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第30話  まさかの事態

集が退院した1週間後に始まった考査も地獄の補習授業のおかげで

なんとか凌いだ集はリラックスしていた。

が、フィーリからの一言で平穏は崩れた。

「皆、おはよう」

『おはようございま~す』

「ふふふ、今日も元気ね。もうすぐ、あれがある事は知ってるわね」

「あれって?」

集がそう言うとフィーリは何かを思い出したような顔をした。

「ああ、そういえば集君は知らなかったわね。実はねもうすぐ

全生徒対象の大会があるのよ」

「――――?」

「詳しいルールは今日の集会で発表されるからそれを聞いておいてね」

その後に集会がある為全員、闘技場に集まっていた。

集会などはすべて闘技場で行われるのである。

「では、理事長からの報告です。理事長」

「うむ」

教頭先生から交代し理事長が闘技場の中央に立った。

集会は魔法により声を拡散させて行われている。

「みんな、おはよう。もうすぐ、全生徒対象の大会がある事は

皆も知っていることだろう。前回はトーナメント方式だったが今回は

一味違うぞ。今回の舞台は森だ!」

その言葉を聞いた生徒は疑問を感じていた。

なぜに森で行うのだとかが周りから聞こえてきたが

理事長がしゃべりだすと同時に静まった。

「詳しいルールはまだ、決めていないが面白くなることは間違いないぞ。

あ、それと連絡することが一つあったな」

理事長は思い出したかのように話し始めた。

内容はランクの空席のことだった。

「第2位であるマグナ君がランクを辞退した事はもう皆も知っている事だろう。

その後釜だがランクを引き上げることが正式に決まった。

つまり、3位が2位に上がる訳だがここで一つ問題が発生する。

第10位が空席になってしまう。そこで、その座には今から発表する

者に入ってもらう事となった」

その言葉を聞いたとき闘技場が一斉に騒がしくなった。

本来、ランクは強い者順なのだが推薦などは異例なのだ。

「ちなみにこれは女王様の推薦だぞ」

(どんだけミスティの名が影響力もってんだよ)

集はあれだけ騒がしかった闘技場が一気に静まったことに

心の中で改めて考えさせられた。

(でも、誰が10位になるんだ? やっぱり、1組からか。

でも、なんで今朝ゆえ達に祝われたんだ?)

実は今朝、家でゆえに会うといきなり笑顔でおめでとう、と言われたのだ。

理由を聞いても一切教えてくれずに登校中にもライカやルーラ、

アークたちにも同じ事を言われたのである。

自分の誕生日かとも考えたが皆に教えてないしこっちと向こうの暦が

同じものなのかすら不明なので教えていないのだ。




「では、発表しよう。ランク第10位に推薦された生徒は……」

闘技場に沈黙が流れた。自身が入ると信じて疑わないものや祈っているもの

など、いろいろな生徒がいた。

そして、その生徒の名が発表された。

「1年8組の如月集だ!」

『…………』

闘技場から雑音というものが初めて消えたときであった。

「ちょ、ちょっと待て――――!」

集が観客席を降りフィールドに慌てて出てきた。

「おお、少年」

「少年じゃないですよ! なんで俺が10位なんかになるんですか!?

おかしいでしょ!」

「いいや、おかしくはないぞ。あの方との協議の結果、君が選ばれたのだ」

「あの方ってミスティか!? ミスティの事か!?」

「う、うむ」

理事長は若干集の気迫に押されていた。

「そ、そもそも君は2位を倒したのだぞ。君をそこにいれても良かったのだが

1組の奴らが騒ぐからの~これでも抑えたんだぞ」

理事長が皆に聞こえないように集に耳打ちした。

ちなみに集を力づくで屈ませてである。

「これでもって、十分あいつらは騒ぎますよ」

「その時は君がボコボコにすればよい」

「い、良いんですか?」

「ああ。ただし騒いだときだけだぞ」

「分かりました、引き受けましょう」

「うむ」

すると、集は理事長からマイクを借りて大きく息を吸い込んだ。

「つう事で10位を受け継いだ、如月集だ!!文句がある奴は

いつでも俺に勝負を挑んで来い!」

「という事でこれにて集会はお終いだ」

理事長は集会を閉会させ帰っていった。




8組では大騒ぎをしていた。なんせ、今まで1組の奴らばっかりが

ランカーであったのに8組の生徒がランカー入りしたからもう、大騒ぎである。

「凄いじゃねえか、集!」

「い、痛い。ゼロ」

ゼロは集の背中をバンバン叩きながら喜んでいた。

それはアミヤやアイリス、ロックや8組の生徒全員そうだった。

「でも、凄いな~まさか、女王様に推薦してもらうなんて」

「まあ、納得じゃない。集って強いし」

アミヤとアイリスは納得したように頷いていた。

実際に集は貴族にも勝ってるので8組は納得していた。

他のクラスは知らないが。

すると、フィーリが教室に入ってきた。

それを見るや否や生徒達は急いで座りだしいつもの静かな教室に戻った。

「まあ、皆驚いてると思うけどそこら辺は受け止めてね。

後、如月君は後で私と理事長室に来て」

「あ、はい」

「じゃあ、授業を始めるわよ~」






そして、時は流れ激動の1日の放課後となった。

フィーリと歩いている集は周りの生徒と会うたびに話をされていた。

ほんとに強いのか?とか、何かせこい手を使ったんだとかがこそこそと話されていた。

しかし、理事長室の前に来るころにはそれは無くなっていた。

ゼロによるとあまり理事長室にこのんで入る生徒はいないらしい。

呼ばれた時は怒られる時だとか中は実は研究室で人体実験をしてるんだとか

おかしな噂があるという。

(そんな噂が本当だったらもう俺はここにはいないっての)

「失礼します、理事長」

「どうぞ~」

ドアをノックし理事長から許可をもらい部屋に入った。

「いや~よく、来てくれたね~」

「さっきも会いましたがね」

「ま、それは良いとして君がランカーに入るにあたり誓約書を書いてほしいのだ」

理事長は引き出しから1枚の紙を出すとそこには確かに誓約と書かれていた。

その内容はランカーとして皆のお手本になるだとか問題は起こすな等と書かれていた。

その項目は10個はある。

「これにサインするんですか?」

「ええ、ランカーは皆これにサインをしていますから」

「フィーリ先生の言うとおりランカーは少し制約がかかっての。

よく内容を見ておいてくれ」

「は、はあ。俺の平穏な学校生活計画が台無しだ~」

「「そんなもの君に関しては最初からない」」

「ですよね~」

氷の魔法は使うは、貴族は倒しちゃうは2位は倒すわで既に

集の平穏な学校ライフは崩れ去っていた。

「ま、良いじゃないか。楽しく生活を送れればそれでいいんじゃないのか? 少年よ」

「いや、そりゃそうですけど~」

「ま、ひとまずランク就任おめでとう。集君」

(トホホ。これで忙しくなる気がするのは気のせいかな~)

集は少しばっかり後悔していたりもする。

おはようございます、ケンです。

如何でしたか?それでは

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