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第64話 少女達の告白

「はぁ、はぁ……ここだよな」

集は今、ゆえ達が住んでいる実家や寮を当たっていた。

まず最初に訪れたのはライカの寮の部屋の前なのだが、先程から

全く出てきてくれない。

「ライカ、話があるんだ」

『今は会いたくない』

さっきから会いたくないの一点張りでまったく進展がなかった。

ならばということで集は




「窓からこんにちわだ」

「なぁ!?こ、ここ何階だと思ってるの!?」

集は窓から入ることにした。

「ライカ、話をしたい。良いかな?」

「……分かったわよ」

ライカはふてくされ気味にそう言うとベッドに座るように言った。

「「……」」

せっかく進展しても2人の間には会話はなくただ単に重苦しい空気が流れていた。

「……集は」

「え?」

そんな重苦しい雰囲気を潰したのはライカの方だった。

「集は死んじゃうの?」

「…ライカ」

ライカは目から大粒の涙を流しながら集に抱きついてきた。

いつもの明るい彼女ではなく暗い雰囲気をした彼女だった。

「理事長との話を聞いてたら集は生きてるだけで呪いが全身に回るんだよね?」

「……そうみたいだね。僕は氷の魔力が大部分だから」

実際に集の体の呪いは僅かではあるものの大きくなっていた。

「嫌だよ」

「え?」

「そんなの嫌だよ!!せっかく好きだと思える人が出来たのに!!!」

「ラ、ライカ……い、今のは」

「うん、私は集が好きなの!!!ずっと好きなの!!」

いきなりのライカの告白に集はただただ戸惑うばかりだった。

今まで友達だと思って接してきた女の子からの告白、戸惑うのが普通である。

「そ、その…えっと…今は答えられない……でも、僕は必ず生きて

君の告白に返事をするから」

「……本当?」

「うん、本当だよ」

「…待ってる」

ライカは集の唇に近い位置にキスをして笑顔になった。




「ま、まさか告白されるとは」

集は顔を真っ赤にしながら次の人物のもとを訪れていた。

「え、えっとルーラ?いる?」

ドアをノックしてそう呼びかけるも返事はなかった。

「ルーラ?いないの?」

もう一度呼びかけるが全く反応がないのでまた今度に回そうと考え

部屋の前から離れようとした瞬間

「おわぁ!」

いきなりドアが開き集は中に無理やり引き込まれ柔らかい物の上に

投げ飛ばされ腹部に重みを感じた。

「……集」

「その声はルーラだよね?」

部屋の中は真っ暗なので顔までは分からないが声でルーラだと判断ができた。

「えっと、なんで真っ暗なの?」

「…真っ暗だと落ち着くから」

「見えなくない?」

「……大丈夫、私は魔族だから暗闇の中でも普通に見える」

「そう……」

それから数分くらい、二人の間には先程の様に重い空気が流れた。

「ねえ、集」

「ん?なに」

「私ねその呪いについて調べたの。魔族はいっぱい呪いを持ってるから」

「……」

「でもね…解呪法が見つからなかった」

「ルーラ」

集の顔に水の様なものがいっぱい降り注いできた。

暗くて彼女の顔は見えないが声から判断して彼女は泣いているんだろう。

「嫌だよ……集が死んじゃうなんて」

「……僕は死なないよ」

「この呪いは絶対に死ぬんだよ!?そんな気休めの言葉

掛けられたって迷惑なの!!!!集は!!集は私に好きな人が

目の前で死んでいくのを見てろっていうの!?」

「ル、ルーラ」

再び告白され集は戸惑いを隠せなかった。

「……ルーラ。僕には生きなきゃいけない様になっちゃったよ」

「何よ」

「僕は生きて君の告白に返事をしないといけない」

集は起き上がって小さなルーラの体を抱きしめた。

割れ物を扱うかのように壊れないように優しく抱きしめた。

「……私はそんな頑張ってるあなたの事が好きです。

私はあなたの呪いを解呪法を探します。私の命に誓って

解呪法を見つけます」

「うん、お願いします」

ルーラは集の頬にキスを一つ落とした。



「もう僕、幸せ死しちゃいそう」

集は一回目よりもさらに顔を赤くさせて寮を歩いていると奥から

青色の髪色をした少女が歩いてきた。

「あ、ラナ」

「は~い♪集」

ラナだけは戦争が起こると発表された日からこんな感じのテンションだった。

悪く言えば緊張感がない、良く言えば落ち着いているといった感じである。

「ふふ、その様子だと皆に告白された?」

「なぁ!?」

「ふふ、やっぱりそうなんだ」

「……うん、まあ」

「集…出会いを大切にしなさい」

「へ?」

いきなり言われた事に集はもう一度聞き返そうとするがもうそこにはラナはいなかった。

後に残っていたのは一つの水たまりだけ。

「………君は一体何なの?ラナ」


如何でしたか?そろそろ更新も辞めないといけない時期になってきました。

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