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マジックワールド。魔法の世界へようこそ  作者: ケン
第2章  君を護る
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第25話  戦いの始まり

「なんでここに来たんだ!?」

「そりゃ、君を助ける為だよ」

「ふざけるな!」

突然のゆえの叫び声に集は肩を少し上げて驚いた。

「私がいつ、貴様に助けを求めた!? 貴様の助けなどいらんのだ! 私は奴と結婚する!」

「それが脅されて愛してもいない奴とでもか?」

「な、何故それを」

「理事長が調べてくれたんだ。なんで教えてくれなかったの?」

「……」

ゆえは言えなかった。

集に教える事で彼に危害が及ぶのを恐れた事を恥ずかしさから言えなかった。

「ま、いいや……顔、怪我してる」

「え?」

集はゆえの頬にやさしく手を置くと氷の魔法を使い

腫れている部分を冷やした。

「あいつにでも殴られた? 怖かったよな? 辛かったよな? もう、大丈夫だ」

集はそう言うとゆえを優しく抱き締めた。

「しゅ、集!」

ゆえは顔を赤くし押し返そうとしたが思いのほか強く

抱きしめられていた為、押し返せなかった。

集の体は男性らしく筋肉が程良く着いた逞しいものになっていた。

「君は………俺が護る」

「―――――!」

ゆえはその言葉を聞き一気に顔を赤くし俯いた。

その言葉を聞いた瞬間から胸の鼓動が一気に激しくなり、シュウにも

聞こえているんじゃないかと思ってしまうほど激しく鼓動を打っていた。

「助けてって君が言ったら俺は何が何でも君を護る」

そう言い残し集は下に降りていった。

顔を赤くし俯いたゆえを残して。




「貴様、よくも邪魔をしてくれたな!」

「邪魔しない方がおかしい」

「ちっ! おい警備ど」

――――――ドオオォォォォォォン!

マグナが警備に集を殺すように命令しようとした時、空から落雷が落ちてきて

砂埃を上げながら大きな穴を地面にあけた。

「な!」

「うおらぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

ライカはまるで今までのストレスを発散しているかのように警備たちに

落雷を浴びせ続けていた。

「よくも!」

―――――パキッ!

警備員の一人がライカに銃を撃とうとした時、チェーンが銃を貫き使い物にならなくなった。

「やらせねえよ。バ~カ」

レイがチェーンで警備員を何人も束縛していた。

「ひぃ!」

逃げようとする者もいたが突然、地面に引きずり込まれていった。

「な、何だこれは!? 地面が!」

「逃がさないよ~全員、私が食べてあげる♡」

ルーラが闇を地面に這わせ飲みこもうとしていた。

闇の魔法は全てを飲み込む。それは人間すら飲み込む。

「食べちゃダメよ。ルーラ」

ラナは呆れながら警備員を水の魔法で倒していった。

「き、貴様ら何をしている!? 何故、味方を!?」

「マグナ。終わりだ、諦めろ」

後ろから声が聞こえ、そちらのほうを向くとそこにはランカーの中で

最強の地位についている少年、アークが立っていた。

「ア、アーク。貴様の仕業か!?」

「今回は俺は何もしていない。が、お前は闇に落ち過ぎた」

「な、なんの事だ!」

アークはある物を胸ポケットから出しマグナに見せつけた。

それは、小瓶に入ったマジックフラワーの粉末だった。

「な、何故それを!?」

「これはお前の部屋から見つけたものだ。今頃、お前の父親も

取り押さえられている筈だ」

「馬鹿な!? 父さんは上位貴族なんだぞ!? そんな簡単に捕まる筈が」

「これを見てもそう言えるのか?」

アークはもう一度、ポケットに手をいれ紙を取りだすとそこには

女王の名が書かれた用紙があり、取り押さえ許可状なる物があった。

「じょ、女王の名による捜査だと!?」

「そうだ。女王も既に気付かれておられる。終わりだ」

「こんなところで捕まってたまるか!」

マグナが走り去ろうとした瞬間、地面に巨大な氷の塊が投げられて

地面にめり込み、壁となってマグナを遮った。

「き、貴様!」

「おい、アークとか言ったな。こいつは俺にやらせろ」

「初めからそのつもりだ。奴は強いぞ。勝てるのか?」

「ああ、その為に修行してきたんだからな」

アークはそう言うと他のランカーのもとへと向かって行った。

「場所を変えようか。マグナ・ギルス」

「良いだろう。貴様を殺し逃げのびてやる」

集とマグナは戦いやすい場所へと舞台を移した。




「ここで良いかな?」

集は翼をなおし、地面に降り立つとマグナがどこからともなく飛んできた。

集の姿はすでに獣人化を済まし髪の毛が腰の長さまであった。

「死ぬ覚悟は出来たか? 如月集!」

「お前を倒す覚悟ならある」

「言っておくが俺は殺す奴には手加減はしない」

「勿論」

集は刀を抜き魔力を流し込むと刀が白く染まった。

「あんたは無いのか? 武器」

集がマグナに向けて剣を構えてもマグナは武器らしいものを出すことはなかった。

「ああ。俺は刀の様なものは一切持っていない。俺の体が武器だからだ!」

マグナがそう叫ぶと体の筋肉が膨張していった。

「無機の肉体強化か」

「そうだ! この力で俺は2位までのし上がった。

お前など視界にも入っていない!」

マグナは足に魔力を流し込み脚力を強化させ、一歩踏み出すだけで

集の近くにまで移動した。

「死ね」

マグナは集の顔面に魔力を流し強化した拳をぶつけた。








―――――はずだった。

「な!」

「遅すぎねぇか?」

集はマグナの拳を片手で全て受け止めていた。

(バ、バカな魔力で強化した俺の拳を受け止めただと!?)

マグナは驚きながらも止まることなく殴ったり蹴りをいれていった。

集は刀で蹴りや拳を防ぎながらマグナの攻撃を避けていった。

「おぉぉぉぉぉぉぉ!」

一発が集の頬を掠った。

「ちっ!」

集は一旦、距離をとるために翼を生成し離れた。

「こんなものか!? 貴様の力は!?」

「そんな訳ないだろ。でも、流石は第2位。一筋縄じゃいかねえよな」

「どうだ、諦めるか?」

「は! むしろ、気合が入ってくるよ」

「ほざけ! 貴様は殺す!」

そう言うとマグナは片方の手のひらを集に向けてもう片方の拳を

集に向けて、何らかの構えをとった。

(距離があるのに何で構えてんだ?)

「喰らえ!」

――――――ブウゥゥン!

マグナの腕が一瞬、ぶれたかと思うと集は吹き飛ばされていた。

「ぐぅ!」

「今のを防ぐとわな。だが、連続で放てばどうなるかな!?」

マグナはマシンガンの様に何かを集に飛ばしていった。

(何がどうなってるんだ!?)

集は訳も分からないまま獣人化の速さでかわしていくがそれでも、

掠ってしまうほどの速さだった。

「くそ!」

「遅いのはお前の方だ」

「――――――!」

集の目の前にマグナの拳が見えた。

「吹き飛べ!!」

集は防御する暇も与えられずに殴り飛ばされた。






一方その頃、ゆえ達は警備員に手を焼いていた。

「あ~! もうこいつら一体何人いるのよ!?」

ライカが鬱陶しそうに吐いた。

先程から倒しても倒しても湧き出てくる水の様に補充されていった。

「早く集のもとに行かないと!」

ゆえは服を借りて戦っていた。

「ね~もう、食べちゃっていい?」

「ダメに決まってるでしょ! ルーラ!」

ライカはイライラしながらもルーラに怒りを飛ばし、警備の者を蹴り飛ばした。

「ぶぅ~ライカのいけず。体重が重い癖に」

ぼそっとルーラは呟いたがライカにはよく、聞こえていた。

「な、何ですって!? 誰が体重が重いですって―――――!」

ライカの怒りに呼応するように落雷もその激しさを増していった。

その威力は近くにいた味方まで巻き込みかけるほどの威力だった。

「だってそうじゃない! この前計ったら59kgあったって言ってたじゃない!」

「あんたとは違ってあたしにはこの大きな胸があるのよ! 知ってる?

胸って大きいと、とっても重くなるのよ。そのせいで体重が増えてるのよ!

ま、あんたみたいな貧乳にはこの苦しみは分からないか」

その貧乳という言葉を聞いた瞬間、ルーラの周りの闇がさらに濃くなった。




「だ、誰が貧乳だって!? ライカとは違ってこれから大きくなるの!」

「ほ~。そのまな板から大きくなるか~ぷふ!」

「もうあったまに来た! 闇に伝わる12の柱の主よ!

我にその力を与えたまえ! いでよ! 第10の柱! The condemnation of Darkness!」

ルーラがそう唱えると地面から二つの巨大な剣を持った断罪者が現れた。

「第10の柱は闇のルールを決める法の番人。あんたの罪は

私を愚弄したこと! 行け!」

『グオオォォォォ!』

「上等よ! やってやろうじゃないのよ!

雷は全てを灰にする、その力を我に付与せよ!

雷神の2本の腕(アマルブラスズ)!」

ライカの両方の腕に落雷が落ちると巨大な2本の腕を形成した。

「今のうちだ! 捕えろ!」

警備員とて強さはランカーと同等である。しかし、相手にする人物を間違えた。

「「あ!?」」

「「「――――!」」」

二人の睨みは警備員を恐怖で動きを止めてしまうほど恐ろしいものになっていた。

「「私達の喧嘩を」」

「「「ひぃ!」」」

「「邪魔してんじゃないわよ!」」

雷の腕と断罪者の2本の剣が警備員を襲った。

――――――ドオオォォォォォォォォォ!

「「「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」」」






「う~ん。今、あそこには近づきたくないわね」

「私もだ、ラナ」

普段意見が合わないラナとゆえは珍しく意見が一致した。

すると、向こうの方から爆発音が鳴り響いた。

「集!!」

ゆえは心配そうにそちらを見た。

おはようございます。ケンです。

如何でしたか?

それでは今日はこの辺で。

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