りゅう君
「なにしているのりゅう君、やめなさい」
ボクがあそんでいると、いつもセンセーがおこる。
ボクはべつにワルイことをしているワケじゃない。
トモダチがあそんでいるオモチャを、じょうずに、つかってあげているだけだ。
スベリだいだって、じゅんばんをとばしているワケじゃない。
周りのトモダチがノロノロしているから、ボクがワキからさきにすすんで、スベるだけなんだ。
そのほうが、コウリツがよくてイッパイすべれる。
なのに…おもちゃを返しなさい。順番を守りなさい。りゅう君。りゅう君。りゅう君。
きょうも、おこられた。
モモちゃんとシンちゃんがママゴトをしていて、モモちゃんがつくったゴハンを、シンちゃんがいらないっていったから、ボクがゴハンを、なげたんだ。
「なんてことするの、りゅう君」
ボクは、おこっているセンセーに、おしえてあげた。
ボクのウチではスキキライをすると、ママがゴハンをなげすてるんだ。
だから、スキキライはダメなんだ。
だから、いっぱいガマンして、ママをオコらせないようにしないといけないんだ。
ボクは、がまんしている。
でもセンセーは、おこるのをやめなくて、ないているモモちゃんと、シンちゃんに、あやまれっていう。
「早くしなさい、りゅう君」
ボクのなかで、なにかが、はじけた。
いままでガマンしていたモノがバクハツした。
もう、とまらないぞ。
「センセー、ボクは、ボクは……サトシっていう名前なの」




