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第6話  初めての模擬戦、

「ん~……やべえ! 寝過ぎた!」

集が目を覚ました時間は鍛錬の時間を大幅に過ぎていた。

何せ昨日は細かい魔法の作業を鍛錬をしていたら気付いたら日付が変わる寸前だった為、

慌てて帰って、寝たのは良いが結果はこれだ。

「やばい、やばい!ゆえに怒られる!」

集は慌てて階段を降り居間に入った。

「悪い! ゆえ! 寝坊した!」

普段ならここでゆえの怒鳴り声が響いてくるのだがいつまでたっても

ゆえの怒鳴り声は聞こえてこなかった。

疑問に感じた集は下げていた頭を上げると、そこには満面の笑みを浮かべたゆえが

優雅に何か、飲み物を飲んでいた。

「ん? 集か。まだ、6:30だぞ?学校に行くには早い時間だぞ?」

「へ?」

あまりにも違い過ぎるゆえの反応に集は思わず、頬を抓って夢か現実かを確認してみると

痛みがあったので確かにここは現実だった。

「い、いやだから鍛錬は」

「ああ、鍛錬か。あれは曜日毎にしようと思う。だから今日は休みだ。顔を洗ってこい」

「……あ、あぁ」

ゆえに言われて集は何か腑に落ちないことを感じながらも洗面所へと向かった。





「珍しいわね。ゆえちゃんが人を気遣うなんて」

「か、母さん! 人を鬼のように言わないでよ!」

「あらあら。そこまで反応するなんて、もしかして集君の事が」

「集! やはり鍛錬をするぞ!」

ゆえがそう叫ぶと洗面所の方から集の叫び声が聞こえてきた。

「はーー!? ちょ、ちょっと待て! 今さっき今日は休みだって!」

「前言撤回だ! 鍛錬は毎日してこその鍛錬だ!行くぞ! 決闘は明日なのだぞ!?」

ゆえは洗面所へと走って行きゆえの腕を掴んで玄関へと連れて行き、無理やり

学園の鍛錬場へと向かった。

「でも、本当に変わったわね~ゆえちゃん。

これも集君が来てくれたおかげかな?」

母は嬉しそうに顔を緩めた。





「で? 今日は何をするんだ?」

無理やり鍛錬場につれてこられた集は致し方ないとして何も言わずに彼女に従った。

「今日は私と模擬戦だ」

「了解」

ゆえが剣言うと集は拳をギュッと握りしめて構えた。

「準備は良いか?」

「ああ、いつでも」

辺りに一瞬静かな空気が流れるがその空気は何かが爆発するような音で砕かれた。

「せい!」

「うお!」

―――――ブゥゥン!

ゆえが物凄い速度で近づき、顔面を殴られかけたが何とか避け、距離を取った。

(何だ今の?何かが爆発したような音が一瞬

した後、ゆえが目の前にいて、そして殴られた)

集は彼女から距離をとりながらも、先ほどの一連の行動を考えていた。

なぜ、爆発音が辺りに響いたのか? なぜ、故がいきなり自分の目の前にいたのか。

「さあ、次行くぞ!」

(つまりあの音がしたら伏せればいい事!)

―――――バァァン!

そして爆発音があたりに響き渡り、ゆえが消えた。

「喰らうか!」

――――ボオォォォォ!

「なっ!?」

集が伏せた瞬間、何かが通り過ぎた感じがした後に遅れて、

放たれたと思われる炎に飲み込まれてしまった。





「たわけが。二度も同じ技を連続で使うと思うか?

使えば使うほど技は相手に慣れを与え避けられるものだ」

ゆえが言い終わった瞬間、炎の中から氷が見えた。

「危なかった」

氷が砕け、そこから無傷の集が出てきた。

「ギリギリで自らを凍らして炎のダメージを無くしたか」

「いや~ほんと危なかったよ。昨日までの俺だったら確実にやられてた」

「ほ~昨日の自分よりも強いと」

「ああ。それと余所見は禁物だ。ゆえ」

―――――パキィィィン!

上から何かが砕ける音が聞こえた瞬間、ゆえの真上から大量の巨大な氷柱が

落ちてきて彼女を押しつぶした。

「この前の俺は遠くの部分を、凍らす事は出来なかったけど、

今はある程度の距離なら遠くの物も凍らせるようになった」

―――――ボオォォォォォォォ!

集が説明を終えた瞬間、氷柱の山から炎が吹き出し一瞬にして

氷柱が水蒸気へと変えられた。

「そうか。それは喜ばしい事だ。だが、この程度で私は倒せんぞ」

水蒸気の中から刀に炎を纏わせたゆえが出てきた。

その体には傷は一切なく、着ている服すらも一切、濡れていなかった。

氷は水が凍って出来たもの。それを溶かせば、自ずと水は出てくるのだが

ゆえの服が濡れていないということは氷を炎で溶かし、出てきた水すら

一瞬にして蒸発させてしまうほどの炎だという表れだった。

水の蒸発温度は約百度。

つまり、彼女が使う炎は優に百度は超えているということになる。

「ああ、そう思ってるよ!」

集が腕を前に出すと冷気が放出されるが、ゆえは炎で壁を作って防いだ。

「こんなものなのか? お前の力は!?」

「んな訳ねえだろ!」

集はそこから、水の魔法を放っていくがそれをゆえは魔法も使わずに全て避けていった。




(おかしい。何故さっきから同じ攻撃ばかりしている)

先程から集は避けられているにも拘らず、水の魔法での攻撃を続けていた。

それにより鍛錬場は水浸しになっていた。

「同じ攻撃ばかりして勝てるとでも」

――――ドン!

集が放ってきた水の魔法を避けた瞬間、何かにぶつかり背中に鈍痛が響いた。

鍛錬場には柱などは立っていない……つまり、彼女が当たったものというのは。

「これは、氷?……まさか!?」

ゆえは慌てて周りを見渡すが既に周りは氷山の様な氷に囲まれ逃げ道が無かった。

「そうか……さっきから水の魔法を使っていたのは氷壁を作り出し、

私の行動範囲を限定するためか!」

「そうだ!」

「――――――ッ!?」

上から声が聞こえ、故はあわてて見上げるとそこには高く跳躍した集がいた。

その両手には巨大な氷の塊があり、止めを刺そうとしているのがハッキリとわかった。

「さあ、終わりだ!」

―――――ドオオォォォォォォ!

集は逃げ道のないゆえに向かって、巨大な氷の塊を投げた。

「残念だが終わるのは君だ」

「――――!?」

ゆえは地面に刀の切っ先で円を描くと炎が展開されていきそこから炎の柱が集にめがけて放たれた。

それにより全ての氷は溶かされ集は空中にいるので回避できずに直撃した。






「ハァ……ハァ……」

「私の勝ちだ、集」

集の首には刀が当てられており周りにはいつでも攻撃できるように火球が揺らめいていた。

「負けました」

集は降参の意を表すように両手を上げた。




それから息を整え、二人は鍛錬場を出てお互いの教室へと分かれた。

「やっほ~。ゆえ~」

「あぁ、おはよう。ライカ」

教室へと向かっているゆえに後ろから声を

かけられ振り向くとそこにはライカが立っていた。

ライカはゆえの隣にまで近づいてきて、ゆえに耳打ちを始めた。

「あんた、魔力を制限した状態で集と戦ってたの?」

「あぁ……そうしなければ私は集を……」

ゆえが暗い顔をすると、ライカは聞いてはいけないことを

つい聞いてしまったと気づきすぐさま話題を変えた。

「きょ、今日のテストの勉強した!? ゆえ!」

「……あぁ」

ライカはどうにかして雰囲気を明るくしようと必死に明るく振る舞いながら

ゆえと一緒に教室へと向かった。




「アハハハハハハハ! いやー! さすがは集君だ!」

理事長室では背丈の小さい女の子が椅子に腰かけて、腹を抱えて大笑いをしていた。

「笑いごとではありませんよ理事長!」

理事長の目の前には怒っているのかいつもの優しい雰囲気ではないフィーリが

理事長の机にバン! と書類を叩きつけた。

その書類には決闘許可書と書かれていた。

「如月君とワルロス君が戦うには早すぎます!」

そう、いまや学校中で噂になっている平民が貴族に

喧嘩を売ったということの延長上である決闘だった。

「良いじゃないか。彼はランカーである桜君に鍛えられているんだ。

ひとまず、ボロボロに負かされることはないさ」

「しかし」

さらに言おうとするフィーリの前にカップに入れられた飲み物が出された。

「これでも飲んで落ち着きたまえ」

フィーリは渋々、出された飲み物をイスに座って飲み始めた。

「まったく、今年は面白いね」

理事長は幼い子供のような笑みを浮かべた。

こんばんわ!!ケンです!!

如何でしたか!?

つくづく自分の文才の無さを感じさせられますね。

他の方の作品を見ている時は特に。

感想もお待ちしております!!

それでは。

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