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第31話  逃げて、逃げて、逃げまくれ!!

それは集が家でくつろいでいる時の事。

部屋で寝ているリッタを頭の上に乗せ本を読んでいるとゆえが突然こう言いだした。

「私の秘書にならないか?」

「は?」

あまりに突然な事で集は開いた口がふさがらなかった。

向こうにいる時に某執事マンガで似た名セリフがあったがまさかここで聞くとは思っていなかった。

「ああ、すまない。言葉が足らなかったな。生徒会副会長の秘書をしてみないか?」

「断る」

「な、何故だ!?」

集の即答に思わずゆえは聞き返してしまった。集ならやると言うと思っていたからである。

「何故も何も仕事バリバリ出来るお前に秘書なんかいらねえだろ。

力だってあるし統率能力があり生徒からの多大な信頼もある、

経費だって無駄なとこは削り本当に必要なとこに割り振れるって聞いてんだが」

「だ、誰から聞いたのだ!?」

「理事長」

「な、何で理事長から」

「それはな」





それは先日のお昼の事。

「あ~美味しいですね」

「やはりコーヒーはブラックだな」

集は理事長室に入り浸り理事長と共にコーヒーを飲んでいた。

理事長がリッタを大変、気に入りじゃれ合いたいという事らしい。

リッタからすれば良い遊び相手との事。

それなら、自分はいらないと集は言ったがリッタがいうには

いつでも、あんたの頭の上に乗れるように近くにいなさいという事だ。

「それよりも集君」

「はい?」

「桜さんは本当に優秀だね~」

「ゆえがですか?」

「うむ。彼女は生徒会副会長なのだが生徒からの信頼も高く

重い荷物も自分でしっかり持ち予算もキチンと振り分けてくれる」

そこまで聞いたところで集は疑問が頭の中にいくつか出てきた。

「予算てふつう会計がするんじゃないんですか?」

「実はなうちの会計はルーラ君でな。あの子は予算をお菓子ばかりにつぎ込むし

会長のアーク君は面倒だからと言って適当にするし、同じ副会長の

レイ君は生徒会にすら顔を出さないし書記のライカ君はフォレス君に

化粧を教える始末だ」

(うわ~そりゃ、ゆえがべた褒めされるわけだ)

集は容易にその光景が思い浮かべた。

必死に書類を終わらせていくゆえ、面倒だと言い机に足を乗せてるアーク、

レイは……まあ、良い。お菓子をもぐもぐと満面の笑みで味わってるルーラ、

ライカに化粧を教わるフォレス。カオスな生徒会の光景である。

「はは……大変ですね~」

「うむ、どうにかしたいんだがな~」

「じゃあ、秘書でもつけたらどうです?」

「いや、そう考えたんだがな桜さんの処理速度に追いつける人がいないんだ」

「あ~」

集は納得をせざるを得なかった。

夕飯の準備のときでも先先と用意するため、集はゆえの準備の速度に付いていけないのだ。

「は~。どこかに彼女と共に住んでいてなお且つ強くて頭もよく」

(ん?)

「髪の色が白色で」

(んん?)

「真っ白な服を好んで着て、刀も真っ白。そして精霊と契約しているような

少年はいないだろうか」

(それ、まるっきり俺じゃんか!)

「なあ、少…逃げたか」

理事長が後ろを振り向いたときには既に集は逃げていた。

「逃がしはせんよ、少年」




「て言う事で秘書になってくれ……いや、なれ」

「なんで命令形!? 誰に断ってそんな事」

「理事長だ」

「理事長ー!」

集はがっくりとうなだれた。

「という事でなれ」

「お、俺の平穏を返してくれ」

「貴様の平穏など知るものか。さあ」

「もう厄介事はこりごりだー!」

集は窓から飛び降りて逃げ出してしまった。

「お、おい待て! 集! 逃がしはせん!」

ゆえは炎の翼を生成すると窓から飛び集を追いかけた。



「待てーー!」

「待てって言われて待つ奴はいねえよ!!」

「ん? 集とゆえじゃねえか、何かあったのか?」

走っているとレイが女の子と話し合っている姿が見えた。

どうやら彼女の様である。

「集が私の秘書にならんのだ!」

その言葉を聞いた瞬間レイの顔が真っ青になり冷や汗をかき始めた。

「レイ、どうしたの?」

彼女が心配そうにのぞきこむと……

「わ、悪い。この埋め合わせは必ずする! 今日はお終いで良いか!?」

「お終いも何も今日はもう帰るんじゃなかったっけ?」

「あ、そうだったな! じゃあな!」

「う、うん」

レイはゆえに慌ててついていった。

「変なレイ」

レイの彼女は彼の豹変ぶりに驚きを隠せないでいたが

そんなレイもいいかなと顔を赤くして惚気ながら家路へとついた。




「な、何で俺は追われてんだよ!」

「待たんか! コラー!」

「待てー!」

後ろからもう一人増えた二人が追いかけてきた。

一人は炎の翼、もう一人はチェーンを振り回しながら追いかけてきている。

「な、なんでレイまで!?」

「集! 秘書になれ!」

「お、お前もかよ! 俺はならない!」

「貴様に拒否権はない! 理事長の命令だぞ!」

「そうだとしても絶対ヤだー!」

「もし拒否したら理事長が単位をくれないらしいぞ」

「職権乱用、反対!」

集が叫びながら走っていると目の前にライカとルーラの姿が見えた。

「あ、集じゃない」

「なんで走ってるの?」

ライカとルーラが二人で買い物をしていた。

「あいつが秘書になんねえんだよ!」





その言葉を聞くと一気に顔色をかえ2人から4人に増えてしまった。

「「「「待てーーーーーーー!」」」」

「なんで増えてんの!?」

集はいつの間にか学校の近くまで走っていた。

(学校まで行けばなんとかなる!)

希望を持って走っていると校門に誰かが立っているのが見えた。

片方は小さく片方は標準サイズである。

(ま、まさか)

目を凝らしてみるとそこにいたのは理事長とフィーリだった。

「な、なんであの二人が!?」

「意外に集、早い」

「私に任せて! ブラックホール!」

ルーラが威力を押さえたブラックホールを作りだした。

すると集は走っているにもかかわらず後ろに徐々に引っ張られていた。

「ブ、ブラックホールまで作る事はねえだろうがー!」

集は叫びながら必死に逃れようと走っているがブラックホールは

なんでも吸いこむものでありその吸引からは誰も逃れられない。

「ふはははははは! さあ、おとなしく観念しなさい! 集!」

まるで闇の女帝の様に高笑いしながらルーラはさらに強さを大きくした。

「やばい、このままじゃ……そうだ! リッタ!」

「何よ~」

服の中からリッタが出てきた。

「リッタ! 頼みがある! ルーラに抱きついて来てくれ!」




実はルーラは無類の猫好きであり特にリッタに抱きつかれると悶絶しすぎて

気絶するほどの猫好きである。

「良いけど、ほい」

「なに、その手」

リッタは肉灸を集に見せていた。まるで、人が何かを要求する時の様に。

「雇い料よ」

「あ~もう! 何をやれば」

「あの人の秘書になりなさい」

「お、お前まで敵だったのかー!」

実はリッタは既に理事長の毒牙にかかっており

もしも、成功したら1回だけ高級な餌をやると言われているのである。

「それが無理ならあきらめなさい」

「ちょ、リッ、うおぁ!」

走っていると集は石に足を引っかけてしまいバランスを崩しそのまま

皆のいる方に吸い込まれていった。

(あ、もう無理だ。さよなら、俺の平穏な学校生活)

集は諦めながら引き寄せられ捕まえられた。



「「「「さあ、なるかならないか!?」」」」

「……なるよ! なればいいんでしょ!」

その言葉を聞くと全員、満面の笑みになった。

ちなみに何故、レイ達が追いかけたというと理事長に全員なんらかの弱みを

理事長に握られており逆らうと言いふらすと言われたのだ。






「次! はい、次!」

生徒会では集が忙しく走り回っていた。

教師のサインが必要なものはいる場所まで走りまた、生徒会室に走って戻る。

その繰り返しである。

「俺の平穏を返してくれー!」

「叫んでいる暇があるならサインをもらって来い!」

「これで生徒会は安泰だね。ライカ」

「ふふ、そうね。これでゆっくりフォレスに化粧を教えてあげれるわ」

こうして集はゆえの専属の秘書となった。(生徒会限定)

こんばんわ、ケンです!!

眠いから今日はここまで。さよなら~

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