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マジックワールド。魔法の世界へようこそ  作者: ケン
第5章  のほほ~んと行きましょ
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第49話  気づいた想い

「は!? ゆえが帰って来ていないんですか!?」

「そうなのよ! どうしましょ! 何かあったんじゃ!」

ゆえの家では問題が発生していた。ゆえが夜中になっても帰ってこないのだという。

「落ち着いて下さい! 俺が探してきますから!」

集は寝ぼけているリッタを連れて暗闇の街へと走っていった。






その頃ゆえは崖から落ち、意識を失っていたがたった今、意識を取り戻した。

「うぅ。ここは、つっ!」

ゆえが立とうとした時右足に激痛が走り炎を指に

灯して照らしてみようとしても灯る前に炎を作るどころか

魔力が煉る事が出来なかったので足のあたりに手を持っていき

触ってみるとどうやら大きな岩石がゆえの右足に乗っかっているようだった。

どうにかして、岩をどけようとしても足を痛めている為

その場から動けず岩を動かせなかった。

「かなり高い所から落ちたのか。それにこの辺りは

魔力を乱れさせる植物が多いな、これでは魔法が使えん。それにしても、寒い」

今の天候は意識を取り戻したときから土砂降りの雨が降っており

まだ10月とはいえ山の夜は結構冷える。そこに雨が降っては

さらに気温は下がる一方だ。




「はあ、はあ。くそ、どこにいるんだ!」

集はいつもの冷静さを失うほどにまで焦っていた。

既に辺りは暗く、それとともに気温もかなり冷え込んできた。

「ゆえ、どこにいるんだよ!」

「少しは落ち着きなさいよ。焦っても仕方がないわよ」

「でも! ゆえがいないんだぞ! もしも、何かあったら!」

「へ~この前はあんなにどうでもいいと言っておきながらこんな時には心配するんだ」

「そ、それは」

シュウはリッタの言っていることに何一つ反論できなかった。

この前の生徒会室ではゆえの暴言を浴びせ、彼女が生徒会室から出て行っても

何食わぬ顔でライカたちと遊びに行こうとした。

「知ってる? 貴方が男女って言ったあと出ていったでしょ?」

「ああ」

「ちらっと見えたんだけど泣いていたわよ、彼女」

「………」

「彼女も悪いかもしれないけど貴方も悪いわよ。分かってる?」

「あ、ああ。分かってる、ゆえが帰ってきたら謝るつもりだったんだ」

集の言い分にリッタは大きなため息をついて呆れていた。

「かなり都合がいいわね。あんだけ女の子にひどい事

言っておきながらその日のうちに謝るんだ」

「………」

集は図星だったのか何も言わずに俯いていた。

「貴方は少しうかれていたのよ」

「……ありがと、リッタ」

「どういたしまして」

集は獣人化をして高速で移動しながら雨の中を走っていった。




「はあ、はあ、はあ。さ、寒い」

ゆえの体力は既に限界だった。あれからどれだけ経ったか

分からないがずっと雨に打たれ続け体温は奪われていき

さらに時折吹く風にも体温は奪われていき

ゆえの顔は徐々に赤くなっていき、指先の感覚も

あまり感じられなくなった。さらに睡魔も襲って来て

眠りかけたが足の激痛により何度も起きては、眠りかけ

また激痛で目を覚ます。この繰り返しだった。

「ごほ、ごほ!」

(私はおかしいんだ……ライカやルーラが恥ずかしがることもなく集の腕に抱きつき

それを羨ましいと思っていた。私は昔から強さばかり

求め、鍛錬を繰り返し女の子らしい事は一切した事が無かった。

おままごともしたこともないしお花畑で花を摘んだこともなければ

この年になっても化粧という事はしたこともなかった。

でも、あの結婚式の件から私は変わった。

いつもいつも休憩時間中に集のクラスの前を通ると

自然と集を探していた。遠回りになるのに集のクラスの前を通って

教室に行ったこともあったし廊下で集の声が聞こえれば

用もないのに廊下に行って集の横をすれ違って

話しかけられるようにしたりもした。集が他の女子と

喋っていればムカムカもしたし集に褒められたら今までに

感じたことが無いくらいに嬉しさが込みあがってきた。集、集、集……)

ゆえの頭の中に集の自分を呼ぶ声が聞こえると

心臓の鼓動がさらに速くなった。体が冷えて

心臓が必死に血液を送っている訳ではなかった。

「そうか……ようやく、分かった。私は

あの時から集に恋をしていたのか」

すると今まで胸にあったモヤモヤが一気に

消え去りすっきりとした気分になった。

「集……集、助けて!」





「本当にあってるの!?」

「あぁ! ゆえの声がしたんだ!」

集は学校の近くにある山の中へ捜索に着た瞬間にゆえの声が聞こえ、

急いで声のした方向に行くと目の前に崖がありその崖は何故か部分的に崩れていた。

「ゆえ! ゆえ!」

「集!? ここだ集!」

下から声が聞こえたので下を見ると

そこには倒れているゆえの姿があった。

「ゆえ!」

集は急いで崖から飛びおりゆえの足に乗っていた岩をどけた。

「良かった、助けに来てくれた」

「ゆえ!」

集は突然ゆえに抱きついた。ゆえはその事に顔を赤くしながらも

抵抗はせず今は集に体を預けていた。

「ごめん! ごめん! ゆえ! この前、あんなひどい事言って!」

「いいよ、私も言いすぎたんだ。それよりも集」

「なんだ? ゆえ」

「少し寝ていいかな? 眠たいんだ」

「ああ、後は俺に任せて君はゆっくり寝てていいよ」

「ふふ、ありがと」





その後、急いで病院にゆえを運び込んだ集は

ゆえの母を呼び医師の診断を待っていたが

命に別条はなく足の方も骨にひびが入った程度で

ギプスで固定して3週間は安静にしていれば

完治するらしい。その後集は先生に頼みこみ

ゆえの隣で寝かせてもらう事にした。




「ふあぁぁぁ~」

ゆえが目を覚ましたのはそれから8時間後の

お昼のちょうどの時間だった。

隣には集が寝ていた。それを見たゆえは自分の膝に

集の頭を乗せ所望、膝枕をしながら頭をなで出した。

集を撫でているゆえの顔は嬉しそうに緩んでおり

いつものピリピリとした雰囲気は完全に消えていた。

「おっはよーーーー! 元気ですかーーーー!?」

いつもの如くハイテンションなライカとその他のメンバーが

ゆえの病室にやってきた。するとゆえはジェスチャーで

静かにするようにといった。

「あ、ずるい! ゆえが集を膝枕してる!」

「ふふふ、ルーラ、それにライカ」

「何よ」

「私は気づいたぞ。私は集が好きだ、

心の底から集を愛している」

「な!」

ライカは驚いたように口を開けたまま固まってしまい

ルーラも驚いていたのかおろおろしており残りのメンバーも

意外、という顔をしていた。

「わ、私だって集が大好きだもん!」

「な! 私だって!」

「これからはライバルという訳か、悪いが集は私が貰う」

「「むむむむむむむ!」」

3人の視線がぶつかり合い火花を散らせていた。





「なんつうか、ゆえ変わったな」

「というよりも素直になったかしらね」

「何はともあれ一件落着ならなんでも構わん」

こうして集とゆえの喧嘩は決着がついたのか付かなかったのか

分からないが無事解決したとさ

こんばんわ~ケンです。

まさかの母親、泥酔でさっきまで道端から家まで

家族総出で家にまで連れてきました~(笑)

自分も将来、今日みたいな事はならないように気を付けよう。

一生独身だし(泣)

感想もお待ちしておりま~す。

それでは!!!!!!!!!

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