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第65話  シュウ・ヴァルゴ×イーリ・ヴァルゴ

その翌日、理事長からランカー全員に向けての招集命令が下された。

集も急いで会議室に向かうともう他のランカーは集まっていた。

「よく来てくれた。さあ、座ってくれたまえ」

理事長に言われて集は開いていた座席…ゆえの隣に座った。

あれからゆえの部屋に何度も足を運ぶものの一向に部屋にいれてくれるどころか

目すら合わせてくれない。

「よし、全員集まったね」

「え?ですがラナは」

ライトの質問に全員がうなづいた。

本来ならいるはずのラナの姿がどこにも見えなかったのだ。

「ん、まあそこら辺も含めて今日の会談者に聞きたまえ」

「会談者とは?」

アークの質問に理事長は少し半笑いで言った。

「まあ、呼ぼうじゃないか。入ってください」

理事長がそう言うと同時に会議室のドアが開かれて青い髪色をした

男性が複数入ってきてその後に同じ髪色の女性が入ってきた。

「「「「「「はぁぁ!?」」」」」

その女性の顔を見たとき一同が驚いた。

何故なら



「紹介しよう。シー族のアクア・ラナ姫だ」

「ヤッホ~☆ブイブイ★」

部屋に入ってきたのは全員が知っているというか同じランカーのラナだった。

「ど、どういう意味ですか!?理事長!!ラナが姫って!」

「全員シー属は知っているね?」

シー族とは一生の大半を海で過ごすと言われている種族で

水中、地上のどちらの環境でも過ごすことができる。

しかしそれ以外は何ら人間と変わりない種族であり人間との

友好関係は意外と良好なものである。

というよりも人間とのハーフというシー族もいまどき珍しくはない。

「ラナ君は代々シー族を治めている御家の当主だ」

「そう言うことっちゃ~☆ごめんね☆今まで黙ってて。

滅多な事がない限り言うなって言われてるの」

全員衝撃の事実に開いた口がふさがらなかった。

「時間がないので会議に行こう」

「そうね~★」

ようやく会議が始まった。




「という訳でシー族の総意は満場一致の協力よ。

私たちも魔王ハデスを倒すために協力するわ」

「ありがたい。では、細かい内容を」

そこからはとても集達が立ち入れる内容ではなかった。

何やら機密やらなんやらをぺらぺらと話しており専門用語もあって

理解をするのが厳しかった。

「という訳で会議はお終いだ」

「みんなお疲れ様~☆」

「「「「は、はぁ~」」」」

全員そう言うしかなかった。

「失礼します!」

すると会議室に息を乱した兵士が入ってきた。

「何かあったの?」

「怪しいものが侵入してきました!」

「「「「「っ!!!!!!」」」」

会議室は一気に張りつめた空気になった。

「数は」

「一人です!しかし」

「なんだ?」

理事長の問いに兵士は息を整えながら答えていく。

「戦いにをしに来たわけではないと言い張り如月集を出せと言っています!」

「……分かりました」

「ちょ!集!?」

集は全員の制止も聞かずにその侵入者がいるという場所へ向かった。

他のメンバーも慌てて集の後を追っていった。



「やっと来たか」

「あ、あんたは!!」

そこにいたのはハデスの側近と思われる女性が立っていた。

しかし、不思議な事にこの女性を見ると集は何故か安心感というか

そういう類の感情を抱いていた。

「貴方の名前は」

「集だ」

「シュウ……分からない」

急に女性は集に近づいて顔をよく見た。

「貴方の名前を聞くと何故か安心感を覚える。まるで

久しぶりに我が子に会ったような感情だ」

「っ!」

集は女性が言った事に驚愕していた。

何故なら集も女性が抱いているであろう感情と同じ感情を

心の中に抱いているからである。

「大丈夫か!?集……あ、貴方は!!」

理事長が先に到着し侵入者の顔を見ると驚きに染めた。

「し、知ってるんですか理事長!!」

「あ、あぁ。イーリさん!!」

「イ、イーリ……私は、うぐぅ!!」

突然女性が頭を抱えて蹲った。

『とっとと返してもらうわよ私の体』

「だ、黙れ!!こ、この体はハデス様の物だ!!があぁぁ!!」

「な、何がどうなってんだ?」

集は目の前の光景にたじろいでいた。

いきなり女性が頭を抱えてうずくまり痛みに悲鳴をあげていたからだ。

「集君!ひと先ずイーリさんを抱きしめるのだ!!」

「え、えぇ!?で、でも!!」

「いいから!!」

「は、はいぃ!!」

集は理事長に怒られてダッシュで女性に近づくと優しく抱きしめた。

「があぁぁぁ!!!うぅぅ!!」

「イーリさん!!その子はシュウ君です!!」

「シュ、シュウ?」

「そうです!!」

女性が集という名を呟いた瞬間黒髪だったのが徐々に先の方から

白色に変わってきていた。

「ぐうぅうぅぅぅぅぅぅぅう!!!!」

女性がひときわ大きいうめき声をあげた瞬間完全に黒色だった髪色が

シュウとおなじ真っ白なものに変わった。

「はぁ、はぁ、はぁ」

「え、えっと大丈夫ですか?」

集が女性に声をかけると女性は顔をあげて集の顔を見た。

「シュ、シュウ?」

「え、あ、はい」

「シュウ!?本当にシュウなのね!?」

「は、はい」

女性の大きな声に若干集はたじろいでしまった。

「シュウ!!」

「うぅぉ!」

すると女性はいきなりシュウを抱きしめ始めた。

「シュウ!シュウ!シュウ!!!会いたかった!!ずっと会いたかった!!」

「は、はぁ!?」

ようやく辿り着いたほかのメンバーも何が起きているのか理解不能だった。



「シュウ君……その方の名はイーリ、イーリ・ヴァルゴ。

そして如月集君…その名は君の本当の名前ではない」

「え?」

「君の本当の名前は……シュウ・ヴァルゴ。イーリさんは君の母親だ」

「……はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

辺りに集の叫び声が聞こえてきた。

……何か読者の皆様からはぁ!?って言う声が聞こえてきそうだ。

いや、もしくは『そんなの分かってたわー!!!』っていう声も聞こえそう。

それでは。

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