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マジックワールド。魔法の世界へようこそ  作者: ケン
第5章  のほほ~んと行きましょ
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第50話   デレデレモードのゆえさん

現時刻、10時。集は部屋で熟睡していた。

あれからゆえの足の状態も良くなってきておりまだ激しい動き等は

出来ないのだがそれでも医師によるとかなり早いスピードで回復しているらしい。

そしてこれはゆえが退院して5日後の話である。





「集、起きて集」

「ん~? 誰~?」

「私だよ、集」

聞いたことのある声なのだがなんだかいつもの口調ではなかった。

「……ゆえか?」

驚きのあまり、目をぱっちりと開けて彼女の方を見てみると確かに隣には彼女がいた。

「うん、そうだよ。どうしたの?何だか変だよ」

(君の方が何だか変なんだけどな)

集はその言葉をそっと心の中にしまいゆえに質問をした。

「どうかしたのか? ゆえ」

「今日私と一緒に出かけよ」

ゆえの満面の笑みを近くで喰らった集は

顔を少し赤くしながら考えた。

(ゆえも可愛いよな……って何考えてんだ俺は!)

「あ、う、うん良いよ」

「やった! じゃ、着替えてくるから待っててね!」

ゆえは小さい子のように嬉しそうに顔を緩めると

すぐに自分の服が置いてあるタンスから服を取りだすと

いきなり寝間着の上を脱ぎ出した。ちなみにもう少しで

ブラジャーが見えかけた。

「ちょ! ゆえ、なんでここで着替えるのさ!」

「え? だってここ私の部屋でしょ?」

「そ、そうだけど着替えるなら言え!」

集は恥ずかしながら布団に急いで

くるまるとゆえは服を脱ぎ着替え始めた。

(ゆ、ゆえってあんなに女の子ぽかったっけ?)

「集、着替え終わったから先に下で待ってるね」

「あ、うん」




「あら、ゆえちゃんどこかに出かけるの?」

「うん! 今日は集とデートに行くの」

「…………へ、へ~そうなんだ」

ゆえの母はゆえの変わりようにかなり驚いていた。

前までは集とどっかに出かけるのかと聞くと赤くなりながら

否定していた俗に言うツンデレだったのにも拘らず昨日の今日で

ここまで変化するとは予想もしていなかった。

すると2階から集が降りてきたのでゆえは

急いで玄関に走っていった。

「あ、あれゆえは?」

「玄関に行ったけど、ねえねえ集君ちょっと聞いてもいいかしら?」

「はい、なんですか?」

母は集の肩を掴むと真剣な顔で質問をした。

「一体何の魔法を使ったの?」

「……なんのことでしょうか?」

「あんな正直なゆえちゃんは見たことが無いわ。昨日何かあったの?」

「いや別に、これと言って特別な事は何も」

「そう……ありがと、デート楽しんできてね」

「デ、デートじゃありませんよ!」

集は顔を赤くしながら否定して慌てて

ゆえのいる玄関へと走っていった。

母は椅子に座りお茶をすすりながらこう思った。

(まさか、集君の好きって言う気持ちがここまで

ゆえちゃんを変えるなんてね~恐るべし、恋の力)





「ごめん! まっ……た」

「あ、集!」

集は玄関を出て謝りながらゆえを見るとそこには

普段のゆえからは想像がつかないほどきれいなゆえがいた。

いつもは制服以外スカート系は履かないゆえが今日はスカートをはき

髪の毛はポニーテールにしておりゆえからはきつ過ぎず薄すぎない

香水のいい匂いがしておりそれを嗅いだ集はなんだかぽわぽわしてきた。

「ふふふ、どうかな? お母さんにお化粧を少し

教えてもらったんだけどきつくない?」

「う、うん」

「服装はどう? 私ファッションには疎いから

適当に選んだんだけどどうかな? 似合ってない?」

集は勢いよく首を横に振り否定を表した。

「ま、まさか! 今のゆえはすごく可愛いよ!

最初に見たとき見惚れたぐらいだよ!」

「そ、そう」

ゆえは顔を赤くしながら髪の毛をいじったりしていた。

普段、クールなだけあってデレデレのゆえはそのギャップが

凄まじく萌えた。いわゆるギャップ萌えである。

「じゃ、行こうか。今日は私が考えたから」

「あ、うん」

集はゆえがまだ松葉杖で移動している為、こけないかと

ハラハラしながら横で歩いていた。




二人がやってきたのはユートリスでも景色が

綺麗と言われている場所に来ていた。この時期は

紅葉を挟んだ通路を通ると周りは本当に紅葉だらけで

色々な色の紅葉があった。黄色や赤色など、

中には集が見たこともないような色の紅葉もありさらに

山に近いのか小型の魔物も降りて来て木の実を食べており

非常に癒しスポットだった。

「すっげ~こんな所があったんだ」

「まだ、集はここには来た事はなかったよね?」

「ああ、いつもこんな山に近いところなんて来ないから

知らなかったけど出かけてみるのもいいもんだな」

「でしょ! それにね、冬になると冬にしか見られない光景も見れるんだよ」

「冬にしか見られない光景って?」

「それはまた今度、一緒に来るって約束してくれるなら教えてあげなくもないよ」

「行く行く! 絶対行く!」

「ふふ、今はこの景色を楽しも」

「おう!」



その後二人は道を歩いていき可愛い小型の魔物を

観察したりリッタに紅葉をかぶせて遊んだりと満喫していた。

すると目の前からジェラルミノの群れが山から下りて来ていた。

周りの人も初めは驚き警戒していたが特別、何かする訳でもない為

そのまま放っておき景色の一つとして満喫していた。

「何でジェラルミノの群れがここに」

「ジェラルミノは冬の前になるとこうやって山の

ふもとに降りて来て木の実を取って自分のすみかに持って行って

冬の間の食料に困らない様にしているらしいよ」

(熊みたいな奴だな)

すると群れの中の一匹がこちらに向かってきた。

「ぐる」

「にゃ~」

「もしかしてお前、この前のジェラルミノか!?」

「ぐるる」

「そうか~あの時は助かったよ! ありがとな!」

するとそのジェラルミノは手に持っていた何かを

集に渡し群れに戻っていった。それは鉄の様に

光沢がありかといって重い訳でもない。非常に軽かった。

「あ、それ何年かに一回、ジェラルミノから取れるっていう鉱石だよ」

「鉱石? でもこれって確か仲間って認めてるものにしか

渡さないって聞いたこともあるけど」

「それはあんたを仲間って認めた証拠にゃ~」

「リッタ……そっか。嬉しいな」

「集って色々と魔物に好かれてるよね」

その後も道を歩き景色を堪能した二人は次の目的地へと向かった。


こんばんわ~ケンです。

……性格変えすぎたかな?ま、良いや!!

それでは~!!!!

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