を凍りづけにしながらハデスに向かって放たれた。

「懐かしいものだな!」

ハデスはそう言いながら高く跳躍し氷の斬撃を避けると両手の掌に闇の球体を

生成しイーリに向かって投げつけるが彼女はそれを横に飛んでかわした。

地面に激突した球体は地面を抉り消滅した。

「もう、ちんたら時間をかける気はないわ。これで片をつける!」

イーリがそう言うと魔力が徐々に高まっていき地面を凍らせていた

氷が魔力による圧力で粉々に砕け散った。

「バースト!」

力強い宣言とともに辺りに冷気が放出され一気に彼女周辺の

気温が低下し吐く息が白くなって見えるほどにまで低下した。

「ちっ!」

ハデスは忌々しく思いながらも闇を集め巨大な球体を

作り彼女にぶつけようとした瞬間!

ザシュッ!

「くっ!」

ハデスの右腕に切り傷が出来るとともに切り口から徐々に氷結し始めた。

「久しぶりにするけど心地いいものね」

「この状況は少し不味いな」

ハデスの魔力は依然封印される寸前に7割以上もの量が削り取られどこか

別の入れ物に入れられており全力など遠かった。

「さあ、どんどん行くわよ!」




「……す、凄すぎる。全く動きが見えない」

シュウはイーリの戦闘能力の高さに驚嘆していた。

魔力が全力ではないとはいえあの魔族の長であるハデスを圧倒していた。

「こ、このまま行けば」

「シュウ!」

上から声が聞こえてきたかと思うと炎の翼を背中に生やしたゆえが

空からシュウの隣に降りてきた。

「っ!ゆえちゃん!来ちゃダメ!」

イーリが一瞬、ゆえの方に視線を向けた瞬間ハデスはすぐさま闇の穴を作り

そこに潜り込むとゆえとシュウの後ろに転移した。

「っ!この!」

「邪魔だ!」

バキィ!

「がっ!」

「シュウ!」

シュウがハデスに斬りかかろうとするがハデスの蹴りを喰らってゆえから

離れた所に蹴り飛ばされてしまった。

「アハハハハハ!ようやくだ!」

「うぐぅ!」

ハデスはゆえの首を掴んで持ち上げながら高らかに笑っていた。

「これで我は完全に復活する!」

「止めろ!ゆえを離せ!」

シュウが獣人化して高速で動きハデスに近づこうとするがそれを阻止せんと

大量の魔獣がシュウの道をふさいだ。

「ゆえ!ゆえ!」

「シュ、シュ――――――ガアアァァァァァ!」

「「っ!」」

ゆえが急に叫びだしたかと思うとハデスが腕を闇と化して彼女の

内に入れられている大量の魔力を引きずりだそうとしていた。

「ゆえ!ゆえぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

ゆえの体内から完全に魔力が引きずり出されるとゆえは気を失い

ただの入れ物だったものとなったゆえをハデスはそこら辺に放り捨てた。

「おぉぉ!これだ!」

宙に球体の形をした大量の魔力がフワフワと浮いていた。

「さあ、来い!」

ハデスがそう言うととに魔力がハデスに向かって放出され吸収され始めた。

「グウゥゥゥ!復活の時だぁぁぁぁぁ!」

「うわっ!」

ハデスの叫びとともに辺りの闇の波動がぶちまけられシュウとイーリを

軽く吹き飛ばし辺りに爆風を生みだした。




「痛たたたた。いったいな――な、なんだあれ!」

シュウが痛む体に鞭を打ってその身を起こすと5メートルくらい離れた所に

新の姿となったハデスが佇んでいた。

「ふ、復活してしまった」

シュウの隣でイーリは渋面を作り舌打ちをした。

「完全に復活したハデスは止められない」

『その通り』

2人の耳にエコーがかかったハデスの声が届いてきた。

『我が完全に復活を果たした今、敵はない』

「っ!シュウ!離」

ドウウゥゥン!

空気の震える音共に何かが撃ちだされイーリを吹き飛ばし

その軌道上にあったものは何もかもが粉々に砕かれ、中には兵士も巻き込まれたのか

血なまぐさい匂いが辺りに立ち込めていた。

「か、母さん!母さん!」

シュウは慌ててイーリが飛ばされたところへ行くと腹部を殴られたのか

大量の鮮血が溢れ出していた。

「母さん!」

シュウはイーリの体をゆすりながら必死に声をかけるが反応がなかった。

『後は貴様さえ殺せばこの世から氷は消える』

後ろからエコーのかかったハデスの声が聞こえてきた瞬間にシュウに

ハデスの拳が放たれた。











が、その拳がシュウに当たることはなかった。

「セ~フ。大丈夫?シュウ君☆」

「…あんた誰だ」

ハデスの拳を魔力を開放した本来の姿の超絶美少女で身長も胸も

大きくなった理事長がいた。


こんばんわ~如何でしたか?

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