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第1話  目が覚めたら魔法の世界!?

「ん~今何時だ?」

目を覚ました集は今の時間を知るべく

時計を探そうと手を動かすがその時計が見当たらなかった。

(ん?この感触……土?)

手を動かしていると部屋の床の冷たい感じではなく

地面を素手で触っているような感覚がした。

不思議に思い目を開けてみた。

「な、何ここ」

周りは草ばっかりで集の部屋ではなかった。

「ここどこ? ……ひとまず散策するかな」

集は一旦、周りを散策する事にした。




「何もねえな」

散策してみたがあまり情報は得られなかった。

分かった事は集のいる場所は森で人が住んでいる気配はなかった。

「どうすっかね~」

集は何となく後ろを振り向いた。

「……」

よく絶世の美少女を見ると目が離せないと

クラスメイトが言っていたがその事がようやく

分かった。目の前には美少女と呼ぶにふさわしいほどきれいな女性が立っている。

その姿は赤い服に黒いマントをはおり、腰には刀を差しており

髪の毛は肩にピッタリと切りそれられていて

なお且つきれいな赤髪だった。

「あ、あの少し」

集が言いかけた時突然、その少女は刀を抜き切りかかって来た。

「ひっ!」

集はまっすぐに振り下ろされた刀を慌てて横に避けると

今度は横なぎに変えて集に切りかかって来た。

「うわぁぁぁぁぁ!!」

集は恐怖のあまり腰を抜かしてへたり込んでしまった。

そのお陰で何とか刀は髪の毛を少し掠るぐらいで避けれた。

「―――――ッッッ!」

その少女は驚いたような顔をしたがすぐさま冷静になり集に向けて刀を振り下ろそうとする。

「……」

集と目が合い数秒固まった後に刀を鞘に戻した。

「は、はは。よ、良かった」

「すまない。どうやら君は違ったようだ」

「え、何が?」

「いや何もない。立てるか?」

「ん~無理ですね。手を貸してくれませんか?」

「ああ、良いとも」

「すみません」

「そうか、すまないな。急に襲ったりして」

「い、いえ別にそんな」

襲いかかってきたときは恐ろしいという感情を目の前の少女に抱いていたが

今は別にそのような感情は抱かなかった。

「ところで君はどこの者だい? あまり見ない顔だが」

「へ? どこって日本ですけど」

「ニホン? そんな国あったか?」

「は? いや日本ですよ?日本」

目の前の少女は集が言っている日本という言葉を聞いたことがないらしく

心底不思議そうな表情を浮かべていた。

「何を言ってるんだ君は? ニホンとか不思議な言葉を使っているが」

「す、すみませんがここはどこですか?」

「何を言ってるんだ? ここはコラリスではないか」

集は困惑していた。何せ聞いたこともない地名が出ていたのである。

(コラリス? 何じゃそりゃ………ひとまずここは、怪しまれないように合わせておこう)

「す、すみません。最近ここに来たもので」

「ふむ、そうか……ところで名は?」

「ああ、そうでしたね。僕の名は如月集って言います。貴方は?」

「私は桜ゆえだ。よろしく頼む」

少女――――桜ゆえは笑みを浮かべて集に手を伸ばし、握手を求めてきた。

集は握手をしながらも疑問を抱いていた。

(あれ? 俺と同じ漢字の名前。ここって俗にいう異世界なんだよな?)

集は不思議に思いながらもその事は頭の片隅に退かした。

「ひとますはその格好を何とかしないとな」

「へ? あ」

ゆえに言われて制服をよく見ると集の制服は土だらけで元の色が見えてなかった。

「私の家に行こう。すぐ近くだからな」

「ええ、分かりました」




森を出て、少し歩くとそこにはたくさんの露店が立っており

人々の活気の言い声が聞こえてきた。

「へ~結構広いんですね」

「まあな。ここはこの地域では一番規模が大きい

マーケットだからな。ところで、君はどこからきたんだ?」

集はゆえの質問にどう答えていいのか分からなかった。

なんせここは自分が住んでいた世界とは違う別の世界である。

「え、え~っとですね。まあ、遠い所から」

必死に考えた挙句、集はあいまいに答えておくことにした。

「そうか、長旅で疲れて寝てしまったのか?」

「ははは! そうなんですよ!」

「ならば宿にでも泊まれば良かったものを」

「じ、実は今、一文無しなんです」

「一文無しとは、なんだ?」

(しまった! ここは日本じゃないからことわざとかも知らないんだ)

「あ、いや僕の国の決まり文句でしてね、お金が全くない事を言うんですよ」

「ほ~初めて知ったな」

(あ、危ね~)

ゆえは少し驚きの表情を浮かべながらも集とともに自宅へと向かった。




「ここが私の家だ」

ゆえが指をさす場所には結構大きめの家が建っていた。

広い庭がありきれいな花や木々がたくさん生い茂っていた。

すると、庭で花の手入れをしていたらしき一人の女性が集達に

気づいたのか手入れを中断し、二人に近づいてきた。

「あら、ゆえちゃん。御帰りなさい。その隣の男の子は?」

「ああ、紹介するよ。この子はさっき森であった旅人の如月集だ。それでこっちが私の母だ」

「はじめまして。如月集と申します」

「ふふ、私はゆえちゃんの母のユイで~す。よろしくね~集君」

「はい、よろしくお願いします」

「ま、ひとまず中に入ろうか」

ゆえ先導のもと、集はゆえのお家にお邪魔してリビングの様な広い部屋に通された。

集の住んでいた世界のリビングとは些か、違う部分も見受けられたがほとんど同じだった。

「ひと先ず集。体を流してきたらどうだ?」

「分かった」

「ああ。シャワー室はそこを右に曲がった突き当りだ。

タオルなどは後で持って行くよ」

「ああ、ありがとう」

集はシャワー室へと足を運んだ。




「覚悟はしていたけどお風呂じゃないか~」

集が入った場所はお風呂ではなくただ単にだだっ広いシャワーだけの浴室みたいなものだった。

そこで、集は体を洗い、貸してくれたタオルで体をふいた後、服も借りた。

「ああ、上がったのか。集」

「ああ、ありがとう。さっぱりしたよ」

借りた服で先ほどのリビングに向かうとユイはどこかに行ったらしく

姿は見えなかったがマントを外し、普段着と思われる服装でゆえがソファで寛いでいた。

「まあ、座れ」

「うん」

集はゆえに言われて彼女の向かいに座った。

「ではまずは君の話を詳しく聞かせてもらおうか?」

「へ? 何の事?」

「惚けない方がいい。私の勘は良い方でな。君はここの……いやこの世界の人間じゃないんだろう?」

「――――――ッッッッ!」

「図星か」

集は彼女の指摘に動揺を隠しきれなかった。

何も彼は自分が異なる世界の人間であるという事を悟らせるようなことは一言も言ってはいない。

それだけ彼女の勘とやらが良いように思えた。

「うん」

「話してくれないか? 何か力になれるかもしれない」

「分かった。話すよ」

それから集は今までの事を話した。




「そうか。つまり君は異世界から来たという事で良いかな」

「うん。ま、気にしてないけど」

「元の世界に戻りたくないのか?」

「何で?」

ゆえは集の答えに疑問を抱いたらしくもう一度聞き返してきた。

「何でって君が今まで過ごしてきた世界なんだぞ? 突然目を覚ましたら異世界って怖くないのか?」

「ん~それほどは」

「……何があったんだ?」

「……何もなかったよ。何もね」

そういう集は悲しそうな顔をしていた。

「そう言えば集はこんなのを見た事はあるか?」

「ん?」

ゆえが掌を翳すとそこから炎が出て、火の玉のようにフワフワと彼女の掌の上で浮いていた。。

「……へ~」

「むむ? 感動すると思ったんだがな」

「そう。残念だったね」

「そう言いながらもお前、まじまじと見てるぞ?」

集は初めて見る魔法とやらに、近くでまじまじと見ていた。

今までマンガや小説の世界でしか出てこないと思っていたものが今自分の目の前にある。

冷静でいる方がおかしな話だ。

「……凄いな。僕にも出来るのか?」

「分からないな。君はこの世界の住人ではないからな。

この世界では幼い頃からこれを勉強してるらな」

それを聞いた集は少し、腕を組んで考え事を始めた。

「……教科書ある?」

「ああ、あるがどうするのだ?」

「見せてくれ! 俺もマスターしたい!」

その目はとてもきらきらしていた。

「い、良いぞ。後ろの書庫に教材が大量にあるから見ていいぞ」

「よーし!」

そう言い集はたじろいでいるゆえを置いて、ダッシュで書庫に向かった。

「あら? 集君は?」

「集なら書庫に行ったよ」

「あらそう。折角おいしいパンを作ったのに」

「まあ、後で分からなくなって出てくるさ。その時に食べさせよう」

「そうね」

ゆえはそう言って二階へと昇って行った。



そして夜、あまりにも出てこない集に不安を感じたゆえが書庫に迎えに来ていた。

「お~い。集、大丈夫か~入るぞ~」

ゆえが入るとそこに広がっている光景は本の山に埋もれている集の姿だった。

「何をしてるんだ?」

「……本の海で泳いでる」

「それよりも晩御飯だぞ」

「ああ、悪いな」

集はゆえに連れられ晩ご飯を食べまた書庫にこもり一日を過ごした。

こんばんわ。連続更新です。

如何でしたか?

感想もお待ちしております。

それでは、さよなら

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