第58話 植物は私の子供
「貴様の敗因はただ一つ。この私が相手だった事だ」
ゆえの足もとにはアルロイの核である球体の様なものが
転がっており辺りにはマグマが散っており既に再生は出来なかった。
「く、くそぉ!!!絶対に殺してやる!!貴様なんか
ハデス様にやられるんぼがぁ!!」
「うるさいボールだな」
ゆえは鬱陶しそうに見ながら刀をアルロイの核に
突き刺し完全に止めを刺した。
「待っていろ集」
ゆえは先を急いだ。
「おらおらおら!!」
その頃、リアスと闘っていたフォレスは
防戦一方の状態だった。
先程から大量に種子を撃ちこまれており近づけず、
飛んでくる物を弾き落とすので精一杯だった。
「どうしたのかしら!?さっきまでの威勢はどうしたの!?」
「……うるさい」
フォレスは鞭で地面を叩き巨大な食人植物を
呼び出すとリアスに向けて触手を放つようにした。
「邪魔邪魔!!」
リアスは植物のツタの様な剣で触手を
斬り落とすと地面に先端をさし巨大な
ラフレシアの様な物を出現させた。
「……あれは…うぅ!」
するといきなりフォレスを足のしびれが襲い
膝をついてしまった。急いで手で口元を押さえるが遅かった。
「ははは!!遅い遅い!!!この植物が召喚された瞬間!
この辺り一帯には猛毒の燐分が撒かれてるのよ!!
これを吸った者は体に痺れが出てきてみんな死んじゃうのよ!!」
「は、は、は」
フォレスは苦しそうに息をしていた。
「ははははは!!殺してあげる、あひゃひゃひゃひゃ!!!」
リアスが奇声を上げると地面から大量の触手が
出てきてリアスを包み込むと巨大な植物の巨人が出来上がった。
『あはははは!!!これが私本来の姿よ!!!さっきまでの
姿は強すぎるこの力を抑える為に敢えてあの姿に退化していたのよ!』
リアスは触手でフォレスは縛り宙に浮かせた。
「はぐぅ!」
『無駄無駄!!さっきの燐分でそろそろ全身に
毒がまわっている頃!!あんたに勝ち目はない!!』
「バ、バースト」
フォレスがそう呟くと魔力が大幅に上がったが
特に変化は見られなかった。
『きゃはははははは!!!これがあんたのバースト!?
何も起こらないじゃない!!!あんたが一番の雑魚みたいね!!
死になさい!!!!!!!!!』
リアスは触手を一点に集中させて先端をとがらせると
動けないフォレスに向かって放った。
『な、何!?』
しかし、フォレスを今にも貫こうとしている位置で
触手の集合体が止まってしまった。
『な、何故だ!!なぜ動かない!!!』
「ふ、ふふふ」
『あんた何をした!!』
「私のバーストは皆とは違って少し特殊なの。
私のバーストは私の周りに存在している全て私の
支配下に置くことが出来るもの。それで貴方のも支配したの。
分かる?さ、下がって、植物さん」
すると一点にまとめられていた触手が徐々に
その形を崩し地面に落ちていった。
『そ、そんな事があるか!!』
「止まって、愛しい植物たち」
リアスは地面から先端がとがった植物の槍を
何本もフォレスに向かって放つがフォレスの
一言で全てが停止した。
「ふふ、良い子ね」
フォレスはまるで自分の体の一部の様に
大切に扱い、撫でていた。
『この出来損ないが!!!』
リアスが植物をその巨大な足で
踏みつぶそうとすると植物たちがリアスを
裏切り槍が何本もリアスを貫き、緑色の
血液を噴出させた。他にも毒の燐分を
吐きだす植物や殺傷能力の高い種子を
吐きだす植物などが主人であったリアスを
一斉に襲い始めた。
『ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』
「今までぞんざいに植物を扱ってきた分の
ツケが帰ってきたんだよ。そろそろ決めるよ」
フォレスが地面に手を置くと触手が大量に
出現し十字架に張り付けるように拘束すると
いくつもの芽が出てきた。
『な、なんだこの芽は!!こんなの見たことが無い!!』
「そうでしょうね。だって、この芽は人間界にしか
無い植物の芽だもの。今貴方を拘束している
ツタが貴方に魔力を吸いだしているの。それを養分とし
芽が徐々に咲き始める。ほら、綺麗な花が咲き始めたよ」
フォレスの言うとおり芽がツタから受け取った養分を
糧とし急速に成長をはじめ美しい花を咲かせていった。
『や、止めろ!!お願いだ助けてくれ!!』
「ん~。ねえ集のいる場所にはどうやって行けばいいの?」
『そ、それならここをまっすぐ行けば良い!!』
「そう、ありがと」
それを聞いたフォレスは傷ついた体を
引きずりながら歩いていった。
『ま、待てよ!!場所を言えば助けてくれるんじゃないの!?』
「ん?私はそんなの言ってないよ。貴方が勝手に考えて
貴方が勝手に言っただけ。バイバ~イ」
『くそおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!』
リアスの叫びが響いた瞬間に満開となり
全ての魔力を吸いつくされたリアスはミイラの様になり、
地面に落ちた。
「はあ、はあ、はあ。も、もう少しで集の
所に行ける。集、待って…て」
フォレスは先程の毒の燐分の影響で気を失い倒れてしまった。
あ~、明日の代ゼミ模試だりぃ~。なんで日曜日なのかが分からん。
平日でも良いと思うのだがダメなのか?しかも終わるのが7時前てどういう事!?
は~、高校2年生の後半はしんどいぜ。
感想待ってま~す!!それでは!!!!